[過去ログ] 【PSPでも】高木順一朗part3【ティンときた!】 (1001レス)
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533: SS再掲/亜美真美・1 2009/06/07(日)22:04 ID:EBfzt93aQ(6/8) AAS
私は今病院にいる。
体の何処かが悪いだとかではない。定期健診というやつだ。
まだまだ一線を退くつもりは無いが、いやだからこそ健康を維持するために健康診断を受けるのも、
一社会人として、また一国一城の主(事務所は賃貸だが)である社長たるものの義務だ。
ここ最近は身体の調子もいいし、我が社には有望なアイドル候補生が続々と入っており、精神面でも好調だ。
今回の結果は良いものになりそうだな。
しかし…だ。病院というところはどうにも暇だ。待ち時間も一つ一つが長い。
せっかく予約を入れているのに時間通りになった試しがない。
扱っているものが扱っているものだからそれは致し方なく、理解も納得もするが、暇なのは変わらない。
それに病院という場所柄基本的に静かであり、そういった空気が尚更閉塞感を抱かせるというか、私の時間を延ばしていく。
すこし次の予定までにはまだ時間がある。
少し外に出ていようかなどど私が思っていたとき、病院には似つかわしくない大きな足音が聞こえた。
その音は急激に私のほうへと近づいてきて、私は腰から下に後ろからの軽い衝撃を感じた。
「あいたたた…ぶつかっちゃったよ」
何かと思い振り返るとそこには鼻を押さえた少女がいた。どうやら私に走っていたらぶつかってしまったらしい。
子供、と言って差し支えないだろう。頭の右側の上に向かって結っていた髪が特徴的な娘だ。
「ごめんねーおじさん。ちょっと急いでるんだー」
彼女は謝りながら私の横をすり抜けていこうとした…が、それは叶わなかった。
「待ちたまえ」
なぜなら私が彼女の腕をがっちりと掴んでいたからだ。
そういえばこの娘はどこかで見たことがあるような気がする。
つい最近というか、むしろついさっきだった様な…。
「おじさん何すんのさー!?離してよー!」
彼女は私の腕を離そうとじたばたと暴れている。そうだ、目の前に本人がいるのだから直接聞いてしまえばいい。
「君は以前私とあったことは無いかね?」
そう聞くと彼女は少し呆けた後
「なーにー?おじさんもしかしてナンパ〜?んっふっふ〜亜美の魅力にメロメロって感じ〜?」
急ににやけた顔で私に話しかけてきた。
「いやいや私はだね…」
「でもさーちょ〜っと手が古いんじゃなーい?今時そんなんじゃ誰も引っかからないって」
「だから私は…」
「それに亜美としてはもっとイケメンで『せれぶ』な感じじゃないとね〜」
子供のいうこととはいえちょっと傷ついた。
どうも話がずれる上に終了しそうも無い。
「ともかくだ!」
しょうがないので私は少し声を荒げて(声はなるべく小さく)無理矢理話を打ち切った。
「急いでいたとはいえ、病院内を走るのはあまり関心できない。いったいどうしたんだね?」
「あーそうだった!急いでるんだ!」
確かに彼女が急いでいるのは解る。
それにここは病院内であるから、それこそ大事で急ぐ人もいるだろう。
だが、彼女の様子からはそういった空気は感じられない。
とすれば、早々見逃すわけにも行くまい。別に私が暇だからではないぞ?
「いやだからどうして…」
「だーかーらー急いでるんだってばー。早くしないと見つかっちゃうよー」
見つかる?何のことだ?と僅かとは言え気を取られたのがまずかった。
彼女が暴れた際に彼女を捕まえていた腕が離れてしまった。
「ごめんねおじさん。次からはぶつかんないように気をつけるからー!」
いや、そうじゃなくてそもそも走らないように…それに病院で大声を出してはいかん、と言いたかったが、
彼女はあっという間に何処かへと立ち去ってしまった。全く最近の若い者は難しいな…。
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