【リレー小説】TPパニック 〜 殺し屋達の絆 〜 (924レス)
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522: 2020/04/16(木)01:03 ID:cxLnjbT7(6/26) AAS
「あの娘に惚れたのか?」
茨木は青春のお裾分けを期待するような笑顔で聞いた。
「チャイニーズガールの綺麗な娘は現実離れしてるぐらい綺麗だって聞いてたけどさ」
「うんうん」
「あの娘はそこまではないけど」
「ないんかい」
省1
523: 2020/04/16(木)03:15 ID:yEkZSjZq(1) AAS
ホテルに帰るとララはキンバリーやジャン・ウーにこってり絞られ、
そのまま疲れたような足取りで自室に戻った。
「…あ〜、ちかれたぁ」
ララはつまらなそうな顔で溜息を付いた。
「ねぇ、起きてよメイ」
「…」
メイファンからの返事はない。しかし、気持ちよさそうに眠っているのがなんとなく分かった。
「なんだコイツ、クッソムカつく」
苛立つララはベッドの上に寝そべると布団を被って寝た。
524: 2020/04/16(木)12:18 ID:cxLnjbT7(7/26) AAS
「あれ、買ってみようか」
茨木はタピオカミルクティーの店の前に出来ている短い行列を指して言った。
「オッサンがタピるの?w いいよ、俺のも買って来て」
18歳の優太にパシり扱いされても機嫌を損ねることなく、茨木は立ち上がった。
「タピるのはギャルだけのもんじゃねぇ。俺は甘いものが大好きなんだ」
525: 2020/04/16(木)12:22 ID:cxLnjbT7(8/26) AAS
茨木が行儀よく行列に並んでいると、後ろから背中を指で突っついて来る者がいる。
振り向いて見ると、ネイビーのTシャツにグレーの短パン姿の少女だった。
茨木の顔をまっすぐ見て中国語で何か言っている。
ショートカットに丸顔の少女を見るなり、茨木は恋に落ちてしまった。
526: 2020/04/16(木)12:28 ID:cxLnjbT7(9/26) AAS
ヤーヤがタピオカミルクティーを買おうといつもの店に行くと、短い行列の一番後ろにスーツ姿のおじさんが立っていた。
あまりにタピオカミルクティーに似合わないそのおじさんを見るなり、ヤーヤはその背中を突っついた。
振り向いたおじさんの顔は傷だらけだったので、これは間違いなくお客じゃないと確信し、ヤーヤは言った。
「ちょっとおじさん。ここはお店の行列だよ。邪魔だからちょっと退いてくれないかな」
するとおじさんはいきなり挙動不審になり、気持ち悪い笑顔で「どうぞ」という手つきとともに退いてくれた。
ヤーヤが商品を買い、くるりと振り返るとおじさんはまだそこにいて、チラチラと盗むようにヤーヤの姿を見ていた。
ヤーヤは急いで走り去った。
527: 2020/04/16(木)12:35 ID:cxLnjbT7(10/26) AAS
パンパンに充填されたカップのビニール蓋に太いストローを刺し、吸い込むと、
脳天まで突き抜けるような茶葉の爽やかな香りとともに、大粒のタピオカがこれでもかと流れ込んで来た。
「おほっ!」
茨木は思わず涙を流し、言った。
「この世にまだこんな美味いものがあったとは……!」
だらけた格好で座っていた優太も、吸い込むなり笑顔になった。
「日本のコンビニで飲んだのとは大違いだわ。タピオカがもっちもち」
「台湾ではもちもちのことをQQって言うらしいぞ」
「キュッキュッって言うより、やっぱもっちもちだな」
528: 2020/04/16(木)12:37 ID:HzPMkgGz(1/2) AAS
ベッドの上で眠るララは目を覚ました。
「ん〜、どれくらい眠っていたんだろう」
起き上がって、ホテルの窓をみるともう夕暮れだ。
「・・・寝るか、やることもないし」
529: 2020/04/16(木)12:38 ID:cxLnjbT7(11/26) AAS
「それにしても台湾の女の子は可愛い……」
突然、茨木が言い出した。
「ナチュラルで、健康的で……」
「何? オッサン、恋でもしたの?」
優太はそう言ってすぐに大笑いした。
「まさかなぁ」
530: 2020/04/16(木)13:35 ID:S6avAkGp(1) AAS
「ジャン爺?」
ララは眠りに落ちる直前、ドアが開く音で目をを上げその方を見た。
「お前がラン・メイファンだな?」
そこには知らない男が立っていた。
「うわっなんだなんだ!?」
恐怖を感じたララは、部屋の隅へ逃げた。
「あ、おれハリー・キャラハン。光の守護者の1人だ。ヴェントゥス兄貴に頼まれてきたんだ。」
目の前の白人男性はそう言うと、ララに近づいてきた。
省2
531: 2020/04/16(木)14:57 ID:cxLnjbT7(12/26) AAS
『……な、わけないか』
ララは夢から覚めるとまた眠った。
タオ・パイパイですら突き止められないこのホテルに、
しかもヤクザの厳重な警戒の中を潜り抜けて部屋に入って来られる者などいる筈がなかった。
532: 2020/04/16(木)15:02 ID:cxLnjbT7(13/26) AAS
ヤーヤはLINEを開いた。
今日、ムーリンに送った4通のメッセージはすべて未読のままだった。
電話しても、出ない。
『何かあったの? ムーリン……』
これだけ面倒臭い子、いつもならこっちから縁を切るところだ。
しかしムーリンのことは放っておけなかった。
同性婚が法的に認められた昨今の社会のムードに乗せられているつもりはなかった。
しかしヤーヤはムーリンのことを守ってやりたいという、男らしい気持ちに包まれていた。
533: 2020/04/16(木)15:05 ID:cxLnjbT7(14/26) AAS
「ララ、起きろ」
眠っているララの口を動かしてメイファンが言った。
「ムニャ!?」
ララは半分だけ目を開けた。
「起きろよ! いつまで寝てるつもりだ? 今、何時だと思ってんだ!」
枕元のスマホを取り、時間を見た。夜の10時半だった。
「呼ばれたらサッサと起きろよな。……ったく! このねぼすけが!」
省2
534: 2020/04/16(木)15:14 ID:cxLnjbT7(15/26) AAS
「……ったく、妙な技をかけられちまったぜ。昼間は眠くてどうしようもない」
「あっそう」
ララは身体を起こすとサイドテーブルから飴を取り、口に入れた。
「しかし夜になるとどうやら意識がはっきりするようだ」
「ふーん……」
「ララ、お前、昼の間はずっと寝てろ」
省5
535: 2020/04/16(木)15:18 ID:HzPMkgGz(2/2) AAS
「ここどこ?」
見渡すととそこはホテルではなかった。
「こっちが聞きてーよ!」
メイは声を荒げるように言った。
「今までの方が夢だったりして」
536: 2020/04/16(木)15:18 ID:cxLnjbT7(16/26) AAS
「しょーがないだろ。私は昼間は眠くて起きてられないんだ」
「昼間メイが起きてればいいじゃん」
「起きてられねーんだってば」
「勝手言うな!」
「どうしようもねーんだってば」
省5
537: 2020/04/16(木)15:25 ID:cxLnjbT7(17/26) AAS
「それにな、私達は黒白揃っての『黒色悪夢』なんだぞ」
「だったら『灰色悪夢』じゃん!」
「それじゃなんか語感が嫌だから黒にしてるんだよ」
「じゃあやっぱ白いらないじゃん!」
「何怒ってんだよ。お前は必要なんだ。お前がいなけりゃ……」
省1
538: 2020/04/16(木)15:29 ID:cxLnjbT7(18/26) AAS
「とりあえず今から作戦会議を行う」
「作戦会議? そんなの今までしたことないじゃん」
「今回の敵は手強い。おまけに私が妙な技をかけられてこの状態だ。今までの仕事とは勝手が違う」
「ねぇ……メイ」
「何だ」
省2
539: 2020/04/16(木)15:33 ID:cxLnjbT7(19/26) AAS
ララはベッドに寝転ぶと、拗ねたように言った。
「つまんないんだもん。それに怖いし……」
「お子ちゃまか」
「あーあ。サクッと殺して、あと観光して、帰れると思ってたのに」
「おいおい。サクッと殺すとか、物騒なこと言うようになったもんだな。あの優しかった姉ちゃんが」
「誰の影響だよ!?」
省2
540: 2020/04/16(木)15:37 ID:cxLnjbT7(20/26) AAS
「まぁ、とりあえず黙って聞け。作戦会議だ」
メイファンはそう言うと、仕切りはじめた。
「今回、標的6人のうち4人と接触。1人を始末した」
ララは何も言わずに新たな飴を口に入れた。
「始末出来なかった3人だが、これがいずれも厄介だ」
ララは口の中で飴を転がしカランコロンと音を立てた。
「真面目に聞け!」
省1
541: 2020/04/16(木)15:44 ID:cxLnjbT7(21/26) AAS
「まず、最初に接触した毒使いだ」
ララは思い出してしまい、鳥肌が立った。
「正直あいつがいつ毒を盛ったか、未だにさっぱりわからん。わからんからには防ぎようがない。何も飲み食いするなとも言えんし……」
「カラン……コロン……」
「その飴大丈夫か」
省7
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