【リレー小説】TPパニック 〜 殺し屋達の絆 〜 (924レス)
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530: 2020/04/16(木)13:35 ID:S6avAkGp(1) AAS
「ジャン爺?」
ララは眠りに落ちる直前、ドアが開く音で目をを上げその方を見た。

「お前がラン・メイファンだな?」

そこには知らない男が立っていた。
「うわっなんだなんだ!?」
恐怖を感じたララは、部屋の隅へ逃げた。

「あ、おれハリー・キャラハン。光の守護者の1人だ。ヴェントゥス兄貴に頼まれてきたんだ。」

目の前の白人男性はそう言うと、ララに近づいてきた。
省2
531: 2020/04/16(木)14:57 ID:cxLnjbT7(12/26) AAS
『……な、わけないか』

ララは夢から覚めるとまた眠った。

タオ・パイパイですら突き止められないこのホテルに、
しかもヤクザの厳重な警戒の中を潜り抜けて部屋に入って来られる者などいる筈がなかった。
532: 2020/04/16(木)15:02 ID:cxLnjbT7(13/26) AAS
ヤーヤはLINEを開いた。
今日、ムーリンに送った4通のメッセージはすべて未読のままだった。
電話しても、出ない。

『何かあったの? ムーリン……』

これだけ面倒臭い子、いつもならこっちから縁を切るところだ。
しかしムーリンのことは放っておけなかった。

同性婚が法的に認められた昨今の社会のムードに乗せられているつもりはなかった。
しかしヤーヤはムーリンのことを守ってやりたいという、男らしい気持ちに包まれていた。
533: 2020/04/16(木)15:05 ID:cxLnjbT7(14/26) AAS
「ララ、起きろ」
眠っているララの口を動かしてメイファンが言った。

「ムニャ!?」
ララは半分だけ目を開けた。

「起きろよ! いつまで寝てるつもりだ? 今、何時だと思ってんだ!」

枕元のスマホを取り、時間を見た。夜の10時半だった。

「呼ばれたらサッサと起きろよな。……ったく! このねぼすけが!」
省2
534: 2020/04/16(木)15:14 ID:cxLnjbT7(15/26) AAS
「……ったく、妙な技をかけられちまったぜ。昼間は眠くてどうしようもない」

「あっそう」
ララは身体を起こすとサイドテーブルから飴を取り、口に入れた。

「しかし夜になるとどうやら意識がはっきりするようだ」

「ふーん……」

「ララ、お前、昼の間はずっと寝てろ」
省5
535: 2020/04/16(木)15:18 ID:HzPMkgGz(2/2) AAS
「ここどこ?」
見渡すととそこはホテルではなかった。

「こっちが聞きてーよ!」
メイは声を荒げるように言った。

「今までの方が夢だったりして」
536: 2020/04/16(木)15:18 ID:cxLnjbT7(16/26) AAS
「しょーがないだろ。私は昼間は眠くて起きてられないんだ」

「昼間メイが起きてればいいじゃん」

「起きてられねーんだってば」

「勝手言うな!」

「どうしようもねーんだってば」
省5
537: 2020/04/16(木)15:25 ID:cxLnjbT7(17/26) AAS
「それにな、私達は黒白揃っての『黒色悪夢』なんだぞ」

「だったら『灰色悪夢』じゃん!」

「それじゃなんか語感が嫌だから黒にしてるんだよ」

「じゃあやっぱ白いらないじゃん!」

「何怒ってんだよ。お前は必要なんだ。お前がいなけりゃ……」
省1
538: 2020/04/16(木)15:29 ID:cxLnjbT7(18/26) AAS
「とりあえず今から作戦会議を行う」

「作戦会議? そんなの今までしたことないじゃん」

「今回の敵は手強い。おまけに私が妙な技をかけられてこの状態だ。今までの仕事とは勝手が違う」

「ねぇ……メイ」

「何だ」
省2
539: 2020/04/16(木)15:33 ID:cxLnjbT7(19/26) AAS
ララはベッドに寝転ぶと、拗ねたように言った。
「つまんないんだもん。それに怖いし……」

「お子ちゃまか」

「あーあ。サクッと殺して、あと観光して、帰れると思ってたのに」

「おいおい。サクッと殺すとか、物騒なこと言うようになったもんだな。あの優しかった姉ちゃんが」

「誰の影響だよ!?」
省2
540: 2020/04/16(木)15:37 ID:cxLnjbT7(20/26) AAS
「まぁ、とりあえず黙って聞け。作戦会議だ」
メイファンはそう言うと、仕切りはじめた。
「今回、標的6人のうち4人と接触。1人を始末した」

ララは何も言わずに新たな飴を口に入れた。

「始末出来なかった3人だが、これがいずれも厄介だ」

ララは口の中で飴を転がしカランコロンと音を立てた。

「真面目に聞け!」
省1
541: 2020/04/16(木)15:44 ID:cxLnjbT7(21/26) AAS
「まず、最初に接触した毒使いだ」

ララは思い出してしまい、鳥肌が立った。

「正直あいつがいつ毒を盛ったか、未だにさっぱりわからん。わからんからには防ぎようがない。何も飲み食いするなとも言えんし……」

「カラン……コロン……」

「その飴大丈夫か」
省7
542: 2020/04/16(木)15:49 ID:rWxpTqET(1/2) AAS
(…こんな彼女″ら″が黒色悪夢だとはねぇ、仕事なんでね、死んで貰う。)

この部屋に標的の1人、タオ・サムソンが潜んでいることに
メイファンとララは気が付いていなかった。
543: 2020/04/16(木)15:55 ID:cxLnjbT7(22/26) AAS
「大丈夫だ。私の見立てではお前レベルでもあいつなら殺せる」

「何を言う!!!」

「まぁ、任せたぞ。次は銃火器ぶっ放すボインの姉ちゃんだ。あれもヤバい」

ララは口を尖らせながら新しい飴の袋を開けた。

「あいつ、狙いも定めずに乱れ撃ちして来る。ああいうのは苦手だ。『気』を読む暇がない」
省6
544: 2020/04/16(木)16:00 ID:cxLnjbT7(23/26) AAS
「えっ? えっ?」
サムソンはびっくりして武器を落とした。
「僕が見えるの!?」

「てめーが幽霊なわけねーだろ」
メイファンはララの姿のまま言った。
「そんな濃い『気』を暑苦しくムンムン出しといてよ。目で物を見る奴にはどうか知らんが、『気』で物を見る私には丸見えだ」
545: 2020/04/16(木)16:02 ID:cxLnjbT7(24/26) AAS
メイファンはサムソンを縄で縛ると、ララに言った。
「このデブ盾に使え。あいつが撃ちまくって来たらこのデブ前に出せ」

「わかった」
ララは頷いた。
546: 2020/04/16(木)16:08 ID:cxLnjbT7(25/26) AAS
「残るはあのイケメンだが……」
メイファンは眉間に険しい皺を寄せて言った。
「アイツは私がなんとかする」

「天敵なんでしょ」
ララは白けたように言った。
「メイには勝てない相手だよ。諦めて中国、帰ろ?」

「バカ言え」
メイファンは笑った。
「天敵だからこそ、乗り越えるんだ。こんな楽しいことはない」
547: 2020/04/16(木)16:18 ID:cxLnjbT7(26/26) AAS
「そしてサクッと全員殺したら、私が観たかった宇宙人のライブだけ観て、サッと帰ろう」

勝手なことばかり言うメイファンに、ララは発狂寸前だった。
548: 2020/04/16(木)17:14 ID:rWxpTqET(2/2) AAS
「…すごいな、ほんとに気だけの人がいるなんて」
サムソンはメイファンの目を覗きながらいった。縛っていたはずの縄は切られていた。

「…暑苦しい顔をちかづけるんじゃねぇ」
メイファンはサムソンを張り飛ばした。
549: 2020/04/17(金)06:41 ID:I2LUuoA7(1/4) AAS
新しい朝がきた。
「おっす、おはよう!」
ゆーたとかいう男の大声でララは目を覚ました。

「うぅっ、朝からうるさいなぁ」
ララは不機嫌そうな顔でベッドから起き上がる。
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