【リレー小説】TPパニック 〜 殺し屋達の絆 〜 (924レス)
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710: 2020/04/23(木)10:41 ID:b1tIWKDU(1) AAS
その時、不思議なことがおきた
711: 2020/04/23(木)11:09 ID:RF8QJdsx(1) AAS
優太が日本刀を避けようと尻尾を動かすと、
メイファンの履いている靴の左側から火が吹き出し、
飛ばされたメイファンは壁に叩きつけられた。
712: 2020/04/23(木)12:23 ID:/uv3O7oU(1) AAS
メイファン「何すんだ!」

優太「とぅっ、とぅいまっとぇーん!」
713: 2020/04/23(木)12:38 ID:1mcbwhsn(2/2) AAS
メイファンは日本語「とぅっ、とぅいまっとぇーん!」を覚えた!
714: 2020/04/23(木)15:12 ID:7ZUi/GAE(1/20) AAS
不思議なことに優太が尻尾を動かすとジェット靴は反応した。

優太は靴を履くと、左に少しだけ尻尾を動かしてみる。
右側のジェットが点火し、優太は右へ転んだ。

「俺、これを操作できるようになりてぇ!」
優太は言った。
「それには靴がちと大きい。ブカブカだ!」

「いい靴職人がちょうど身近にいるわ」
キンバリーはその名を呼んだ。
「ひでぞうさん」
715: 2020/04/23(木)19:08 ID:7ZUi/GAE(2/20) AAS
茨木は昨日の失敗をキンバリーに責められ、完全装備でバーバラを探しに街へ出て来た。
バーバラのバイクを追えるよう、陳氏からバイクを借りて来たのだが……。

「1000ccのスポーツバイクをこれで追えってのかい……」
茨木は白いキムコの125ccスクーターを押して歩きながら、呟いた。
頭に被ったヘルメットはキンバリーから借りたピンク色のジェット型だ。

バーバラの動向が掴め次第キンバリーからやって来る連絡を待つため、歩道にバイクを停めた。
716: 2020/04/23(木)19:11 ID:7ZUi/GAE(3/20) AAS
この前優太と牛肉麺を食った店でまた飯を食った。
食事をしながらチラチラとタピオカミルクティーの店のほうを気にしている。

店の前に出来た短い行列の中に、今日はあの丸顔の女の子の姿はなかった。
717: 2020/04/23(木)19:14 ID:7ZUi/GAE(4/20) AAS
ムーリンはスマートフォンの待ち受け画面を見る。

今日はヤーヤからのメッセージが一通も届いていなかった。

これでいい、とムーリンは思う。

「自分を信じるなんて、出来るわけないよ、ヤーヤ……」
718: 2020/04/23(木)19:21 ID:7ZUi/GAE(5/20) AAS
ヤーヤは学校を終え、私服で一人、街を歩いていた。

2人で遊んだ場所を次々巡る。
どこにもムーリンの姿はなかった。

『これだけすべてのメッセージが未読のままってことは……』
ヤーヤは考えた。
『何かあったかと思ったけど……』

1通だけ、最近送ったメッセージが既読スルーになっていた。

『あたし……理由はわからないけど、嫌われたんだよね?』
省2
719: 2020/04/23(木)19:24 ID:7ZUi/GAE(6/20) AAS
「あっ」
茨木は思わず小さく声を上げた。

タピオカミルクティー店の前に、丸顔ショートカットの健康的な肌色の女の子が並んでいたのだ。

「あの娘だ」
茨木はストーカーに変身した。
720: 2020/04/23(木)19:27 ID:7ZUi/GAE(7/20) AAS
ヤーヤは自分の原付スクーターに乗り、これで最後と思いながら、ある場所へ向かっていた。

この間、ムーリンのママを見た、あの場所だ。
すぐ向こうに公園か何かの森林が見える、人通りのない場所だった。

ここでムーリンに会えなかったら、諦めようと決めていた。
721: 2020/04/23(木)19:31 ID:7ZUi/GAE(8/20) AAS
茨木は白いキムコの125ccスクーターで、赤い原付スクーターの女の子を距離をとって追いかけていた。

キンバリーに知れたらまた小言を言われるどころではないだろう。
任務そっちのけで、意味のわからないことをしている。

しかし彼は止められなかった。

異国の地で美少女のあとを尾けるのは、得も言われぬ甘美な味わいがあった。
722: 2020/04/23(木)19:34 ID:7ZUi/GAE(9/20) AAS
ふと、気づいた。

『この方向は……』

前方にタオ家の敷地、黒い森林が見えはじめる。

赤い原付スクーターの少女はバイクを道脇に停めると、歩いて森のほうへと歩き出した。
723: 2020/04/23(木)19:39 ID:7ZUi/GAE(10/20) AAS
ヤーヤは歩きながら、スマートフォンでメッセージを送った。

『今、この間ムーリンのママと出会ったあたりにいるよ。森に向かって歩いてる。もし……嫌われたんじゃないのなら……会えないかな(´・c_・`)』

メッセージを送信し終えると、空を見た。

鉛の雨でも降って来そうな空の色がなんだか不吉だった。
724: 2020/04/23(木)19:43 ID:7ZUi/GAE(11/20) AAS
突然、後ろから肩を掴まれた。

ムーリンの手ではありえない、ごっつい男の太い手に、恐怖の表情でヤーヤは振り向いた。
そしてすぐに悲鳴を上げた。

顔中傷だらけの、この間タピオカミルクティー店の前で見たおじさんが、意味のわからない言葉を発している。
その両腕が自分を掴み、どこかへ連れて行こうとしていた。
725: 2020/04/23(木)19:47 ID:7ZUi/GAE(12/20) AAS
「そっちへ行くな!」
茨木は放っておくことが出来ずに少女を引き止めた。
「知ってるのか? その先は殺し屋の巣窟だぞ。危険なんだ。さぁ、戻るんだ」

少女は明らかに自分の傷だらけの顔を見て怯え、パニックを起こしていたが、知ったことではなかった。

あんな危険な場所にこんな可憐な女の子が向かおうとするのを止めないわけには行かない。
726: 2020/04/23(木)19:49 ID:7ZUi/GAE(13/20) AAS
ヤーヤは叫んだ。

「誰か! 誰かー! 殺される!」

森のほうへ向かって走って逃げようとすると、男の手はさらに強引に腕を掴んで来た。

「ひあああ! ムーリン! 助けて!」

ちょうどそこへ森のほうからムーリンの姿が現れた。
727: 2020/04/23(木)19:54 ID:7ZUi/GAE(14/20) AAS
「ヤーヤ!」
ムーリンはその光景を見て大声で叫んだ。

「ムーリン!」
ヤーヤは気づき、叫んだ。
「来ちゃダメ! 誰か人を呼んでーーッ!」

茨木は森のほうから現れた少女の姿を睨んだ。
金髪、ニキビだらけの顔の少女、森のほうから……
確信した。

「『暴れ牛』だ!」
茨木は力ずくでヤーヤを抱き締めると、抱え上げた。
省2
728: 2020/04/23(木)19:59 ID:7ZUi/GAE(15/20) AAS
「や、ヤーヤッ!」
ムーリンは叫んだ。

「ムーリン!」
ヤーヤは恐怖に泣き叫んだ。
「ああひとををを呼んでぇぇ!」

「ヤヤヤヤーヤッ! アアッ!」

「ムーリーーンッ! アアアーー!」

「どぅどぅどぅ……」
ムーリンの顔が割れ、中から笑顔の仮面のようなものが現れる。
「どぅばごくあらダーーーッ!!!」
729: 2020/04/23(木)20:02 ID:7ZUi/GAE(16/20) AAS
ヤーヤは、見た。

ムーリンの身体から無数の触手のようなものが現れた。

それは空気を斬り裂くように飛んで来て、ムチのような音を立てた。

顔中傷だらけの男が自分を庇うように抱くと、何も見えなくなった。
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