【リレー小説】TPパニック 〜 殺し屋達の絆 〜 (924レス)
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187: 2020/03/26(木)15:14 ID:FApSBOPK(1/6) AAS
マルコムはホテルの一室で、キンバリーと甘美な時間を過ごしていた。
「あぁ……。素敵だ。ずっとこうして君の中に入っていたいよ、キム」
「ああっ……! マル……っ! あたしもよ……ああっ!」

マルコムのスマートフォンにはモーリンの死を報せるバーバラからのLINEメッセージが入っていたが、二人はまだそのことを知らなかった。
188: 2020/03/26(木)15:22 ID:FApSBOPK(2/6) AAS
目を覚ましたムーリンはまた涙が止まらなくなった。
スマホを取ると、ヤーヤにLINEのメッセージを送った。

○ お姉ちゃんが死んじゃった

メッセージは見ている前で既読になり、すぐに返事が帰って来た。

    なななな何? どうしたの? ●

ムーリンは涙を拭きながら、メッセージを返す。
省3
189: 2020/03/26(木)15:30 ID:FApSBOPK(3/6) AAS
待ち合わせの公園に行くと、ヤーヤは既に来ていた。
涙でひどい顔になっているムーリンのほうへ駆け寄ると、肩に手を置いてヤーヤは聞いた。
「大丈夫?」
「だいじょーぶ」ムーリンは答えた。「……じゃないかも」
「お姉さんが? 一体何があったの? ねぇ?」
「仕事中に……」ムーリンはしゃっくりをしながら、言った。「しくじって……」
それ以上ヤーヤは何も聞かなかった。
ムーリンを引き寄せると、自分の胸に埋めさせた。
190: 2020/03/26(木)15:33 ID:FApSBOPK(4/6) AAS
ムーリンはヤーヤのTシャツを掴んで思い切り泣いた。
暫く泣いていると、頭の上に雨のようにヤーヤの涙が落ちて来た。
ムーリンは見上げた。顔をぐしゃぐしゃにして泣いているヤーヤの顔が見えた。思わず聞く。
「なんでヤーヤが泣いてるの?」
191: 2020/03/26(木)15:37 ID:FApSBOPK(5/6) AAS
「だってお姉さん、死んだんでしょ」ヤーヤは言った。「あたしも悲しいよ」
「会ったこともないお姉ちゃんの死を悲しんでくれるの?」
「ムーリン、大好きだったんだよね? お姉さんのこと」
「うん」
「だから、さ」ヤーヤはムーリンを思い切り抱き締めた。「ムーリンが悲しいと、あたしも悲しいんだよ」
192: 2020/03/26(木)15:46 ID:FApSBOPK(6/6) AAS
悲しいことを一緒になって悲しんでくれる人がいれば、こんなにも救われるものだということを、ムーリンは生まれて初めて知った。
最愛だった姉のモーリンでさえ、可愛がっていた猫が死んだ時に一緒に悲しんではくれなかった。
ムーリンはヤーヤに抱きつくと、涙が涸れるまで泣き続けた。
ヤーヤはムーリンの細い腰を強く抱き締め、ぽろぽろと涙を流しながら、金色の髪をもう片方の手でずっと撫で続けていた。
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