[過去ログ] 【国際】キリスト教徒夫婦をリンチし窯で焼き殺害、数百人が集団暴行 5人に死刑判決 パキスタン [無断転載禁止]©2ch.net (1002レス)
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559: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [Kotchian] 2016/11/25(金)13:55 ID:84rB8Z/F0(69/125) AAS
ところで数年前、フランスの内閣は、アーサー王の伝説の起源をしらべるために、ド・ラ・ヴィルマルク氏
をイギリスへ派遣した。そのときの結果は、伝説の根底にある事実については、次のようなことであった。す
なわち、六世紀の始め、ウェールズにアーサーという名の小領主がいて、侵入してきたサクソン人と根気よく
戦ったけれども、そのささいな事蹟は忘れられてしまった、というのである。してみると、この男が、どうし
てだかわからないが、幾世紀もつうじて無数の歌謡・物語詩・物語のうちに讃えられてきたあの輝かしい人物
になったわけなのだ。ヴィルマルケ著『古代ブルターニュの民話。アーサー王の円卓にまつわる叙事詩の起源
についての試論付』(二巻、一八四二年)を見られたい。この『アーサー王伝』では、アーサーは霧のなかの
人物のようにぼんやりとした遠くはるかな存在としてあらわれているが、それでも現実的な核心がないわけで
はない。――中世紀全体をつうじての英雄であるロランについても、事情はほとんど同じである。ロランも無
数の歌謡・叙事詩・物語で讃えられ、さらにロランの甲冑騎士柱像によって称揚され、ついにアリオストにま
でもその素材を提供して、この作品から変容して復活するようになったのである。ところでロランについては、
歴史はたった一回、たまたま、しかも三語をもって言及しているにすぎない。すなわち、アインハルトが彼ロ
ランをロンセスヴァリエスに滞在した名士のなかに「ブリテン王辺疆伯」(Britannici limitis praefectus)
たるロードランドゥスとして数えあげているのだ。そしてこれがわれわれのロランについて知っているすべて
であることは、ちょうどイエス・キリストについてほんとうにわれわれの知っていることが、タキトゥス
(『年代記』第一五巻・第四四章)の一個所につきるのと同様なのだ。別の例を示すものに、世界的に有名な
スペイン人シッドがある。
多くの伝説や年代記、とりわけあの有名なすばらしい『ロマンツェーロ』におさめられている民謡、はて
はコルネイユの最上の悲劇までが彼を讃美しており、しかも主要事件については、とくに妻になったシメ
ーネのことではだいたいにおいて一致している。ところがわずかな歴史的資料が彼について伝えているこ
とは、彼はなるほど勇敢な騎士、すぐれた将軍ではあったが、非常に残酷・不実な性格の持ち主であり、
それどころか、ときによって仕える党派を変え、キリスト教徒に奉仕するよりもむしろサラセン人に味方
するほうが多かったような節操のない人物であり、それはまるで一介の傭兵隊長に類するが、シメーネの
ひとりと結婚している、といったこと以上に出ないのである。こうしたことの詳細は、はじめて正しい
典拠に行きついたと思われるドージの『スペイン史研究』(一八四九年)第一巻から知ることができる。
――イリアスの歴史的根拠ははたして何であろうか?――じっさい、こうした問題の実態につきあた
るには、ニュートンのりんごの逸話を念願におくがよいのだ。この話に根拠がないことについては、わ
たしはすでに第八六節で説明したとおりなのだが、それでも何千という本でくりかえされているところ
で、現にオイラーさえも、『皇女あての書簡』の第一巻で、麗々しく述べたてているのだ。――およそ歴
史的事実はたいせつにすべきものである以上、残念ながら現状に見られるように、われわれは大嘘つき
であってはなるまい。
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