[過去ログ] 大麻でCO2削減?三重県明和町がプロジェクト 北海道でも栽培広がるか [ブギー★] (196レス)
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177(1): ウィズコロナの名無しさん 2023/04/26(水)09:36 ID:WEgMOtBR0(2/5) AAS
>>176
■THCの特徴……石油のような性質をもち、脂肪や母乳に溶け込む
薬物の体内分布や代謝・排泄を左右する要因の一つは、その薬物が水に溶けやすい「水溶性」か、油に溶けやすい「脂溶性」かです。麻薬としても知られるモルヒネ、コカインなど他の多くの植物成分は「アルカロイド」と総称され、水溶性ですが、THCはアルカロイドではなく、炭化水素に少しの酸素原子が付いているだけです。とくに、化学構造中に、長い鎖状の炭化水素が含まれていて、ほとんど石油のような物質です。当然、油は、水に溶けません。
マリファナを燃やすと、石油のようなTHCは蒸散して、それを吸い込むと肺から急速に血液中に入り込みます。しかし、油ですから、血液の水分には溶け込まず、約90%はリポタンパクやアルブミンなどの血清タンパク質にくっつき、約10%は赤血球などに入り込んで、全身に運ばれます。血清タンパク質や赤血球から解離したごく一部のTHCが、速やかに各組織に移行し、薬効を示すのです。ちなみに、脳に移行するのは、摂取したTHCのわずか1%程度です。
時間が経過すると、THCは徐々に、全身の脂肪組織に浸み込んでいきます。いったん脂肪組織に入ってしまうと、なかなか血液循環には戻りません。実際のヒトのデータで、マリファナを1回喫煙しただけでも、4週間後に脂肪組織中に相当量のTHCが残存していたという報告があります(Biomed Chromatogr 3(1):35-38, 1989)。THCの見かけの効果が消失した後でも、THCは長期間にわたって体内に貯留し続けるので、慢性毒性が問題となります。
また、THCは胎盤を通過し、母乳にも少量移行します(Neurotox Res 6(5): 389-401, 2004)。妊娠中あるいは母乳育児中の女性がマリファナ喫煙することは、子どもにTHCを与えることに他なりません。
178(1): ウィズコロナの名無しさん 2023/04/26(水)09:37 ID:WEgMOtBR0(3/5) AAS
>>177
■THCは体内からどう出ていくか……代謝され、尿中排泄されるまで
一般に、私たちの体の中で不要となった物質は、尿または糞便として排泄されます。尿は、腎臓で血液がろ過されて作られますが、血清タンパク質とくっついたままのTHCは、ろ過されませんので、THCを尿中排泄するためには、THCを水溶性の物質に変える必要があります。そのために働くのが肝臓の代謝酵素です。
肝臓の薬物代謝酵素として最もよく知られているのが、シトクロムP450(Cytochrome P450)と総称される酵素群で、全薬物代謝の8~9割に関与しています。シトクロムP450には、多数の分子種があり、たとえば「CYP1A2」というように表記されます。「CYP」(“シップ”と読む)は、Cytochrome P450の略で、次の数字「1」は酵素群(ファミリー)の番号、その次のアルファベット「A」は亜群(サブファミリー)を表し、最後の数字「2」はその酵素に割り当てられた固有の番号です。ちなみに、CYP1A2は、アセトアミノフェンという解熱薬や、コーヒーの成分であるカフェインなどを代謝します。
THCの代謝については、Δ9-THCを静脈内、経口および喫煙摂取したヒト尿及び糞中代謝物を調べた報告によると、30種類以上のTHC代謝物が見つかり、それらのうち、11-hydroxy-Δ9-THC(11-OH-Δ9-THC)とΔ9-THC-11-oic acidが主代謝物であることが明らかになっています(Science 170: 1320-1322, 1970; J Clin Pharmacol 21: 178S-189S, 1981)。また、その代謝反応には、CYP2C8とCYP2C9が関与しますが、CYP2C9の方がメインであることも分かりました。Δ9-THCは、主にCYP2C9によって11-OH-Δ9-THCに変換され、さらなる酸化的代謝経路によってΔ9-THC-11-oic acidになります。そうして水溶性が増した代謝物は、尿中排泄されるというわけです。
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