[過去ログ] 死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?240 (1001レス)
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507: 2010/04/24(土)00:01 ID:adgRU6fV0(1/9) AAS
ついでにいい機会だと、堅苦しい敬語はやめることにした。

「話すなら涼しいところがいいよね。」

この場所自体、木々のお陰で避暑地ではあるが、
俺は彼女を先導するように本堂の屋根が陰になる階段に腰かけた。

軽く自己紹介をした。彼女の名前は由美というそうだ。
そして、彼女は話始めた。

「私…ここから出られないと言いましたよね?この場所から…
私には、この場所にどういった意味があるかはわからないんです。
ただ、不思議な力のようなもので縛り付けられているのです。」
省6
508: 2010/04/24(土)00:03 ID:adgRU6fV0(2/9) AAS
俺は思わず口にした。「死んでいる?君が?」
未だ半信半疑であった。

「はい。正確には、殺されました…」
悲しそうな彼女の表情。年齢は、俺と同じか、少し上くらいだろうか。
その無念さを思えば、こうして現世に残ってしまう気持ちもわからなくはない。

聞けば、当時、Aという年上の男にこの神社に呼び出され、交際を迫られたそうだ。
しかし、医学の道に進みたかった彼女にとって、年上の男など不要だったという。

そして彼女は断り、逃げるように階段を降りようとした。
その瞬間、背中を押される感覚があったそうだ。
一度心臓がドクン、と強く打ち、転げ落ちて頭を強打し強烈な痛みを感じた次の瞬間には、霊体となってこの場所にいたという。
省6
510: 2010/04/24(土)00:08 ID:adgRU6fV0(3/9) AAS
「…行きますね。」

彼女が近づいてくる。
俺に抱きつくような格好になる。恐怖で、ドキドキする暇もなかった。

強い風が吹いたような感覚の中、一瞬で彼女が俺に入ってきた。
目の前が白く曇る。一瞬、意識が飛びかけた。

(やりました!入れましたよ!大丈夫ですか?)
頭の中に響く声は彼女のものだ。

「…うん、大丈夫そう…かな。」
少し頭がふらふらするのと、軽い吐き気がしていた。
省12
511: 2010/04/24(土)00:11 ID:adgRU6fV0(4/9) AAS
気が付くと鳥居の外にいた。
人はいなかった。来たときと同じように、セミの声だけが聞こえてくる。

俺は、彼女の指示通り歩き出した。
「Aの家、知ってるの?」
(ええ、今は住んでいるかわからないけど。)

「そもそも、それって何年前なの?」
(とても昔。具体的にはわからない。)

「引っ越してたらどうする?」
(…どうしようかな…)

もし彼女に(一緒に探して。)と言われたら、頷いてしまっていたかもしれない。
省6
512: 2010/04/24(土)00:13 ID:adgRU6fV0(5/9) AAS
「どちら様?」
女性は怪訝な顔を見せた。確かに、この年代の人間が訪問するのも珍しいだろう。

「えっと…Aさんの同級生の孫です。」
咄嗟に誤魔化した。

Aが女性と同じ位の年齢でなければ、孫だと変かもしれない。
しかし、女性は疑いもせず、Aを呼びに行った。

すぐに、Aが現れた。見た目は珍しくもない老いた男性。
「えっーと、僕の同級生の孫?誰かな?」

「…由美さんです。覚えてらっしゃいますか?」
(ありがとう…)
省9
513: 2010/04/24(土)00:15 ID:adgRU6fV0(6/9) AAS
(死ぬまで、私を殺したことを背負って。悪いことが起きる度に私を思い出して。)

俺は伝えた。呆然と立ち尽くすAを尻目に俺たちは去った。

「こんなんで良かったのかよ…霊体ならもっと方法あるんじゃないの?」

(いいの。あったとしても。もう十分よ。)
彼女の口調は穏やかだった。まるで、全てを成し終えたようだった。

それからは、ずいぶん昔の話だったんだなぁ、などと雑談をしていた
省14
514
(1): 2010/04/24(土)00:17 ID:adgRU6fV0(7/9) AAS
「うん、約束だよ…」
別れの時が迫っていた。
いつのまにか、赤い夕日に照らされる町。ひぐらしが鳴き始めていた。

「俺、帰らなきゃ。」
(はい…私も行きますね。)

「ああ、さよなら。」
(さようなら、本当に感謝しています。そして…)

(絶対に忘れません。)

スッと、身体が分身するような感覚に襲われる。
憑依したときと同じように目の前が白くなった。
省6
516
(1): 2010/04/24(土)00:19 ID:adgRU6fV0(8/9) AAS
長文失礼しました
想像力豊かな人には怖く感じる部分もあるかと。

>>504
ごめんなさい

>>506
読んでくれてありがとう
524: 2010/04/24(土)01:01 ID:adgRU6fV0(9/9) AAS
>>521
ありがとう
ゆうみです

>>522>>523
読んでくれてありがとう
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