[過去ログ] 死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?380 (1002レス)
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961: 警備員[Lv.6] 02/04(火)00:23 ID:8KYZyAR10(1/4) AAS
私が中学生だった頃、近所に変なおじさんが住んでいた。
そのおじさんは昼間からぶらぶらと町を歩き、誰かと話すこともなく、時には独り言を呟いていることもあった。小さな町だったので、大人たちの間では「あの人はちょっとおかしいから、近寄らない方がいい」と囁かれていた。子どもたちの間でも「変質者かもしれない」と噂されていて、誰もおじさんの家に近づこうとはしなかった。
ある日の放課後、友達のユカが突然言い出した。彼女は好奇心旺盛で、少しお調子者なところがある。怖いもの知らずな性格で、興味を持ったらすぐに行動に移すタイプだった。
「ねえ、あのおじさんの家、ちょっと見に行こうよ!」
私は反対だったが、ユカは怖いもの知らずで、私を引っ張っていった。他にも二人の友達が一緒だった。おじさんの家は町外れの古びた一軒家で、塀の向こうに雑草が生い茂り、窓にはカーテンがしっかりと引かれていた。家の周りには人の気配はなく、静まり返っていた。
962: 警備員[Lv.6] 02/04(火)00:24 ID:8KYZyAR10(2/4) AAS
「ねえ、なんか音しない?」
ユカが囁く。
確かに、家の中からかすかに何かを引きずるような音が聞こえた。ギシ…ギシ…と床が軋む音もする。私たちは顔を見合わせた。
「やっぱりやめようよ…」
そう言った瞬間だった。
家の中から、かすれた声が聞こえた。静寂の中、はっきりとした低い囁き声が響いた。まるで誰かが、すぐそこにいるかのような生々しさを伴っていた。
「ユカ……」
私たちは凍りついた。
「今、ユカって聞こえたよね?」
ユカは怯えた様子で頷いたが、すぐに「気のせいでしょ」と笑い、後ずさった。その日はそのまま帰宅した。
963: 警備員[Lv.6] 02/04(火)00:25 ID:8KYZyAR10(3/4) AAS
翌日、ユカは学校に来なかった。
最初は風邪かなと思ったが、次の日も、その次の日も来ない。心配になって家を訪ねると、警察が来ていて、両親が取り乱していた。誰も事情を話してくれなかったが、ユカが行方不明になったことだけは分かった。
警察が捜査を始めても、ユカの行方は分からず、時間だけが過ぎていった。
それから数年後——
私は大学生になっていて、ユカのことを思い出すことは少なくなっていた。しかし、ある日、ニュースであのおじさんが逮捕されたことを知った。
「◯◯町で起きた未成年誘拐・監禁事件で、60代の男性が逮捕。自宅の地下室から、過去の行方不明者の遺留品が発見され……」
全身に鳥肌が立った。
964: 警備員[Lv.6] 02/04(火)00:25 ID:8KYZyAR10(4/4) AAS
あの時、ユカが最後に行こうと言い出したあの家。あの家の地下室で、過去の行方不明者の持ち物が見つかった。
でも、ニュースにはこうも書かれていた。
「しかし、現在も行方不明のままの被害者が数名おり、捜査が続いている」
私は無意識にスマホを手に取り、ユカの名前を検索した。
——そこには、最近更新されたばかりのSNSのアカウントがあった。最新の投稿には、見覚えのある制服姿のユカが写っていた。しかし、その背景にはどこか見覚えのある古びた家が映り込んでいた。
見覚えのある顔。
ユカだった。
でも、写真に写る彼女は、あの時のまま、中学生の姿だった。
まるで、時間が止まったように。
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