[過去ログ] 大西武文(平成退屈男)のねずみ講にご注意 (542レス)
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432: 2015/04/14(火)22:31 ID:amZwwGZD0.net(1) AAS
「これからは、三人、どこでも一緒だ。早く腕を磨け、小宮山」長谷川が激励する。
「はい!」
まだ興奮おさまらず、浩作は、その夜は、眠れなかった。
数日後、またアメリカ軍の空襲があった。「ウィーン」と、空襲警報が鳴り響く。昼の食事をしているときだった。
「小宮山、来い!」
長谷川が食事を放り出して、部屋に向かう。浩作も付いていった。急いで飛行服に着替える。
「行くぞ!」
「はい!」
浩作の初陣だった。武者震いしてくる。ずらっと並んだ零戦に、大勢の飛行兵が一斉に駆け寄る。浩作も、自分の機に乗り込んだ。無線を操作する。
「こちら長谷川、小宮山、聞こえるか?」
「はい。聞こえます」
「日本の無線は壊れ易いからな、壊れたら、とにかく俺のケツに付いて来い」
「はい。分りました」
「いくぞ! 斎藤、いいか」
「こちら斎藤、発進準備よし」
「俺に続け」
次々に零戦が発進していく。空を見ると、あの、着任していた日のように、黒い塊がこちらに向かってきていた。
「母さん、見ていてくれ」
「いくぞ!」
見ると、長谷川が滑走を始めた。続いて、斎藤が走り始めた。浩作は、スロットルを上げて、発進を始める。機体が滑走する。
充分に速度を上げたところで、スロットルを全開して、操縦桿を引いた。機体がフワ、と、浮かび上がる。
長谷川と斎藤と浩作は、編隊を組んだ。
「こちら大隊長、先に爆撃機を狙う。第二中隊は戦闘機を引き付けろ」
「こちら第二中隊長、了解」
すると、九機が、大きく突進した。
「ついて来い、小宮山」
「はい」
とにかく長谷川にピッタリ付いていった。
敵も、戦闘機が突進してくる。中隊は、高度を上げた。すると、敵も高度を上げてきた。
「ソウドウが居るぞ。斎藤、気を付けろ」
「了解」
「ソウドウ?」と、浩作が言うと、長谷川は、
「胴体が二つある戦闘機だ。ロッキードP38だ。あれには気を付けろ」
「珍しいですね」
「グラマンも前のF4Fじゃない。新型のF6Fだ。馬力が強い」
「了解」
遂に、両軍は交差した。
「こちら中隊長、小隊行動」
「長谷川、了解」
「三上、了解」
今度は、三機での行動になった。すれ違いざま、敵が機銃を撃ってきた。長谷川は急旋回した。斎藤と浩作も付いていく。
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