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大西武文(平成退屈男)のねずみ講にご注意 (542レス)
大西武文(平成退屈男)のねずみ講にご注意 http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/antispam/1202973125/
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444: オレオレ!俺だよ!名無しだよ! [] 2015/06/04(木) 22:47:14.90 ID:/vrxgOyl0.net 気が付くと、どこかの部屋に居た。しかし、部屋が揺れているので、どうも船に乗っているらしい。 よく見ると、どうも、見え方がおかしい。右手で触ってみると、左眼が見えなかった。そして、左手を見ると、焼け爛れて、指が無かった。左腕は、あまり動かなかった。 「気付いたか」 近くに居た軍医が、話し掛ける。 「見ろ」 と、鏡を見せた。 まるで幽霊だった。右目が見えているだけで、顔は爛れて、唇もぐしゃぐしゃだった。 「よく生きていたな。本国送還だ」 しゃべろうとするが、「ウウウ」としか、声が出ない。 「これは輸送船だ。故郷に帰れる」と言って、笑った。 担架に運ばれて、故郷に帰る。家では、母が待っていた。 「浩作、浩作!」 母が寄ってくる。 「ウウウ」 と言って、首を縦に振った。家の中に運ばれて、布団の上に降ろされる。 「ありがとうございました」 母が、兵士たちにお辞儀する。兵士たちは、一礼して、去っていった。 母が、寝ている浩作の傍に座った。 「嬉しいよ。浩作」 「ウウ・・・」 「もう、戦争に行かなくて、いいんだね」 「・・・」 「おまえは悔しいだろうけど、母さんは、嬉しいんだよ」 「・・・」 「さあ、起きられるか?」抱き抱えて、座らせた。浩作は、包帯の巻かれた、指の無い左手を見ていた。涙が溢れてくる。 浩作は、「紙と筆」のゼスチャーをした。母が、紙と鉛筆を持ってくる。浩作は、右手で何かを書いて、渡した。 「母さんから頂いた体を、申し訳ありません」 母は、泣いた。 「いいんだよ。おまえが、生きてくれるだけで。生きて帰ってきただけで・・・」 息子を、抱きしめた。 浩作は、涙が滝のように流れ出た。 (了) http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/antispam/1202973125/444
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