[過去ﾛｸﾞ] ソーラン節書き込んでみて (67ﾚｽ)
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64: 2022/09/19(月)20:28 ID:6oBrokNRJ(4/5) AAS
新皇帝擁立の立役者として意気揚々と開封に返ってくる顧挺?。野良犬のように生家を追い出された頃が嘘のようだ。
広壮な邸宅に新妻明蘭を迎えまさにこの世の春と言ったところ。
しかし、それが面白くないのがいまだに明蘭のことが忘れられない斉衡。
朝議の席で?挺?に嫌がらせにも等しい振る舞いに及ぶ。（大人げないぞ！）
一方、斉衡に嫁いだ申氏は、何気ない日常のやり取りから夫の過去に自分に言えない何かがあると気付き始める…。
遂に結ばれた明蘭と顧挺?。今まで二人の運命を見守って来た人たちはその晴れ姿を見て感慨も一入だろう。
いやあ、ここに至るまでの道のりは実に長かった！
自分が目を見張ったのが明蘭の若奥様ぶり。娘時代の装いを捨て去った堂々たる貴婦人の気品と貫禄は圧巻。
ただでさえ美しい画面に更なる華が加わったように思う。
それに対するのが斉衡の妻申氏。観音像を思わせる端正な顔立ちの女優さんが演じている。
彼女は物語の終盤のキーパースンの一人だ。
ただ、一つ腑に落ちないことがある。それは顧挺?のプロポーズ。
あんな回りくどいやり方を取る必要が果たしてあったのか。
今の彼の地位とそれまでの経緯をもってすれば、簡単に結婚の承諾は得られただろうに。
また、あんな策略を弄されて嬉しいと思う明蘭の気持ちも解せない。
顧挺?にはどこまでも男らしさを貫いてほしかったというのが正直な感想だ。
これに限らず、このドラマの後半以降の展開には色々言いたいことがあるの。
が、つい今週ＢＳで放送がはじまったことだし、見始めた人の興を削ぐといけない。
それについてはもう少し後で書くことにしよう。
BOX1.2では作品全体についてあれこれ書いたので、BOX3では別のことに触れてみたい。
このドラマの原題は「知否知否応是緑肥紅痩」という長ったらしいものなのだが、
これは物語の舞台となる宋の時代の女流詩人李清照（1048〜1156）の詞（詩じゃないよ）の一節から取ったもの。
理知と瑞々しい感性を備えた作品を残した彼女だが、相思相愛の夫と死別した後悲劇的な人生を送った事で知られている。
由来となった詞は彼女のまだ幸せだった少女時代に作られたそうだが、
「知否知否（知ってるの？知らないの？）」という切迫感に満ちたフレーズが
彼女の不幸な後半生を暗示しているように思うのは僕だけだろうか。
それはさておき―その李清照の詞を丸ごと歌詞に取り込んだ（こういう所がいかにも中国らしい）のが
このドラマのエンディングテーマ。歌詞の内容に相応しい悲しみを湛えた、
どこか日本の７０年代ポップスを思わせる美しいメロディだ。
（今時珍しい男女のドゥエット曲尚更その印象が深まる）
チャオ・リーインとウイリアム・フォン御夫妻も歌っておいでだが、
やはり確かな歌唱力を備えた専門の歌手が担当しているバージョンで楽しみたいもの。
時折劇中で流れるのはご夫妻の歌ったもので、毎回エンディングでかかるのがプロのそれ。
男性ボーカルを受け持つのは胡夏（フー・シャー）。
歌詞やメロディの一つ一つを大切にするような誠実でひたむきな歌いぶりが印象的。
「若儀」のＥＤを歌っている人なので古くからの中国ドラマのファンはご存じだろう。
一方、女性ボーカルは郁可唯（イー・クーウェイ）。
「永遠の桃花」の挿入歌「思慕」を歌った人と言えば、ははぁと頷かれるがいるかもしれない。
僕はこの人のファンで、何曲かウォークマンに取り込んで常時聴けるようにしている―。
そう、今まで長々と主題歌について書いてきたのはこの人を紹介したかったからだ。
彼女は四川省、成都市出身。正規の音楽教育を受けずにオーディション番組を経てプロになったという異色の経歴。
透明感のある伸びやかな声を武器にメキメキと頭角を現し、今や人気歌手の一人だ。
古装の主題歌、挿入歌を数多く歌っていることも是非ともここで触れておかねばならないだろう。
僕が好きなのは、彼女の軽やかな歌いぶり。
「如果雲知道」という曲では、あら不思議！中国語がまるで北欧の言語のようなお洒落な響きに。
かと思えば、「天涯」という曲では京劇の発声法で歌って観客の度肝を抜いてみせる。
幅広い表現力の持ち主だ。僕はいつか観客席から彼女に声援を送りたいと思っているのだが、さていつのことになるやら。
韓紅を始めとして、実力派の歌手は山ほどいるのに、とんと日本で中国人歌手の歌声を聴くことはまずない。
Ｋ−ＰＯＰの隆盛ぶりを見るにつけまことにお寒い限り。中国本土に行けばよいのだがそれもコロナで当分望めそうもない。
（金もないが）暫くはＣＤその他の音源で我慢聴きながら郁可唯の来日を祈る他ないか。
ちなみに、胡夏と歌っている上述の主題歌はアマゾンからダウンロードできる。興味のある方は是非。
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