[過去ログ] 演歌トリビア Part12 (952レス)
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652: [age] 11/18(月)22:58 AAS
十八、日本人はなぜ不機嫌か 外的自己と内的自己の相剋の中で

近代日本が一八五三年のペリー・ショックのために、欧米諸国を崇拝し、欧米諸国に屈従する外的自己と、
欧米諸国を憎悪し、誇大妄想的自尊心に立て籠る内的自己とに分裂し、その分裂状態はまだ続いている
という見解を発表してからもう二十年ぐらいになるが、今なお事態は全然変っていないようである。

ここでは分裂し、内的自己から切り離されて浮遊する外的自己の症状を主として問題にしてみよう。
個人の精神分裂病の場合も同じであるが、外的自己は、内的自己から切り離されているため、自分と敵
(内的自己から見たところの-以下同じ)と同一化し、敵の立場に立って内的自己を攻撃する。敵を崇拝し、
敵と同じようになろうとする。外的自己には、自分が敵と同じような正しい優れた存在になるのを妨げているのは
内的自己であると見え、外的自己は内的自己の「無知と傲慢さ」にいらいらする(他方、内的自己には、外的自己
は「恥知らずの裏切り者」と見える)。近代日本において、外的自己の症状はさまざまな形で表れたが、とくに
戦後から現在に至るまでの症状を列挙してみよう。

第一の症状は占領軍を解放軍として歓迎したことである。大東亜戦争を無謀で愚かな侵略戦争と断定し、
東京裁判史観の立場に立って戦争遂行に力を貸した日本のあらゆる要素を断罪し、それまでの歴史と絶縁した
新しい民主主義日本を建設しようとしたのは典型的な外的自己の症状と言えよう。戦前の皇国史観、戦争中に
猛威を振るっていた本土決戦、一億玉砕、神州不滅の妄想などの内的自己の症状に対する反動としてこれらの
症状が生じてきたのであろうが、一瞬にして正反対の極に走るのが精神分裂病の特徴である。

次にこの症状は占領軍総司令官マッカーサー元帥への日本国民の大量の手紙に表れている血日本を
アメリカ合衆国の第四十九番目の州にして欲しいと頼んでいるのや、元帥の子どもを産みたいので、どこそこで
待っているから来て欲しいという誘いなど、昨日までの敵の大将に対してよくもこのようなことを考えつくものだと
驚かざるを得ないようなものが多数あるが、なかでも目立ったのは、誰それは連合軍捕虜を虐待したとか
殺害したとかの密告の手紙であった。なかには根も葉もない中傷もあったが、事実をありのまま通報しているのも多く、
占領軍はそれらの密告を手掛かりに大勢の戦犯を逮捕し処刑することができた。占領軍は日本人の「協力ぶり」に
感謝するというより驚いたとのことである。

第三の症状は全面的なアメリカ崇拝と急激なアメリカ化である。国家形態から日常生活の些事に至るまで
日本的なものはすべて野蛮で封建的で遅れているとされた。民主主義が水戸黄門の印籠のような有無を言わせぬ
スローガンとなった。アメリカで起こった社会現象は数年遅れて必ず日本でも起こると言われ、日本人はアメリカの
現在を見て日本の未来を予測した百終始アメリカ一辺倒の戦後の日本政府もこの症状の一環であろう。
言うまでもなく、戦後五十年を経た今日でもこれらの症状は依然として続いている。

白人国でもないのにテレビのコマーシャルその他の広告にこれほど白人が登場する国は日本をおいて他にはない。
ファッション雑誌に日本人のモデルが登場することはめったにない。今や日本はいろいろな面で世界の最先端を
行っているので、白人の知人に「日本人は白人に劣等感を持っている」と言ってもなかなか信じてもらえない。
ところが、日本にやってきて広告を見ると、彼らは納得する。消費者は広告に登場する人物と同一化して、
その人物が消費する商品を買う気になるのであるが、日本人は同じ日本人より白人とより容易に同一化
するわけである。ついこの前も『おとなのイギリス人、子どもの日本人』という本を見かけたが、日本人は欧米人を
イデアルティプス(理想型)とおき、日本人をまだそこに達していないとして非難し叱咤する習癖が明治以来まだ
抜けないらしい。これも外的自己の症状である。
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