【JOSF 929】東海ラジオの番組について語ろう16 PART4【1332kHz/92.9MHz】 (472レス)
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24(1): 2023/12/10(日)21:43 ID:fY67GazT(1/4) AAS
話の肖像画 歌手・さだまさし
産経新聞 令和5年 2023年7月1日〜31日
【JOSF 929】東海ラジオの番組について語ろう16 PART2【1332kHz/92.9MHz】 2chスレ:am
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連載:戦争トラウマ 連鎖する心の傷 第7回
外部リンク[html]:www.asahi.com
「首を斬る快感」を語るおやじが許せなくて 武田鉄矢さんと父の物語 聞き手・後藤遼太 2023/12/7 11:00
おやじのことは、大っ嫌いでした。
目がギラギラしていて、不満があると大声を出して。それが全部、恫喝(どうかつ)するような口調なんです。復員兵で、骨の髄まで軍隊に染まった人でした。戦後はなんだか、不機嫌に生きていましたねえ。
省6
25(2): 2023/12/10(日)21:46 ID:fY67GazT(2/4) AAS
酒乱、家族への暴力
「中国の匪賊(ひぞく)のヤツらを、日本刀で何人か斬った」と自慢することもあった。首を切り落とす快感を話すおやじが、本当に嫌で嫌で。母ちゃんはおやじの横で静かに首を振っていました。おやじと周囲には、「断層」がありました。
彼の夢は、大日本帝国の勝利だったんです。敗北によってアメリカの時代がやってきて、それに対する不満と怒りが渦巻いていたんでしょう。おやじの戦後は、皇居前で正座したまま、その姿勢のまま終わっていったんじゃないですかね。
ところが、母は進駐軍の将校の家でベビーシッターをして一晩1ドルも稼いでくる。360円。当時からすれば大金ですよ。男が10時間肉体労働をやって「ニコヨン」、つまり240円をやっと稼ぐ時代です。
母のアメリカびいきは相当なものでした。母にとって戦時中の日本軍の思い出は、それはもう不快なものばかりだったようです。「軍部は威張ってばかり。それに比べてアメリカの将校さんはマナーがよくて。負けるはずたい。負けてよかったったい」て。
省3
26(2): 2023/12/10(日)21:50 ID:fY67GazT(3/4) AAS
12歳上の兄が大学を出て地元の新聞社の試験を受けた時のことです。おやじが兄に「新聞社の試験に出るから、歴代天皇の名前だけは覚えておけ」と言うんです。
悲しい声かけですよ。兄が「そんなものが出るわけない。出るならアメリカの歴代大統領たい」と答え、つかみ合いのけんか。まだ小さかった私は本当に嫌でした。おやじと折り合いの悪い兄は家を出て、姉たちもやがて家を出て行きました。私もおやじと取っ組み合いのけんか、しましたよ。
当時の光景をいま遠くに思い浮かべると、分かるような気がします。おやじには「居場所」が無かったんだと。
戦争に負け、軍が解散し、博多に帰ってきた次の日から鉄工所の旋盤工として油まみれで働いてきた。二等兵のごとく自分に従うはずだった息子たちは自分にはまったく理解できない「戦後民主主義の子」になっているという混乱。そして、米軍将校の家に「女中」のように仕える女房に対する怒り。
省2
27(2): 2023/12/10(日)21:52 ID:fY67GazT(4/4) AAS
後で知ったトラウマの意味
「トラウマ」なんて言葉、あのころは私たち知りませんでした。私が兵士のトラウマのことを知ったのは、ベトナム帰還兵を描いた米映画「ランボー」を見てからでした。
全部振り返ると、おやじは戦争によるトラウマの傷のうずきに耐えながら、油まみれになって高度経済成長期の中で働いていたんだなあと。
きついですよね。戦争で負けて帰ってきて、日本経済を立て直すために安い給料でアリのように働いて。トラウマのひりひりするような痛みを抱えて、それを酒でしか癒やせない境涯だったんだろうなあ。
省4
28(1): 2023/12/10(日)21:57 ID:BFVjL/E5(1/3) AAS
大学在学中に「フォークシンガーになりたい」と家を出て、上京しました。母ちゃんに「1年だけ」という約束で。おやじは「お前、まさか美空ひばりの仲間になれると思うとか」と不機嫌な顔で言っていました。
そして出した博多弁の歌「母に捧げるバラード」(1973年)で人気に火がつきました。母ちゃん、大喜びでね。
週刊誌の方が我が家まで取材に来たことがありました。どうやら、私の歌から「母子家庭のにおい」がしたらしく、記者が母に尋ねたんです。「お父様はどの戦線でお亡くなりになられたのですか」って。母ちゃん調子に乗って、「フィリピンで死にました。見事な最期でした」と答えたそうです。
家の奥に隠れていたおやじがこれを聞いて、記者が帰った後で大げんかですよ。母ちゃんが言い放ったのが「あんたが死んどった方が、あの歌が盛り上がるったい」。もう、喜劇ですよね。
省3
29(1): 2023/12/10(日)21:58 ID:BFVjL/E5(2/3) AAS
死んでからの「和解」
生きている間、おやじとは和解できませんでした。死後、彼の不機嫌の正体がゆっくりと「溶けてきた」気がします。
たとえば、戦争を経験した司馬遼太郎や阿川弘之の作品を読むと、文章の中でおやじとよく似た人にすれ違うような気がするんです。おやじの不機嫌や無念というようなものが、どこか伝わってくる。戦後の日本の中で、言葉では言い表せないトラウマと生きた男たち。おやじと同時代を生きた人たちの言葉から、おやじを探り当てる作業というのかな。
私が住む芸能の世界の先輩に、吉田正という大作曲家がいます。シベリア抑留を体験しました。あるいは歌手の三波春夫も抑留経験者です。彼らのむやみに明るい歌の中に、何か渦巻く感情を感じるんです。
省5
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