[過去ログ] 【涼宮ハルヒの憂鬱】鶴屋さん萌え スレッド 17にょろ (982レス)
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299: 2010/12/13(月)15:23 ID:iI8lU37J0(2/6) AAS
「そら、来たよ。乗りなっ」
俺の目の前に到着したのはリムジンだかベンツだか、とりあえず任侠ドラマでしか見ないようなあの細長いフォルムで黒塗りの奴だ。俺みたいな一般人は、この車に一度乗せられたら生きて帰れないような気さえする。
汚さないように細心の注意を払いながら後部座席に乗り込む。シートの柔らかさに驚いて腰を浮かせ、頭を打つかと心配しても天井は思っていたよりさらに高い。つくづく恐ろしい話だ。一生に何度乗る機会があるだろうか。
お抱え運転手らしき人は俺と鶴屋さんが乗り込むのを確認すると、ほとんど慣性の法則を感じさせない穏やかな速度で、車を発進させた。
「すみませんね、鶴屋さん」
「いいよいいよっ。今日はみくるも先に帰っちゃって一人ぼっちだったからさ。ウチでゆっくりしていくといいにょろよ!」
全くこの人には敵わない。名誉顧問にしておくには惜しすぎる器だ。ハルヒの明るさと長門の頼りがい、朝比奈さんの気遣い、全てを兼ね揃えた人だと思う。その上良家のお嬢様だということを鼻にかける様子も無い。
「さあ、着いたよ。上がって上がって」
俺が後部座席の扉に手をかけるまでもなく扉は開き、おまけに入り口までの僅かな距離を、玄関先で待ち構えていたとおぼしき人が傘をさしてくれる。恐縮しっぱなしの俺としては居心地悪いことこの上ない。
相変わらず広い家だな。最初に思うのはやはりそれだった。この家の見取り図はきっと模造紙一面分くらいの大きさなのだろう、とどうでもいいことを思ってみる。
「お茶でも淹れるからね、ちょろっと待っておくれよ!」
お構いなく、と言う時間すら残さず、鶴屋さんはててて、と長い廊下を抜けていく。案内された部屋は俺の目算で教室と同じか、あるいはそれ以上の広さがあった。
「粗茶だけど、勘弁してねっ!」
小さな舌をちょろりと出して言うさまは本当に邪気の欠片も無い表情で、この上なく安心させられる。この人が側にいるだけでリラックス出来るというのはSOS団の共通認識と言っていいだろう。
頂きます、そう言って一口すする。これは……
「うま……」
朝比奈さんにライバル登場、そんなフレーズがテロップ付きで俺の脳裏を駆け巡った。茶がいいのか淹れ方がいいのか、恐らくその両方だろう。
「いつもみくるのお茶を飲んでるキョン君が言うなら、きっと間違いないんだろうね。嬉しいっさ!」
そう言ってにこにこと笑いながら俺の向かいに座る。この人は百年経っても笑ってるんだろうな、と思う。俺としてもこの人の笑顔には助けられるし、いつまでも笑っていて欲しい。
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