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【まどか☆マギカ】杏子×さやかスレ34【杏さや杏】©2ch.net (177レス)
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100: 娘への愛、父への孝心4 [sage] 2017/06/18(日) 21:00:56.01 ID:fd9p1Jkd0 「他人は出て行け、と僕は言ったよ。でも家族なら出て行く必要はない。当然だ。家族なんだから。ここが家なんだからね。 いいかい? 僕たちがどう思うか、じゃないんだ。きみが僕たちをどう思っているのか、それを知りたいんだよ、杏子。 きみが他人だと思うなら出て行ってもらうし、家族だと思うならここにいるべきなんだ」 「あたしは…………」 質問は簡単だったが、答えるのは極めて難しかった。 「ずるい方法で家族になりすましたんだ。今さら、家族になりたいなんて言えるワケ――」 「つまり家族になりたい、というのが答えだね?」 「………………」 「自分がしたことは考えなくていい。そういうことは抜きにして、きみの気持ちを聞かせてくれ」 もう、ずっと前から分かっていることを彼は問う。 答えはひとつしかない。 それを言葉にする勇気が彼女にあるかどうかだ。 (………………?) さやかの手に杏子の指が触れた。 縋るように伸びた五指が、躊躇いがちにさやかの手を握る。 だから彼女は力強く握り返してやった。 「あたしは……家族でいたい。ううん、家族――というより恩人なんだ。あたしを見捨てないでいてくれたから……! でもそれを自分勝手に踏み躙った。赦されないことをしたんだ……だから…………!!」 家族でありたいと望む資格はない、と彼女は言った。 結局、この少女はかつてと同じ過ちを繰り返してしまったのだ。 人の心を操り、その事実が露見し、自分を含めて関わった者を不幸にしてしまう。 騙されていたと知った者は怒り、恨み、失望し、心に闇を生む。 それを経験したハズの彼女は愚かにも、全く同じ方法で全く同じ結末を迎えようとしている。 「そう思っているなら杏子は僕たちの家族だ」 だが彼自身が結末の再来を阻止した。 「聞いたとおりなら杏子のお父さんは、今の僕たちに似た状況にあったんだと思う。 至らない僕と違って彼は素晴らしい人格者だったからこそ、娘の善意を受け容れられなかったんじゃないかな」 魔女と罵られた彼女の行為を、彼は善意――もちろん宗教的な意味ではない――と表現した。 「そういう過去があったから、杏子はなおさら家族に拘泥っていたんだろう。 それこそ魔法を使ってでも繋ぎとめたいくらいに――」 「………………」 「それを分かってるつもりの僕がきみを拒絶するワケがないよ。同じつらさを味わわせることになるんだからね」 同情がないと言えばウソになる。 この少女の辿ってきた道があまりに艱難にまみれたものであったから、彼女よりはるかに恵まれた立場にある彼が。 その恵みを滴らせたと表現しても間違いではない。 しかし情で動く人間は悪い方向に進むときにも情を優先させる。 眷顧していた相手に裏切られれば、それまでの温情は忽ち転じ、斟酌も忖度もなしに怨嗟を向けるようになる。 だから彼は情と知の境界で考え、感じた。 そして結果、彼は彼女を赦した。 「とう……さん…………」 「杏子が僕たちを家族だと想ってくれるなら、杏子は僕の娘だ。血のつながりなんて関係ない。お互いが家族だと思えば家族なんだ」 なんと軽率なことをしたのだろう! なんと愚かなことをしたのだろう! 杏子は下げた顔を上げることができなかった。 かつて父が信じ、縋り、広め説いた神の慈愛がここにある。 神様は存在したのだ。 一柱の神が目の前の男に憑依している。 魔女と罵られてもしかたのない行為に及んだ少女を、優しく包み込んでくれる。 もう何度も泣き、とうに涸れたハズの涙がまた滂沱と溢れ出る。 その様子にさやかと母は目を合わせ、緊張から解き放たれたように大息した。 http://matsuri.5ch.net/test/read.cgi/anichara2/1489316133/100
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