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【まどか☆マギカ】杏子×さやかスレ34【杏さや杏】©2ch.net (177レス)
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68: 紡がれる幸せ13 [sage] 2017/05/15(月) 11:56:15.51 ID:DXwPfsCP0 「”かたたたきけん”、これも有効期限がないのよね」 「ええっ!? お母さん、それまだ持ってたの!?」 「当然よ。さやかから初めてもらった母の日の贈り物よ? 捨てるワケないじゃない」 「あ、あはは……物持ちいいね…………」 モノに宿る想いはそれぞれであり、またその感じ方も人によって異なる。 さやかにとってこの肩たたき券は幼い頃に作った、ただの拙い代物でしかなかったが、母にとっては娘からの真心の詰まった宝物も同然だった。 「えっと……あら、30分もしてくれるの? これはお得ね」 「30分? あたし、そんなの書いたっけ?」 「ちゃんと書いてあるわよ、ほら」 券の裏側には、”かたたたき 1かい 30ぷん”と確かにさやかの字で書いてある。 「ほんとだ…………」 「じゃあ早速お願いしようかしら」 「え、今から?」 「だってエステは来週まで行けないんだもの。じゃあしっかり頼むわね」 座りなおした母はわざとらしく肩が凝って仕方がないとアピールする。 「よし! じゃあ今日はお母さん専属のマッサージ師だよ!」 思い返せば今日まで、母親の肩を叩いたり揉んだりしたことなど殆どなかったと気付く。 しばらく叩き続けた後、見よう見まねで両肩を揉みほぐす。 幼い頃、おんぶされた時につかまっていた母の肩。 それが今は少し小さく感じられた。 「なあ、さやか……そろそろ代わってくれよ」 自分も早くしたい、と杏子はうずうずしている。 「いいけど……そんなに肩たたきしたいの?」 「や、まあ……何ていうか、さぁ……」 「…………?」 「さやかばっかり……ずるいっていうか…………」 拗ねたように杏子が言うと、さやかも母も揃って噴き出してしまった。 「あらあら、焼き餅焼いちゃったのね」 「それならそうと早く言えばよかったのに……」 「ちが……そういうんじゃなくて――!」 慌てて取り繕おうとするも既に遅い。 「分かった分かった。ちょうど10分くらい経ったから交代ね」 彼女はずっと前から、さやかだけの母親ではない。 ここにいる妹か、姉か、それとも双子か。 杏子にとっての母親でもある。 「親孝行な娘が2人もいるなんてお母さん、幸せだわ」 きっとそれは当たり前のことを何気なく呟いだだけなのだろう。 しかしあらゆる言葉には命が宿っている。 この”幸せ”は魔法によって捻じ曲げられて生まれたものではない。 誰かにそう呟くように、そう感じるように仕向けられたものではない。 彼女が心から感じた幸せだ。 そしてそれは彼女だけのものでは決してなく――。 「痛くない?」 「ええ、ちょうどいいわ」 杏子は亡き母にしてあげたくでもできなかった、全てのことをしようとした。 その機会が与えられているだけ彼女は恵まれていた。 「母さん――」 肩を揉みながら、顔を近づけてそっと――。 さやかには聞かれないように、囁くように。 「ありがとう……大好きだよ――」 その想いを伝えた。 終 http://matsuri.5ch.net/test/read.cgi/anichara2/1489316133/68
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