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【まどか☆マギカ】杏子×さやかスレ34【杏さや杏】©2ch.net (177レス)
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娘への愛、父への孝心2
2017/06/18(日)20:52
ID:fd9p1Jkd0(2/13)
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98: 娘への愛、父への孝心2 [sage] 2017/06/18(日) 20:52:09.81 ID:fd9p1Jkd0 「信じるよ」 彼は真顔で言った。 気を遣っているのでも話を合わせているのでもない。 「父さん…………?」 あまりにあっさりとそう言われ、杏子は却って不安になった。 まさかまだ自分の魔法がかかっていて、父が自分の意思とは関係なく”信じる”と言ったのではないかと訝る。 「どんなことであれ、我が子を信じるのが親だ。だからきみも信じたんだろう?」 そう言い、驚いた様子の妻を見やる。 「それにさやかも――僕もお母さんもそんなふうに育てた覚えはないからね」 頭の中ではまだ槃根錯節としていたが、娘を信じるという一点に於いては悩む必要も考える必要もない。 「でも、そうか……あの時に感じた妙な気分はそういうことだったのか……」 ケーキを贈られる際、杏子が食べ物の重要性について語った時のことを彼は思い返した。 「あの時、杏子が別人のように見えてね。まるで僕たちが知らない人生を歩んできたような口ぶりだったからね。 そうか、あの時点では杏子は妻が産み、さやかの姉妹としてこの家で育ったと思い込んでいたから噛み合わなくなったのか」 魔法が解かれ、その仕組みを聞いた彼は少しずつ事態を呑み込んでいく。 「ごめんなさい……あたしが騙すようなことをしたから――」 いかなる叱責も杏子は受ける覚悟をしていた。 殴られようと怒鳴られようと、まだそれなら身に余る恩赦だとさえ彼女は思っている。 さんざん世話になっておきながら、剰(あまつさ)え両親を騙して実娘として忍び込むような真似をしたのだ。 今までにかかった費用を請求されて追い出されても文句は言えない。 「――きみはとんでもないことをしてくれたね」 少し間を置いて放たれた言葉は冷たい。 母はびくりと体を震わせた。 夫とは5年の交際の末にどちらからともなく結婚を望むような雰囲気になり入籍した。 そこに至るまで彼とは何度かケンカもした。 温厚な彼はそうそう怒ることはなかったが反面、一度怒気を孕むと平素の穏健を保つためにか今のように恐ろしいほど無表情になる。 おそらく彼は普段のにこやかさと同じだけの怒りを感じているのだと母は思った。 その均衡点が表情を失わせ、声から抑揚を奪っているのだ。 「僕たちは騙されていたワケだ……」 「ごめん、なさい…………」 「魔法を使って人の心を惑わして――」 「………………!!」 ドクン、と杏子の心臓が大きく打つ。 今の言葉には聞き覚えがあった。 忘れてはならない、実父が真実に気付いた際に放った言葉だ。 陰惨な記憶が呼び起こされる。 そうだった。 父もまた、神父という職業もあって温厚で篤実な人間だったのだ。 「ちょっと、お父さん!? さっき、あたしたちの話を信じるって言ったじゃん!?」 「ああ、信じているよ。分かってる。でもそれとこの娘がしたことは別の問題だからね」 「………………」 杏子は何も言えなかった。 逃げ出すことは許されない。 どんな罵声であっても耳を塞がないことが償いになる。 「あなた、杏子はただ――」 「きみはあっさり許したのかい? この娘たちの話を聞いて」 「それは…………」 平手打ちで手打ちにしたことは、彼にとっては”あっさり許した”も同然だ。 さやかも母も、どうにか杏子を擁護しようとする。 だが冷たく苛烈な彼が間違っているとも言えず、2人ができるのは情に訴えることだけだった。 http://matsuri.5ch.net/test/read.cgi/anichara2/1489316133/98
信じるよ 彼は真顔で言った 気を遣っているのでも話を合わせているのでもない 父さん? あまりにあっさりとそう言われ杏子は却って不安になった まさかまだ自分の魔法がかかっていて父が自分の意思とは関係なく信じると言ったのではないかとる どんなことであれ我が子を信じるのが親だだからきみも信じたんだろう? そう言い驚いた様子の妻を見やる それにさやかも僕もお母さんもそんなふうに育てた覚えはないからね 頭の中ではまだ根錯節としていたが娘を信じるという一点に於いては悩む必要も考える必要もない でもそうかあの時に感じた妙な気分はそういうことだったのか ケーキを贈られる際杏子が食べ物の重要性について語った時のことを彼は思い返した あの時杏子が別人のように見えてねまるで僕たちが知らない人生を歩んできたような口ぶりだったからね そうかあの時点では杏子は妻が産みさやかの姉妹としてこの家で育ったと思い込んでいたから噛み合わなくなったのか 魔法が解かれその仕組みを聞いた彼は少しずつ事態を呑み込んでいく ごめんなさいあたしがすようなことをしたから いかなる叱責も杏子は受ける覚悟をしていた 殴られようと怒鳴られようとまだそれなら身に余る恩赦だとさえ彼女は思っている さんざん世話になっておきながら剰あまつさえ両親をして実娘として忍び込むような真似をしたのだ 今までにかかった費用を請求されて追い出されても文句は言えない きみはとんでもないことをしてくれたね 少し間を置いて放たれた言葉は冷たい 母はびくりと体を震わせた 夫とは5年の交際の末にどちらからともなく結婚を望むような雰囲気になり入籍した そこに至るまで彼とは何度かケンカもした 温厚な彼はそうそう怒ることはなかったが反面一度怒気をむと平素の穏健を保つためにか今のように恐ろしいほど無表情になる おそらく彼は普段のにこやかさと同じだけの怒りを感じているのだと母は思った その均衡点が表情を失わせ声から抑揚を奪っているのだ 僕たちはされていたワケだ ごめんなさい 魔法を使って人の心を惑わして !! ドクンと杏子の心臓が大きく打つ 今の言葉には聞き覚えがあった 忘れてはならない実父が真実に気付いた際に放った言葉だ 陰惨な記憶が呼び起こされる そうだった 父もまた神父という職業もあって温厚で篤実な人間だったのだ ちょっとお父さん!? さっきあたしたちの話を信じるって言ったじゃん!? ああ信じているよ分かってるでもそれとこの娘がしたことは別の問題だからね 杏子は何も言えなかった 逃げ出すことは許されない どんな罵声であっても耳を塞がないことが償いになる あなた杏子はただ きみはあっさり許したのかい? この娘たちの話を聞いて それは 平手打ちで手打ちにしたことは彼にとってはあっさり許したも同然だ さやかも母もどうにか杏子を擁護しようとする だが冷たく苛烈な彼が間違っているとも言えず2人ができるのは情に訴えることだけだった
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