[過去ログ] 【まどか☆マギカ】杏子×さやかスレ34【杏さや杏】©2ch.net (177レス)
前次1-
抽出解除 必死チェッカー(本家) (べ) レス栞 あぼーん

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
65
(1): 紡がれる幸せ10 2017/05/15(月)11:33 ID:DXwPfsCP0(1/5) AAS






「――なんてことが去年あったワケだけどぉ?」
嫌らしい笑みを浮かべるさやか。
その視線の先には耳まで真っ赤にした杏子。
「う、うるさいな! んなの、昔の話だろ!?」
「あん時の杏子は可愛かったな〜。こっんな憎まれ口なんて叩かない、そりゃあ愛い妹でさあ……」
省20
66
(1): 紡がれる幸せ11 2017/05/15(月)11:38 ID:DXwPfsCP0(2/5) AAS
「そうだなあ……さやかは何か考えてるのか?」
さやかは腕を組んで唸った。
「肩たたき券、かな……」
「はあ? なんだそりゃ……幼稚園児じゃあるまいし……」
「その幼稚園の頃にプレゼントしたのよ。結局1回も使われなかったけどね」
厚紙を切って貼り合わせ、クレヨンで”かたたたきけん”と書いただけの。
女の子らしく四隅に花の絵を描いたつもりだが、当時の画力では何の絵かは判別できない。
「さすがにこの齢で肩たたき券はなあ……あ、そうだ! エステのチケットとかどうだ? あんまり高いのは無理だけど」
名案だろう、と言わんばかりに杏子が不敵な笑みを浮かべる。
その得意気な顔を見て、少し意地悪したくなったさやかは、
省28
67
(1): 紡がれる幸せ12 2017/05/15(月)11:45 ID:DXwPfsCP0(3/5) AAS
「どうしてさ?」
「だって両親って普通は一人ずつしかいないじゃん。でもあたしたちには4人いる。それって実は凄いことだって思うんだよね」
「生きてりゃ――ね」
「うん…………」
「ああ、でも感謝する相手がたくさんいるってのは、悪くないね。それだけ恵まれてるってことだもんな」
さやかが自分を慰めるために言ったのだと気付いた杏子は、慌てて言葉を添えた。
そして彼女はこうも考える。
いつまでも亡き家族に縋っていては、今の両親に失礼なのではないかと。
過去を捨て去ることはできない。
かといって未来だけを見て生きていくのも違う。
省35
68
(1): 紡がれる幸せ13 2017/05/15(月)11:56 ID:DXwPfsCP0(4/5) AAS
「”かたたたきけん”、これも有効期限がないのよね」
「ええっ!? お母さん、それまだ持ってたの!?」
「当然よ。さやかから初めてもらった母の日の贈り物よ? 捨てるワケないじゃない」
「あ、あはは……物持ちいいね…………」
モノに宿る想いはそれぞれであり、またその感じ方も人によって異なる。
さやかにとってこの肩たたき券は幼い頃に作った、ただの拙い代物でしかなかったが、母にとっては娘からの真心の詰まった宝物も同然だった。
「えっと……あら、30分もしてくれるの? これはお得ね」
「30分? あたし、そんなの書いたっけ?」
「ちゃんと書いてあるわよ、ほら」
券の裏側には、”かたたたき 1かい 30ぷん”と確かにさやかの字で書いてある。
省49
69
(1): 2017/05/15(月)12:04 ID:DXwPfsCP0(5/5) AAS
 日を跨ぎましたが今年の母の日SSはこれで。
4年くらい続けたこのシリーズもだらだら続けるのも冗長なのでこれで完結です。
シリーズの締めは父の日に投下します。
それでは、また。
前次1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.010s