[過去ログ] 銀魂’〜ぎんたま〜第二百九十二訓 (771レス)
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136: 2012/11/26(月)18:18 ID:OgPYc2x50(1) AAS
「お登勢殿・・・すまぬが、今日は気分が悪い。早退しても良いだろうか」

将軍が来たときから、月子に何処か影のような、剣呑な雰囲気を感じていたお登勢には、騒ぎを起こさないためにも、了解することが最善に思えた。

「ああ、いいよ。ゆっくりやすんどいで」

だが、月子が去ろうとしたとき、将軍がたまりかねて手を掴んだ。

「本当の名前だけでも、聞かせてもらえないだろうか」
省8
137: 2012/11/26(月)18:19 ID:OrO9DAJ90(1) AAS
「ああ?上様叩いておいて、俺たちまで侮辱たあ、ちっと気が強いだけじゃあ、すまねえぜ」

鬼の副長の目がぎらり、と光った。まるで、抜きたての刀のようだ。

だが、桂もひるまない。きっと、将軍をにらみ据えた。

「俺は、貴様が嫌いだ。国を守ろうとした侍を見捨てた輩だ!そんなものに名乗る名など無い!貴様は・・・」

「・・・!!」
省8
138: 2012/11/26(月)18:21 ID:20MOa2yw0(2/2) AAS
「いいから、つれてけや??」松平の声がした。そのとたん、震える手で左ほほを押さえていた当の将軍が、動いた。凛とした、いつもの声で言う。

「はなしてあげなさい。たたかれたのは、突然触れてしまった私が悪いのだ。・・・すまなかった」

と、なんと将軍が月子に深々と頭を下げたのだった。

「う、上様!!」真撰組がどよめく。

「貴方の言う、侍を見捨てた件、先代の将軍、父の所行だとしても、私も実は心を痛めている。償うためには、
省5
139: 2012/11/26(月)18:23 ID:tlBTJ2Tp0(1) AAS
「・・・」その場に、沈黙が流れる。土方は、ついに掴んでいた腕を舌打ちと共に離した。

そのとき、桂の顔が歪んだ。それから、かくん、と、俯いた。うつむいて表情は見えないが、ぽたりと月子の足下にしずくが垂れた。

「月子殿」・・・将軍が、何か言おうとしたが、それをあえて、銀時は遮った。

「すいませ??ん、こいつちょっと具合悪いみたいなんで・・・」と、そのまま抱えるようにして万事屋へ桂を連れ帰った。

「大事に、してください」と、将軍の声が聞こえる。
省5
140: 2012/11/26(月)18:24 ID:L9v+M2Bp0(1) AAS
それでも、気落ちしている桂を見かねて、何となくその日は柄にもなく紅い簪を買った。まあ、スーパーで安売りしていたし?

あいつはうざい長髪を緩く縛っただけで家事をしている。料理の時にでも、髪の毛でも入れられないように用心のために。

帰って、簪を渡せば、驚くほどとろりとした笑顔で「ありがとう」と桂が言った。

そのとき、胸の奥がグサッと痛んだ。・・・なんだ?銀さん病気にでもなっちゃった??

そういや、桂になんかやるって、すごい久しぶりかもしれないと思う。あんまり男同士でプレゼントなんてしないからだ。
省2
141: 2012/11/26(月)18:26 ID:UsYGuG5/0(1) AAS
それから、ややあって下のスナックに顔を出してみたら、うれしそうな将軍と、やんわりと微笑む月子の姿があった。

なんとそれから、将軍が三日と明けず(暇なのか??!!)来ていると言うこと。おかげで常連さんに申し訳ないわ・・・と苦い顔をするお登勢。

それはそうだ。貸切料金を払っているとは言え、将軍がいる席では一般の客を入れることが出来ない。儲かるけれど、常連を大事にするお登勢は複雑だ。

(だが、キャサリンだけは、「モウカリマ??ス」と、黒い笑いを浮かべて上機嫌だった。)

だが、もっと複雑なのは、将軍のお目当てが月子にあることだった。
省5
142
(1): 2012/11/26(月)18:27 ID:+PeEKht90(1) AAS
たまたまその日。

銀時がスナックお登勢に立ち寄ったら、またしても将軍来店だった。

「銀時、今日は貸切だよ」と、お登勢に言われたが、

一回目の時に顔見知りになっていたせいか、

「かまわぬ。のんでいてくれ」と、快い将軍のお言葉をもらった。
省5
143
(1): 2012/11/27(火)13:36 ID:sFHZM1rj0(1) AAS
変な小説はチラ裏で頼むよ
144: 2012/11/27(火)14:00 ID:1lkO5BL00(1) AAS
>>143
変じゃありませーん
空知の公式小説ですからー
145: 2012/11/27(火)14:02 ID:QzpVnxzA0(1) AAS
>>142
そして、その日の営業、お開き・・・って感じになった頃、

将軍が、「手を握っても良いだろうか?」と、ひどくまじめな顔で月子に聞いた。通常、お触り禁止だ。スナックだし。

でも、このときの将軍の顔が酷く真剣だったからか、今までのやり取りで好意を持っていたのか、不思議そうな顔をしながらも、月子はうなずいた。

すると、将軍は両手でその手を握り、その手を自分の胸に当てた。そして、頬を赤らめ、嬉しそうな顔をした後、また、ひどくまじめな目をして、言った。

「私の御台所になってもらえないだろうか?大奥へあがってほしい」 と・・・・
省5
146: 2012/11/27(火)14:03 ID:j9Opcvet0(1) AAS
そこから、桂はさすがに焦りを見せ始めた。「だから、早く貴様が元に戻す方法を見つけないから!!!」とどなり始めた。

「なんで??もういいんじゃね??の。将軍の子供を産めば直るんだし、玉の輿だし、一石二鳥じゃん」などと軽くあしらえば、

さらに怒り狂って「そんなこと、できるわけなかろう!!」ああああ??????と絶叫、悶絶。

そんな桂を横目に、どうしたもんか・・・と銀時もまじめに考えていた。

後から考えれば、危険な奴がいたのを俺は忘れていた。と、銀時は後悔することになる。
147: 2012/11/27(火)14:05 ID:hkfyIv9L0(1) AAS
3.獣たちと過ごす日々

将軍からの使いに、「もう少しまて」だのと何度か桂が伝えたころ、買い物に一人で行ったときにふいに後ろから声をかけられた。

気づかなかったのは、常に将軍のことに費え考えていたことと、女の身体になって、感覚が鈍ってしまったからかもしれない。

ふと、振り向くと、ヘッドフォンをした男がいた。放つ気がただものではない。そうとうの手練れのようだ。

「もし、そこの美しいお方。拙者と遊びませんか」
省5
148: 2012/11/27(火)14:08 ID:ohwYbT0O0(1) AAS
「随分、べっぴんになったモンだなあ、ヅラァ」

フーと煙を吐きながら言った、その言葉の主は・・・ 「高杉!」

しかも、自分の本性まで知っている。恐るべき諜報能力。

「ヅラじゃない・・・和田 月子だ」

「へえ・・・そういや、お前、旧姓は和田だったか・・・なるほど、昔に戻ったと言うことか」クク・・・といやな笑いを浮かべた。
省7
149: 2012/11/27(火)14:11 ID:CuT0h4Bb0(1) AAS
とってつけたような高杉の物言いに、桂は「何を考えている?」と怪しんだが、高杉はいつものいやな嗤いを浮かべながら、

「ただ、将軍の恋路の邪魔をしたいのさ」 と言った。

何処まで本気か分からないし、次にあったら斬ろうと思っていた相手だが、このままこいつらが何か企んでいるのであればそれを探って阻止することも、

今の自分にできる精一杯のつとめの気がした。

将軍の命を狙っていることも、その為に自分を駒にしようとしていることも容易に想像が付いたからだ。
省7
150: 2012/11/27(火)14:12 ID:7vX+CVVm0(1) AAS
こうして、一日に一度だけだが、通り抜ける程度に高杉の私室に桂は出入りした。

そのとき、高杉がいることもあるし、いないこともある。しかし、いつも桂のことなど気にしてはいない。

高杉の私室には僅かな人間しか入ることを許されておらず、来島ももちろんなくて、いつもいいっすね??とうらやましがった。

それを聞いて月子は(来島は桂だと知らない)「そうか?なんの変哲もない部屋だが、そんなに見たいのなら今度写真捕ってきてやろうか」

などと、とぼけたことをまじめに言うものだから、来島のツボに入ってしまった。
省6
151: 2012/11/27(火)14:13 ID:x1atk0Qi0(1) AAS
桂というのは、噂通り、礼節を重んじ、義理堅く、非常にまじめな性格なのだと万斎は思いしることになる。

世話になりっぱなしでいるわけにはいかないと、率先して鬼兵隊の食事を作ったり、洗濯をしたりと家事をこなす。

作る料理がどれもまたお袋の味・・・といったような質素なもので、しかし、手間のかかる煮込み料理などを作るところが育ちを伺わせる。

紅い簪でくるりと結い上げた黒髪、小さな輪郭に整った顔立ち。長いまつげ。船員達に手料理を配りながらにこりとほほえめば、大抵の男は虜になろう。

それも、自身を利用し、犠牲にしようと企んでいるもの達に向けているのだ。
省6
152
(1): 2012/11/27(火)14:14 ID:Mq7NUyf60(1) AAS
4.混乱と決断

時折、風呂を借りたときに高杉がいても、別段話をすることはしなかったが、この日は少々事情が違った。

風呂に入る前は、いなかった部屋の主が、あがってみると戻ってきていて、桂が机に置いておいた簪をもてあそんでいた。

何の気なしにしたことかもしれないが、なんとなく嫌な気分になり、「勝手に触るな」と言った。

高杉は、「てめえにしちゃあ、趣味が良い」などと言って手放そうとしない。
省7
153: 2012/11/27(火)18:06 ID:+lbUq0xOO携(1) AAS
やはり新年まではよりぬきなのか

新作観たいなあ
154
(1): 2012/11/27(火)18:32 ID:3ob5HV8P0(1) AAS
DVD延長戦1のジャケットイラスト出たね
やっぱり銀さんと金時かアナザーはどうなるかな
155: 2012/11/27(火)19:02 ID:08bw1byD0(1) AAS
>>154
アナザーももう出てるじゃん
今週のジャンプに
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