[過去ログ] 銀魂’〜ぎんたま〜第二百九十二訓 (771レス)
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159: 2012/11/27(火)19:08 ID:BfYm6nQH0(1) AAS
「お前、好きだったろう」と月子が言うと、「甘いものはすきじゃねえ」と素っ気なく応える。そのわりに、じっとその菓子を見つめているから、なんだか可愛い。
気をよくしたのか、月子が得意げにしゃべり出す。
「銀時の家にやっかいになったときも作ったんだ。うまいと言って・・・」と桂が言い終える前に高杉が、ドン!!と、机に水菓子をたたきつけた。
そして、そのまま無言で去っていってしまった。
ぽかんとするのは、みんな一緒だ。
万斎は、そのあと、ゆっくりと邂逅する。
あの反応、白夜叉の名前が出たタイミング。あれではまるで・・・(嫉妬ではないか?)
その日の夕方、西日がまぶしい時に、一仕事終えた高杉がデッキにたたずんでいる。
万斎は、たまたま通りかかったのだが、はて?と、違和感を感じた。
高杉がいる場所は、船の先端近くの端。手すりを越えれば空、と言うところにいる。
これは、いつも煙管をふかして悠々としている高杉の定位置だ。だが、おかしいのは、煙管を持っていない。かわりに、なにやら紅い・・・簪を持っている。
“あれは確か・・・月子殿の?”その表情は、ちらりと横顔しか見えなかったが、なんとも、つらそうな、切なそうな表情に見えた。
時折、手すりの向こうへ簪をかざしてみては、また手元へ戻す。そんなことを繰り返している。ただ、もてあそんでいるようにも見えるし、
捨てようかどうするか、悩んでいるようにも見えた。どちらにしても、その悲壮感あふれる光景は、万斎に見ては行けないものを見てしまったような気にさせた。
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