[過去ﾛｸﾞ] 裏世界ピクニック part4 (1002ﾚｽ)
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308: (ﾜｯﾁｮｲ 416f-Eo/o) 2021/01/19(火)18:30 ID:dqMuaX2q0(2/5) AAS
俺の住んでいる町に古くから伝わる伝説だが
ある百姓が家の前に倒れている人を見つけたそうだ。
その人を介抱すると、男は自分が盗賊だったことを語った。
その昔、畜生働きを繰り返し、押し入った商家で何人も殺しを重ねたとさ
「儂はもう長くはない。介抱してくれた礼だ。儂が死んだら奉行所に届けるが良い。そうすればいくばくかの恩賞がもらえるだろう」
そう言うと、男は息を引き取った。
そこで百姓は男の言葉の通りにした。
それから何年かして、村が畑を広げるためにため池を作る工事を行った後
百姓の家でおかしなことが起こるようになった。
いきなり家の中で物音がしたり。甕に入れた水が水漏れしているわけでもないのになくなったりだ
それは日を追うごとに酷くなってくる
そんなある日、百姓の前に男が現れた。
それはあの時の盗賊だった。
「久しぶりやな」盗賊は百姓に穏やかに微笑みかけた。
「お前さんの村が最近、池を作ったやろ。それで地獄に良く亡者たちの道が塞がれたのだ。」
「儂も閻魔様のお裁きを受けて地獄へ行く最中やったのだが、池のためにここに立往生してしまった。」
「お前さんの家はいま池を避けて通る。新しい地獄への道が通ろうとしているのだ。はやく家を立ち退いた方がよい」
そう盗賊は百姓に語り掛けたという
百姓はその言葉を聞いて、家を立ち退き
家が元あったところには、お社を建てて、亡者たちを慰めるようにしたという
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