【本スレJAL】日航ジャンボ機墜落事故 137 【123便】 (423レス)
上下前次1-新
325(1): はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)12:19 ID:fgz7EKg4(4/20) AAS
>>324
『いわれなき批判に反論する』
…JAL機墜落事故=航空自衛隊の捜索救難活動について…
防衛庁航空幕僚監部広報室長 一等空佐 佐藤 守
八月十二日夕刻に発生したJAL機墜落事故は、五二〇名もの尊い犠牲者を出す史上最大の航空事故となったが、航空自衛隊は、事故発生が予測されるや間髪を入れず救難活動に移った。それにもかかわらず、翌日奇跡的に四名の生存者が発見され「他にも生存者がいる」との証言が報道されると、今度はあたかも自衛隊側の救難活動に問題があったかのような「自衛隊批判」が沸き起こったのである。
夜間、二千m級の山岳地帯での救難活動がどのような困難を伴うものであるかなどの知識を持たぬ素人の批判ならまだしも、毎度のことながら「軍事専門家」なる怪しげな肩書きを持った「ニワカ評論家」が勝手な先入観に基づく無責任な放言をするたびに。防衛庁、自衛隊に対する批判と抗議が相次いだ。けれども、広報担当者である我々が三〇分程かけて事情を説明すると、大半が理解納得してくれ、そのほとんどの人々から「新聞テレビの報道を鵜呑みにしていた」「もっと防衛庁は事実を積極的に国民に知らせるべきだ」との忠告をいただいたのである。
航空自衛隊の広報の責任者たる私としては地獄絵そのままの現地で懸命に捜索・収容活動に従事した隊員たちの名誉のためにも、各種の批判に対し我々のとった対応振りを説明し国民の理解を得なければならないと考えていたが、今回はからずも本誌(月曜評論)に意見発表の場を与えられたので、航空自衛隊に対する代表的な五つの批判に対し反論する次第である。
326(1): はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)12:19 ID:fgz7EKg4(5/20) AAS
>>325
1、 なぜ自衛隊はもっと早く出動し、夜を徹して行動しなかったのか?
航空自衛隊がJAL機の異常を知ったのは十二日午後六時二十五分過ぎ、同機が「緊急事態発生」を知らせる識別信号を出したのを峰岡山レーダーサイトのスコープ上に捉えた時である。サイトの管制官は同機の故障内容や詳しい状況については、無線周波数が異なるため承知できなかったが、スコープ上の機影は羽田に戻ろうとしているように見えた。そのまま注目していたが、飛行コースが正常とは思えないため、埼玉県入間基地にある防空管制所に通報、中部航空方面隊司令部の当直幕僚も極めて異常であると判断、直ちに防衛部長に報告、大中康生部長は指揮所開設を指示し幕僚を配置、同五十七分機影がスコープ上から消えるや、松永貞昭司令官は対領空侵犯措置任務のため、茨城県百里基地で五分待機についているF-4EJファントム戦闘機に対し発進を命令、命令を受けた四分後の午後七時一分には二機が発進し、JAL機がレーダーから消滅した地点に向かって急行したのである。
司令部は同時に非常呼集を発令すると共に百里にある航空救難隊の救難用ヘリコプターV-107一機に出動準備を命じた。
午後七時十九分、たまたま飛行中であった米軍のC-130輸送機から、山岳地帯で異常な炎を発見した旨の通報と、その二分後にはF-4戦闘機から「山火事の発生している場所は、横田タカンから三〇〇度の方向三十二マイル」との報告を受領、この時点で航空自衛隊としてはJAL機の墜落は間違いないとして捜索・救出のための諸活動、即ち非常呼集で集まってきた隊員の中から、とりあえず三〇名の先遣隊を編成する作業に取り掛かり、熊谷、静浜、浜松等、近在の部隊にも応援を求め、各部隊はそれぞれ非常呼集を発令して隊員を呼集した。
災害派遣要請権者である東京空港事務所長から、中空司令官に災害派遣の要請があったのは午後八時三十三分であり、部隊が初動を開始してから実に一時間半以上たっていたが、この七分後には入間基地から先遣隊三〇名が墜落地点に向けて出発、その二分後の八時四十二分には、百里基地から飛び立ったV-107が現場上空に到着し「横田タカンから二九九度の方向、三五・五マイル地点で、一五〇mから二〇〇m四方にわたり山腹が炎上している」ことを報告してきている。
なお念のために申し添えるが、入間基地には航空救難部隊は所在せず、したがって救難団司令部は百里・松島・小松などからV-107および捜索機MU-2をそれぞれ三機ずつ、計六機を入間に機動展開させ、十三日午前零時十八分には集結を完了している。
他方地上部隊は入間の先遣隊に続いて午後九時三〇分、熊谷基地から一〇名の先発隊を北相木村小学校に向かわせたが、これらの先遣隊は十三日午前三時三〇分及び同五〇分に到着、本隊は十三日午前一時に静浜基地から一一五名、入間基地からは同一時十五分五四八名、熊谷基地からは同二時に九十一名が出発、それぞれ明け方の四時五〇分から六時四〇分の間に北相木村に到着、中部航空警戒管制団副司令藪口1佐の指揮下に入っている。
このように我々は、墜落したのではないかと判断した時点以降、関係機関から何ら情報や要請のないまま、独自に可能な限りの救難活動を展開していたのであって、決して夜間行動をしていなかったわけではない。 (続く)
327(1): はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)12:21 ID:fgz7EKg4(6/20) AAS
>>326
軍事評論家=佐藤守のブログ日記
2007-03-09
いわれなき批判に反論する(その2)
昭和60年、今から22年も前の出来事を書いたのだが、早速数件のメールが入った。コメントを戴いた中にも、時の総指揮官・藪口1空佐のお嬢様がいたのには驚いた。今日はその続きの3項目を掲載する。
2、何故墜落地点の特定が遅れたのか?
すなわち、緊急発進したF-4ファントム戦闘機を始め、救難ヘリから、現場の位置は横田タカン(航法用の電波発信装置)からの方位と距離でもって示され、指揮所の航空地図に表示されていたが、当夜のように月がなく、下方の地形目標が全く確認できない場合には、この電波標識を使用して方位と距離を測定する以外になかったのである。
しかしながらこの方法では、計器等の誤差は避けられず、ピンポイントで○○山の頂上から○○m西側などと位置を特定することは無理で、どうしても数kmの範囲の概略の位置しかつかむことは出来ないのであるが、少なくとも航空活動においてはそれで十分で何ら支障になるものではない。ただ、地上部隊を派遣するに当たっての前進目標としては、概略であってもとりあえずの「目標」を与えて速やかに前進させる必要があったが、その目標としては「北相木村」が一番近いと考えられたのである。航空自衛隊の地上部隊は道路地図を頼りに深夜の行進を続け、一時休止をする毎に公衆電話を使って指揮所と連絡を取り合うこととしたが、公衆電話がなかなか見つからず、通信手段に苦労し十分な連絡が取れなかった。
地点評定については、十三日午前一時ごろ現場上空に到着したV-107から「入間タカンから二九一度三六・三マイル」との報告があったが、この地点は極めて正確であった。警察の問い合わせに対して指揮所は、この地点を地図上に評定して回答し、同時に「長野県警が現場に向かっている」との情報を得ているが、我々の地図上では「○○山の北斜面」とまで地名を特定することは困難であった。
指揮所では、長野県警が地上を前進していることを現場上空のヘリに知らせ、ヘリは着陸灯を点灯して旋回し、警官隊が何とかこれを目指して前進する方法を試みたが、地上は森林地帯であったため失敗に終わり結局陸上からの位置確認は出来なかった。
省1
328(1): はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)12:21 ID:fgz7EKg4(7/20) AAS
>>327
3、何故夜間ヘリで救難員を降下させなかったのか?
現場の特定が困難であったとしても、暗闇の中で炎が燃えているわけであるから、何故そこに救難員をヘリから降下させなかったのかという夜間救出についての批判は、二十三日付の朝日新聞に田岡編集委員の詳しい解説記事が出て以来次第に沈静化したが「しかしそれでも何とかして……」という声が残っている。
御遺族の気持ちとしては良く分かるが、朝日ジャーナルのごとく、航空機の知識に欠ける記者に“虚弱体質”呼ばわりされるいわれは全くなく、逆にそういう素人の傲慢な無知こそ一般国民の知識を誤らせるものとして非難せざるを得ない。
朝日ジャーナル取材班は、ヘリコプターの機能及び運用の初歩についてもっと勉強し、自分たちの考えが「いかにバカげたことか」同様の条件下で一度実験してみるが良い。
月明かりのない暗夜、下方の地形の全くわからない山岳地帯でどのようにしてホバリング(空中停止)するのか、是非同社チャーター機で試みてご教示願いたい。
仮に我々があの夜ホバリング適地を求めて強行降下を敢行し二次災害を起こしていたならば、ジャーナルは「それ見たことか」とてその“無謀ぶり”をからかったに違いない。万一降下に成功したとしても「四、五名の隊員で何が出来たか」とあざ笑ったであろう。
十二日夜七時五四分百里を発進したV-107は、八時四二分現場上空に到着し、上空を旋回中の米軍C-130機と交信、さらに下方を飛行中の米軍ヘリに代わって降下し、時速約七〇kmの低速で徐々に高度を下げ、写真撮影を実施した。 機長の林璋3佐は指揮所から「地上部隊の行動しうる道路を捜す」よう命ぜられ、着陸灯とサーチライトを点灯し可能な限り降下したが、下方に何も発見できず、約三〇分間にわたり努力したもののこれ以上の低高度低速飛行は危険であると判断して入間に帰投したのである。マスコミ各社のヘリコプターの操縦技術は優秀であるらしいからきっと夜間ホバリングも可能だったのかもしれない。是非ともわが救難隊にその秘技を伝授してやっていただきたい。
「照明弾を使っても簡単に山火事は起こらないはずだ」などと語る軍事評論家M氏は、照明弾の何たるかをご存知あるまい。これまた自ら研究し実験してみて「はずである」かどうか確認されるが良い。
「とにかく可能な限りで近づき、現場の状況を把握した上での作戦検討は出来なかったのか」との言は、机上の空論に過ぎず、朝日ジャーナルがもっとも忌み嫌うはずの旧軍時代の非合理的にして猪突猛進的な「大本営命令」を髣髴とさせるではないか。
329(1): はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)12:23 ID:fgz7EKg4(8/20) AAS
>>328
4、大型サーチライトつき米軍ヘリの救援申し込みを自衛隊は断ったのか?
一方、八月十九日のNHK・NC9で「サーチライト付きのヘリの提供を米軍が申し出たが自衛隊が断った」と報ぜられ、新聞や他のテレビでもそれがまことしやかに報ぜられた。
この報道は全くの「デマ」であり、確認せずして他社に雷同するわが国のマスコミの欠陥を表した典型的な事例であった。
米軍の日本側に対する申し出は「一般的な支援提供が可能な状態にあり、医療班を集合させヘリコプター一機を待機させている」との連絡が十二日夜八時半ごろ入間の指揮所にあり、我方は現場捜索中だったため「そのまま待機」するようにお願いしたものである。米軍側はNHKの取材を全く受けていない。マスコミが取り上げたきっかけは、オーストラリアの一新聞が「米軍の申し出を日本側が断った」と報じたことにあるが、日本の各社は、独自の取材によって米軍の責任者にそれを確認していないのである。
しかるに例えば八月三〇日付の東京新聞夕刊は「ベトナム経験のある空軍ヘリ部隊が出動態勢をとり」云々といかにも日本側が「クレージー」であったかのように書き、「陸自の元幹部」とやらに「メンツから」断ったのかなどと語らせている。「高性能の各種暗視装置を完備」云々という元幹部も元幹部だが、“十年前のベトナム戦争”の経験なんぞを、さも貴重であるらしく付け加える方が「クレージー」というべきではないか。週刊新潮も“米軍事専門家”と称するNという男のデタラメな推論を掲載しているが、これがNHKで放送されて以降、日本の報道陣は「日本政府は何かミスをしなかったか?」とて自国政府のミスを期待したそうであって、そういう取材陣の態度を米軍は「クレージー」と評したという。
米軍側の援助申し出は確かにあったが、それはあくまでも多数のケガ人の発生が予測されるので、設備の整った病院まで現地からケガ人を運ぶためのヘリコプター(UH-1B)と医療班提供の申し出であって、米軍が当日横田や座間に保有したヘリにはホイスト(吊り上げ機構)や大型サーチライトは装備されておらず、航法機材も空自が保有していないような“特殊なヘリ”ではなかったのである。
330(1): はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)12:24 ID:fgz7EKg4(9/20) AAS
>>329
更に日本側はこの申し出に対して「サンキューベリマッチ、コンティニュー、スタンバイ、プリーズ」と返答したのであって、NHKが報じたように「ノーサンキュー」などとは決して答えていない。
この件は私自身が横田の在日米軍報道部長から直接確認した事項であり、その時部長は、米軍放送(FEN)ではホップスなどの娯楽番組を変更してJAL機の犠牲者に弔意を表させてもらったと語った。
遺族の悲しみに同情するふりをしながら、日本のテレビは高校野球をそのまま放映したり、焼け爛れた遺体の収容作業を報道して、さも悲しんでいるようなふりをしたが、何と“焼肉のたれ”のコマーシャルを平然と流した局もあって、娯楽番組を自粛したFENとは人間性の面で雲泥の差があるといえるのではないか。日本のプレスはクレージーだという在日米軍の感想は蓋し当然であろう。
逗子市の米軍住宅建設問題に見られるように、普段は散々米軍の行動にいちゃもんをつけ反対しておきながら、今回のような非常事態になるとマスコミは米軍を当てにし、その能力を過大評価するのである。米国にバカにされているのは、米軍事専門家と称するN氏の言うように「自衛隊指揮官、防衛庁、政府の首脳部」であるよりもむしろ、これら日本のマスコミやN氏のような“評論家”たちであることも明白な事実であることを自覚する必要があるのではないか。 (続く)
331(1): はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)12:25 ID:fgz7EKg4(10/20) AAS
>>330
2007-03-10
いわれなき批判に反論する(その3)
5、「自衛隊無人機」が垂直尾翼にぶっつかったのか?
また、事故原因の究明が始まるや、一部の自称航空専門家がテレビに出演して、なんとも無責任な放言をしている。
本件事故の発生当初からそういう連中の発言を克明に記録したならば、その右顧左眄ぶりに失笑を禁じえないであろうが、所詮は素人の勝手な放言であり気にすることもないかもしれないが、視聴者は「肩書き」に弱いからすぐに信用してしまう危険がある。この種マスコミの流言によって航空自衛隊は致命的な深手を負った苦い経験がある。それは読者もご記憶であろうが昭和四十六年七月三〇日、岩手県雫石上空で起こった全日空B727型機と空自のF86F機の空中衝突事故である。
朝日ジャーナルは「この事故の汚名を晴らすためにも(自衛隊の)“決死”の活躍を期待した人も多かった筈だ」と書き、サンデー毎日にも作家のY氏が雫石事故は「自衛隊機が民間航路へ侵入した結果です」と述べた。
雫石事故については刑事裁判は結審し、直接衝突された訓練生は無罪となったものの彼を指揮していた教官は有罪だとされた。しかし我々空自の隊員はこの事故は、全日空機が一方的にジェットルートを逸脱して訓練空域に侵入した結果であり、しかも操縦席に機長は居なかったとしか考えられず、あるいは居たとしても前方を見張っていなかったため、訓練中の自衛隊機に追突し、何が起こったかわからぬまま墜落した事故であると確信しており、それゆえ我々は今回のJAL機の事故調査の行方を興味深く見守っている。去る二月、朝日新聞は「雫石事件の民事の部は、全日空側が提出した8ミリフィルムにより新たな局面を迎えつつある」と報じた。朝日ジャーナルや作家Y氏がこの事故を自衛隊側の責任と思っているのは当時のズサンな事故調査と、誤った先入観にとらわれたマスコミの誤報道を鵜呑みにしているからである。
332(1): はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)12:26 ID:fgz7EKg4(11/20) AAS
>>331
今回もTBSテレビで航空評論家S氏が「航空自衛隊の無人標的機が垂直尾翼にぶっつかった可能性もある」と発言した。同氏は、空自の保有する標的機とその運用について最新の知識を持っていたとは思えないが、その発言はサンデー毎日に引用され、空自に対して疑いの目を向けさせるに十分であり、「雫石」の二の舞だったのではないかとの批判が空幕広報室によせられた。作家Y氏もR・116という空自が使ってもいない空域を持ち出し、「レーダーに映った機影をもう一度調べ直す必要があるんじゃないか」と主張しているが、やがてこれらの“評論家諸氏”の無知が証明される時が必ず来るであろう。しかしながらこれらの放言の恐ろしさは、たとえ後刻彼ら自身が訂正しても(ほとんど訂正することはないが)電波のように伝わっていつの間にか真実であるかのようにみなされてしまうところにある。また仮に事実無根であることが証明されても、彼らは一切責任は取らず、いずれまた航空事故が起きるとしゃあしゃあとして出演料を稼ぐのである。
結び
以上JAL機墜落事故の「救難活動の遅れ」に対する批判等のうち、航空自衛隊に関すると思われる部分について反論を試みたが、我々としても今回の対応が万全であったなどとは自画自賛しているわけでは決してない。
航空活動を主体としているため、詳細な地図判読が必ずしも十分ではなかったこと、通信回線がパンクしてNTTが移動電話を無料で提供してくれたからやっとしのげたこと、山岳地での活動に適した靴や被服を所有していなかったこと等など、反省すべきことは多々ある。お盆休み中の隊員、夕食中または入浴中に非常呼集を受けた隊員たちが、取るものもとりあえず十三日早朝、現場に向かってトラックを走らせたのだが、報道陣の車が途中多数停車していたためトラックを降りて徒歩で山へ踏み込んだため、現場到着が一日遅れる結果となった。
現場に到着した隊員たちは食事と排便に苦労しつつ、破損の激しい遺体を、泣きながら搬出した。すこぶる不便な生活であったが不平不満を言う隊員は一人も居なかった。むしろ補給など管理支援要員までもが是非現場に出たいと強硬に言い出したり、医官の診断で後送と決まった隊員が「このまま帰ることは不名誉である」と申し出て現場に戻るなど、若い隊員たちの士気は旺盛であった。しかもこれらの隊員は、価値観が多様化したといわれる社会の中で育ち、二・三年前に入隊した若者だったのである。あまり報道されなかったが、自衛隊及び報道陣のヘリコプターの空中衝突を防止するための輸送機などによる空中統制業務(運行管制)も極めて重要な業務であり、初めての試みであったにもかかわらず一件の事故も発生しなかったのはご承知のとおりである。これは敢えて自画自賛する次第である。
333: はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)12:27 ID:fgz7EKg4(12/20) AAS
>>332
我々は正しい批判には謙虚でありたい。しかし「サラリーマン軍隊・失業対策」などという悪意の放言は座視できない。われわれも文民の皆様と同じく日本人である。しかも一生懸命努力して評価されないことに耐えられるような聖人君子でもない。
ためにする自衛隊批判よりも、むしろ大量空中輸送時代における飛行安全の確保と、航空救難体制の遅れの方を真剣に考えその対策を練るべきではなかろうか。
(補足)
月曜評論紙上に掲載されたこの論文は大変な反響を呼んだ。自衛隊に対する「非難」が、徐々に「激励」に変わったが、私の手元にはそれ以後750通の手紙が届けられた。その最初の手紙がM元防衛事務次官からの毛筆の激励文だったのが印象的だったが、大半は現場で苦労した、陸・空自衛隊員たちからだった。
月曜評論紙に掲載した文章には、実名をM氏だとかN氏というように隠したのだが、全ての資料を調べた高名なジャーナリストから「彼らは自ら実名で批判を書いているのに、あなたが何も彼らを庇ってやる必要はない。堂々と実名を挙げて批判すべきである。これがこの世界(ジャーナリスト)の掟である」という助言を戴いた。その直後、防衛庁(当事)の機関紙「朝雲」新聞から、この文章を9枚にして(月曜評論は原稿用紙20枚)再掲載したい、と申し出があった。そこで、文章を簡略化して掲載したのだが、その際私は評論家達の実名を復活した。
するとなぜかA紙記者が私の部屋を訪れて「国会で問題になる」と脅迫?した。
「どこが問題になるのか?」と聞くと「雫石事件の箇所である」といった。
「月曜評論には既に書いているのに何故か?」と聞くと、「朝雲新聞は防衛庁の新聞だから、防衛庁が雫石裁判の批判をしたことになる」というのが彼の主張であった。そして彼は静岡出身の社会党議員に「資料を提供?」し、「彼の予言?どおり」国会で問題化した。マッチポンプの典型的な実例である。
これが一連の「空幕広報室事件」の発端で、翌年新春号の月刊誌「文芸春秋」で「涙と殺意・・・」という表題で大変な話題になったものである。
334(1): はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)12:28 ID:fgz7EKg4(13/20) AAS
軍事評論家=佐藤守のブログ日記
2007-03-11
日航機墜落事故・余談
1、この事故に対する陸・空自衛隊の活動状況は、22日間で人員延べ約46500名、車両約4530台、航空機約290機を使用した最大規模の「作戦」であった。国防を旨とする組織である以上、軍事的装備品をそれに準用するのだが、そこには限界があった。たとえば航空自衛隊の作業服等は、基地内の整備地区で使用することを建前としている関係上、作業靴は山岳地帯で使用するには不適であり、脛当てもないため、隊員達が下半身を機体の破片で損傷する例が多かった。
2、一刻も早く、という非常呼集発令で、浜松方面から駆けつけた応援部隊は、夜間東名高速道の料金所で「料金」を請求され立ち往生した例があった。運転手が財布を持参しなかったため、また乗車した隊員も制服で部隊に駆けつけ、作業服に着替えた隊員達の多くが財布を携行しなかったため、金集めをするのに手間取ったところ、後方に並んだ一般車両から警笛を鳴らされ、罵声を浴びた例もあった。
これなどは「笑い話」で済んだが、自衛隊の行動を制約することに熱心すぎて、肝心の行動が大きく制約されていたという例である。以後、国会で問題になり、災害派遣という「公務」出動中は、その表示を掲げて行動し、道路公団などは自動的に通行を許可することになったはずである。どこの国でも、軍隊が有料道路を通行するのは原則無料である。中国などでは、一般人民が、軍用車両を真似て、迷彩服を着て運転し、通行料金を騙していた例が報告されているくらいである。
335(1): はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)12:28 ID:fgz7EKg4(14/20) AAS
>>334
3、警察との連携はまったくと言ってよいほど取れなかった。現場でヘリコプターからパトカーへ直接連絡しようにも、無線周波数が異なるため通じない。パトカー上空まで行っても、夜間だから上空から見ると点滅灯が確認できず、どれがパトカーか判別できない。当時は上空からパトカーを誘導しようにも方策がなかったのである。以後、無線は解決された筈だし、パトカーの点滅灯も上空から見ても点滅状態が分かるように改善された筈である。勿論パトカーの車体番号も大きく屋根に書かれる様になった。
4、これら、一般国民にはとても信じられないような実例が、大幅に改善されたのは、12月10日の衆議院内閣委員会での、田中慶秋議員(当事民社党)の質問によるものが多い。思い出すままに列挙すると、
「空自のスクランブルについては領空侵犯の場合だけに規定されているが(実は今回の発令はまさに司令官が首を賭けた異例事態であった)今回の事故にかんがみ災害派遣の要請がなくともスクランブル発進できるように法改正し、必要な人員、器材の整備を急ぐべき」(国家機関として、各省庁が縦割りでなければ…、最も民間航空が営利目的を強調しすぎて社内秘密?を重視し、カンパニーラジオを優先するようでは、航空交通管制官も打つ手はない。空地一体となって救援活動にまい進出来る体制ができていたら、123便が緊急事態を宣言した時点で、中空司令官は直ちに百里からスクランブルさせ、富士山周辺空域で近づいたファントムからジャンボ機の損傷を機長に通報し、スロットル使用法による何らかの対処は可能であったかもしれない。このとき駆けつけた編隊長、式地3佐は、私が305飛行隊長時代の教え子で、優秀な技量が認められ、その後T-2ブルーインパルスのメンバーになったが、訓練中、金華山沖で殉職した)
336(1): はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)12:29 ID:fgz7EKg4(15/20) AAS
>>335
5、「今回出動した自衛官の災害派遣手当は1日につき660円支給されたのに対して、警察官は1日6000円以上支給されている。両者の違いが大きすぎると思うが防衛庁の見解は?」(出動に関わる経費は約3000万円、食費推計約5600万円。それに対して警察庁=群馬県警は延べ約38000名出動、出動経費約2億5600万円、食費約7300万円であった、と朝日新聞が報じた)
6、「文春86年1月号の『ある自衛官の涙と殺意』の記事を防衛庁長官ないし防衛庁は承知しているか。この記事によるとA社のT記者は過去に自衛官人事に介入した事例があるように受け止められるが、そのようなことが実際にあったのか?」
田中慶秋議員の質問によってその後かなり改善に反映されたが、同じく質問に立った社会党の元信尭議員の方は、「シビリアンコントロール問題」や私の論文が「防衛庁の公的見解か」などと「雫石事件発言」を中心にした“T記者ご注進”の内容に徹していた。これらの詳細は昭和60年12月10日の「衆院内閣委員会録第六号」に詳しい。
337(1): はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)12:29 ID:fgz7EKg4(16/20) AAS
>>336
7、田中議員の国会質問で、上記高速道の料金問題、災害派遣手当の改善(といっても実質さほど向上したことにはならないカラクリがあったのだが)、新聞記者たちの防衛庁内における活動にある種の制限などが検討された。
たとえばこの事故のとき、空幕では総務課など肝心要のセクションの電話回線すべてが記者に占領されて、内局はもとより部隊、幕内との連絡が困難になったのであった。しかも、広報室内や庁内に記者たちがたむろしたため、まだ未確認の情報などが精粗合わせて記者に流れ、それがすぐに報道され、現地部隊も振り回される事態になった。また、スクランブルから帰ったパイロット、救難員たちへの取材要求が殺到し、現地で可能な限り対応するとしても、肝心の空幕が未確認の情報が流出して混乱し、報道されてしまったあとに訂正が効かないという事態も生じた。
8、勿論、このような重大で巨大な事故が、人跡未踏の山岳地帯で発生することは誰も想定していなかったこともあり、特に基本となる地図判読では、3自衛隊間で不統一だったことは影響が大きかった。統合が出来た現在も、情報など、一部でなかなか統一できない面があると報じられているが、それは職種が違うので致し方ない点がある。事故当時の時点では全く不統一であった。
338: はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)12:30 ID:fgz7EKg4(17/20) AAS
>>337
9、現場の捜索状況について、たとえばある教授(当時)から直接電話を貰い仰天したことがある。彼は「何故ヘリが夜間着陸して救出しなかったのか?」とお怒りだったのだが、「先生はどうすればいいとお考えだったのですか?」と聞くと「火災が起きている場所の近くに降りればいいじゃないか」とのこと。ヘリコプターの着陸場所としては少なくともローターの2倍以上の空き地(平坦地で直径約50m斜面5~6度以内。進入角約6度の進行方向上に障害物がないこと)が必要だが、その場所はどうするのか?」と聞くと、「近くに小学校のグランドがあるはずだ」という。「その小学校のありかをどうして知るのか?」と聞くと「村の有線放送で調べればよいじゃないか」と言うのだから話にならない。そこで「百歩譲って小学校のグラウンドを着陸場に確保できたとして、夜間照明装置をどうするか?」と聞いてまたまた驚いた。「ガソリンを入れたバケツに火をつけて、グランドの四隅に置けばいい」というのである。まさかガダルカナル・ニューギニアの闘いであるまいし、“教授”でさえもこの程度の知識なのである。「それを机上の空論というのです」と言った途端彼は激怒した。その後この教授は、電話で応対した私と、当時陸自・東部方面隊のK広報班長とのやり取りをいかにも「つっけんどん」に対応したとする会話記録(殆ど自分の都合の良いように改ざん)を「今のところ公表は差し控えている」という“脅し文句”つきで、陸・空幕僚長に対し「私信」として出している。この教授は現在も“ご活躍中”なので特に名を秘す!
それまで単純な「戦闘機パイロット」に過ぎなかった私が、この事件をきっかけに、社会の裏、人間の醜悪さの一部を目にして「目の鱗」が取れて“人生観”が大きく変化したのであったが、そう述懐したとき、ある先輩が「鱗は自生するからすぐ元に戻る。もう昔に戻っているんじゃないか?」とからかわれたことを思い出す。あれから既に22年、確かに今では“かなり分厚い鱗”が自生していると自覚している。
339(2): はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)12:31 ID:fgz7EKg4(18/20) AAS
軍事評論家=佐藤守のブログ日記
2015-08-13
航空事故絶滅は可能か?
JAL機事故はTBSでも報じられたように、隔壁修理ミスだったことは自明だろう。問題はどうして修理ミスが起きたかだが、誰もそこは追及していない。ただ単に、職工(技術者?)の技能不足だったのか?
仮にそうだったとしても、どうしてそれが見抜けなかったのか?40人もの技術者がいっしょくたになって作業したはずはないから、現場ではそこそこの人数が働いていたのだろう。とすればあくまでも発注者であるJALの監督官も現場にいたはずである。なぜ彼が気が付かなかったのか?
隔壁修理など大修理をやったことがないからか?ボーイング社の方もそんな“中途半端な修理”何ぞやったはずがなかったろう。合理主義の国である。
日本人のような「匠の技」で修理しなくとも、パッケージごと交換して済ませるのが彼らの手法だ。
仮に乗用車のダイナモが不調になったら、昔はダイナモを外して修理し、取り付けていたものだ。今、そんな悠長なことをしているところはあるまい。ただちにダイナモ交換である。これをモジュール整備方式ともいう。
隔壁についても同様な思想であり、尻もち事故で隔壁を破壊するようなパイロットが多ければ、ボーイング社も各地に技術者を派遣するか予備の隔壁を各地に保管させる体制を取っていたことだろう。
隔壁なんてそうそう破損することがなければ、定期点検は別にして修理技術はその程度だったろうし、不備があれば一体成型方式だから丸丸交換していたに違いない。そのあたりの修理要請をJALはどう考えて要求したのか?
省1
340: はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)12:32 ID:fgz7EKg4(19/20) AAS
軍事評論家=佐藤守のブログ日記
2018-07-23
習政権の“盛”は過ぎた?
御巣鷹事故の時、苦労しつつも現場に駆けつけようとしていた自衛隊をしり目に、事故現場から離れていた「後部胴体」の残骸に群がっていた日航整備関係者をヘリで現場に向かった写真家が撮影している。それは何故か?写真家はこの奇妙な写真を見せてくれたが、現場撮影からの帰途に再び見ると、初めは背中にツルのマークが見えていた「つなぎの整備服」が、まるで隠すかのように、黒めのジャンバーを羽織ってツルのマークを覆っていたのはなぜか?すでに原因の特定はできていたのだと思うがどうか?全社員を動員して現場に駆けつけなかったのは何故か?
341: はっとく ◆jJYwmxB566 10/22(火)16:14 ID:fgz7EKg4(20/20) AAS
インテルサット、ボーイング製の通信衛星を消失–米宇宙軍が約20個のデブリを追跡(UchuBiz)
外部リンク:news.yahoo.co.jp
342: はっとく ◆jJYwmxB566 10/23(水)10:34 ID:1n0jstGc(1/5) AAS
日本の(軍事的)平和は主に在日米軍によるわけで....
仮に中露と(軍事)同盟を結んだとして米軍(※アメリカ政府ではない)に勝てはしないし
国民的にはアメリカの方が良かろう(たぶん)....
米中露とも仲良く出来るか?って云うと不可能ではなくても難しかろう
343(1): はっとく ◆jJYwmxB566 10/23(水)13:04 ID:1n0jstGc(2/5) AAS
妄想しつこくて申し訳ないが
属国や植民地ではなく米軍基地なのだ
海に囲まれたこの国土に米軍意外の勢力が侵入するのはほぼ不可能だ
仮に日本から米軍を追い出したとしよう(不可能だが)
米軍がそのまま引くとは思えない
再占領されるに決まってる(たぶん)
奇跡があればUSAに「日本人よくぞ逆らってみせた!!」って独立国として認めてくれるかもしれない(どうかな)
344: はっとく ◆jJYwmxB566 10/23(水)13:04 ID:1n0jstGc(3/5) AAS
>>343
✕米軍意外
〇米軍以外
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