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757: 2010/07/16(金)21:47 ID:XEUL7SyS(1/6) AAS
地球温暖化めぐる歪曲と暗闘(2)
2009年12月27日  田中 宇

 12月19日に閉幕したコペンハーゲンでの国連気候変動枠組み
条約締結国会議(COP15)は、世界のほとんどの国の代表らが
2週間も話し合い、事前に何百ページも文書が用意されていた。
だが、閉幕時に採択された「コペンハーゲン合意」はわずか2ページで、
しかもこの文書すら各国間で合意に達せず、各国が留意する
(take note)という決議にとどまった。(Copenhagen Accord)
758: 2010/07/16(金)21:49 ID:XEUL7SyS(2/6) AAS
 合意文は、世界の平均気温の上昇を2度以内に抑えねばならず、
膨大な二酸化炭素などの排出削減が必要で、先進国は97年の
京都議定書に従って削減を進めねばならないと定めているが、
京都議定書を超える排出削減を何も決めていない。
合意文書には付属文書がついているが、それは2020年までの
国別の排出削減量の一覧表の「枠」だけだ。中身は空っぽで、
今後決めることになっている。時間切れの中、合意文書は草案の
まま発表され、COP15は閉幕した。
(Marathon turns into merely `a first step')
759: 2010/07/16(金)21:52 ID:XEUL7SyS(3/6) AAS
 会議中、コペンハーゲンは連日雪が降った。「温暖化」を協議するはずの
各国参加者がセキュリティシステム不調で会場に入れず「極寒」の屋外で
寒さにふるえながら何時間も行列して待つという、懐疑論者を
ニンマリさせる逆説的な事態も起きた。合意を決議した最終日には
米国や東アジアが寒波に襲われ、米国のオバマ大統領は調印式も
出ず、歴史的な大雪で死者が出た米東海岸に戻った。
日本では、北海道の芽室などで12月の観測史上最低気温を記録した。
(Obama claims partial victory in Copenhagen)
760: 2010/07/16(金)21:54 ID:XEUL7SyS(4/6) AAS
 11月末、国連の専門家会議(IPCC)で温暖化対策を推進する
中心的存在だった英国のイーストアングリア大学の気候研究所(CRU)で、
世界の気候変動のデータに歪曲的な処理がほどこされていたことが、
ネット上での情報流出によって暴露される「クライメートゲート」が起きた。
暴露されたメールの束の中には、今年10月にBBCが
「地球の平均気温は上昇していない」と報じた件で、在米の研究者
(Kevin Trenberth)が報道された気温降下を事実と考え
「われわれの気候変動データは間違っており、観測方法が不十分だった」
(the data are surely wrong. Our observing system is inadequate)と
書いているものもある。IPCCの中心だった英米の専門家たちも、
省1
761: 2010/07/16(金)21:56 ID:XEUL7SyS(5/6) AAS
 地球の気温が上昇していないとか、人為が気候変動の主要因ではないと
いう指摘は、あちこちから出ており、各国は「温暖化対策」を協議する前に
「本当に温暖化しているのか」を協議(というより観測・再分析)せねばならない。
COP15で温暖化対策について何も決まらなくても何の問題もなく、
むしろ世界的な時間と労力と費用の無駄遣いだったといえる。
(Climate Change Is Nature's Way)
762: 2010/07/16(金)21:57 ID:XEUL7SyS(6/6) AAS
▼明らかになる温暖化捏造のからくり
 ロシアの経済研究所は最近、英CRUが温暖化を「立証」した際、
ロシアの観測地点のうち、20世紀末に温暖化傾向を示していなかった
地点の気温データをすべて排除し、ロシア全体の25%の観測地点の
気温データだけを使って、ロシアの気温が上昇しているかのような
歪曲的な結果をCRUが出していたことを指摘した。
ロシアの全データを使って分析すると、20世紀半ば以来の
ロシアの気温は上下し続けるだけで、上昇傾向を示さない。
763: 2010/07/16(金)21:58 ID:UkzN7okE(1/6) AAS
 オーストラリアの研究者も、CRUが豪州の温暖化を「証明」するために、
都市化によって平均気温が上昇する豪州の都市近郊などの観測地点
(豪全体の40%)だけを選んで使い、それ以外の気温データを「不適切」として
排除し、温暖化傾向を捏造したと指摘している。CRUの詐欺手法が、
世界的にしだいに明らかになっている。
764: 2010/07/16(金)21:59 ID:UkzN7okE(2/6) AAS
 IPCCは「ヒマラヤの氷河は2035年までに溶ける」とする報告書を
以前に出していたが、これは実は「2350年までに溶ける」と書くべき
ところを誤植してしまっていたと、今ごろになってIPCC関係者が暴露している。
2035年氷河溶解説は、各国のマスコミが「事実」として大きく報じ、
先進国の政府は、緊急な温暖化対策の必要性を「啓蒙」する象徴的な事象として
この件を繰り返し広報してきた。(The Real Copenhagen Agenda)
765: 2010/07/16(金)22:00 ID:UkzN7okE(3/6) AAS
 クライメートゲートの暴露後、温暖化捏造の主犯であるCRUの「親分」に
あたる英国気象庁(MET)は、CRUを弁護すべく、07年のIPCC報告書を
根拠に「温暖化人為説はすでに事実として確立している」と発表した。
だが、同報告書をまとめた中心勢力はCRUだった。裏を返せば、
英政府は、捏造の疑いがあるCRUの分析以外に、温暖化の証拠として
挙げられるものがないということだ。
(Climategate Outrage Explodes As Carbon Tax Agenda Collapses)
766: 2010/07/16(金)22:01 ID:UkzN7okE(4/6) AAS
 米国ではNASA(航空宇宙局)が英CRUと歩調を合わせ、
以前に「地球史上、最も暑かったのは1998年だ」と発表したが、
米国の学者から「その結論を出した元データを公表せよ」と要求された後、
元データを公表しないまま「実は1934年の方が暑かった」と訂正し、
その後また「98年と06年が最も暑く、34年がその次だった」と
再訂正する迷走を続けている。CRUでの暴露を受け、
NASAに対しても元データ公表の圧力が、外部の学者から再び強まって
おり、捏造スキャンダルは米国に飛び火しかねない。
(Researcher: NASA hiding climate data)
767: 2010/07/16(金)22:03 ID:UkzN7okE(5/6) AAS
 政治圧力の結果なのか、検索エンジンのグーグルが、
クライメートゲート関係の文書が検索結果一覧の中に
出てこないようにしてしまったという指摘もある。
(Climategate: Googlegate?)
768: 2010/07/16(金)22:04 ID:UkzN7okE(6/6) AAS
▼実は重要だったCOP15
 地球が温暖化していないのに、世界のほとんどの国の代表が
集まって温暖化対策会議を開いたことは、確かに無意味であり、
壮大な無駄遣いだ。合意文は「誰にも好かれない文書」と揶揄された。
だが、もう一つ深く掘り下げてみると、実はCOP15は非常に重要な
会議だった。それは、以前の記事「新興諸国に乗っ取られた
地球温暖化問題」に書いた「世界政府作り」の面である。
(◆新興諸国に乗っ取られた地球温暖化問題)
769: 2010/07/16(金)22:05 ID:tAHMpBzV(1/6) AAS
 全12項からなるCOP15の合意文書の9項に、先進諸国が
発展途上国の温暖化対策のために資金や技術を提供し、
その資金(Green Climate Fund)の財源や使途を決めるために
国際的な高官協議体(High Level Panel)を設立する、と書いてある。
先進諸国の政府財政から十分な資金を集められない場合、
他の資金源を作る必要があるが、その決定も高官協議体が行う。
(Copenhagen Accord)
770: 2010/07/16(金)22:06 ID:tAHMpBzV(2/6) AAS
 最終合意には詳細が盛り込まれなかったが、COP15の議論の中で
出てきたのは、先進諸国が毎年1000億ドルの資金を用意し、
それを途上諸国の温暖化対策の費用にあてる構想だ。
先進各国の政府が出す資金を全部集めても、この半分にもならない
ので、残りは民間経済に対する課税として集める。課税方法として最有力なのは、全世界の国際金融取引に対して微少な比率の課税を行う「トービン税」である。
(Marathon turns into merely `a first step')
771: 2010/07/16(金)22:07 ID:tAHMpBzV(3/6) AAS
 従来の世界では、税制はすべて国ごとに別々で、トービン税に
象徴される世界的課税は史上初めてである。国際課税は、
当然ながら国際的な高官協議体で決める必要がある。
実は、すでにトービン税については11月のG20会合で、
英国(今年の主催国)の発案で議論されている。COP15の合意文書に
盛り込まれた「高官協議体」とはG20のことである。
(私は最初、英国が財政破綻寸前の自国を救済する仕掛けとして
トービン税を提唱したのかと思ったが、そうではないようだ)
(Brown floats idea for global tax on banks)
772: 2010/07/16(金)22:08 ID:tAHMpBzV(4/6) AAS
 COP15の議論では、国連機関であるIMFと世界銀行が、
先進国政府からの支援金やトービン税収を受け取って管理する
構想が話し合われた。昨年G20が世界経済の中心的な意志決定機関として
台頭して以来、IMFと世銀は、G20の金庫番として機能する傾向を強めている。
つまり、COP15の議論の本質は、先進諸国の援助金とトービン税によって、
G20と傘下のIMF世銀が巨額の財政を持ち、温暖化対策を名目に、
途上国に資金を分配する権能を持つことである。
(Copenhagen Accord Establishes Global Government Framework)
773: 2010/07/16(金)22:09 ID:tAHMpBzV(5/6) AAS
 使途が「温暖化対策」に限定されているものの、人類史上初めて、
世界各国の首脳が集団で意志決定する機関が、直接民間経済に課税して
財源を持って活動する(既存の国連は、各国からの上納金が頼りで、
独自の財源を持っていない)。これは、史上初の「世界政府」の出現である。
10月に「G20は世界政府になる」という記事を書いたが、そのとおりの
展開になってきた(温暖化問題が使われるのは私にも意外だったが)。
(G20は世界政府になる)
774: 2010/07/16(金)22:10 ID:tAHMpBzV(6/6) AAS
▼中国や途上国の利得になる温暖化問題
 COP15で出てきた世界政府構想は、表向きは地球温暖化対策のためである。
だが、米国の中枢的な世界戦略立案機関である外交問題評議会(CFR)からは、
すでに今年夏に「COP15で包括的な条約が締結される可能性はほとんどゼロ
だが、温暖化対策に限定せず、環境問題全般やも途上国の経済発展の
全般をテーマに含め、目標を拡大すれば、有効な枠組みになりうる」との主張が
出ている。COP15で構想された新体制が、環境や発展の全般に拡大されれば、
それは世界政府そのものになる。(Copenhagen's Inconvenient Truth)
775: 2010/07/16(金)22:11 ID:0xgHf9gQ(1/7) AAS
 今後、中国やインドなどBRIC諸国が高度経済成長を続けそうで、
いずれ中南米や中近東、アフリカ諸国も高度成長に入る可能性があるが、
それは世界の中産階級人口の爆発的な増加となる。省エネや産業効率化、
環境対策、農産物の増産などを従来に増して強化しなければ、
エネルギーや資源、食糧の高騰や、公害の悪化が耐え難くひどくなる。
BRICの中心である中国の経済有力者(中国建設銀行の郭樹清会長)は最近、
経済発展にともなって省エネや産業効率化、環境対策の強化が中国に必須
だと提唱している。(Growing China Guo Shuqing on the need for reform)
776: 2010/07/16(金)22:13 ID:0xgHf9gQ(2/7) AAS
 地球温暖化問題はもともと、英国が主導する先進国が、中国など新興諸国・
途上国の経済成長に「排出税」を課してピンハネする策略だ。
中国は、途上諸国を誘い、COPによる温暖化対策に反対してきた。
しかし、COPが省エネや環境問題の全般にテーマを広げ、
意志決定に中国や途上国も参加し、先進国が途上国のために
資金を用意してくれるなら、中国や途上国にとって反対すべきものから
賛成すべきものに転換する。
 この転換は、中国や途上諸国だけでなく、日本やEUにとっても重要だ。
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