[過去ログ] シン・ゴジラ SHIN GODZILLA 186 [無断転載禁止]©2ch.net (1002レス)
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(1): 2017/09/02(土)09:31 ID:H9JmVEDb(1/3) AAS
拾い物に手を加えた、押井版ゴジラ

三流私立探偵兼ルポライターの中年男が、少女(娘)と犬を連れ、ゴジラを追って放浪している。東京は今、ゴジラ目撃で大騒ぎだ。 不思議なことに、目撃者は多数存在するのに、撮影されたすべての画像にその巨大な姿は写されていなかった・・・。

男は湾岸を当てもなく歩き、立ち食いソバを食い、地下放水路をさまよい、答えを求める。
公園で娘と犬が遊ぶところをぼおっと眺めながら 別れた妻と電話で話をする。
薄暗い酒場で居合わせたサラリーマン風の中年男・官僚風の若い男性・水商売風の女・怪しげな老人と「怪獣と自然災害と神」について 語り合う。男の心象風景そのままのような景色の展開する中を、男はただ、さまよい続ける。

マスコミの報道、被災の痕跡、目撃者の証言などを手掛かりに、男は東京中を彷徨うが、ゴジラが出現したという証拠をどこにも発見することはできず、とうとう疲れ果て、場末のビジネス ホテルに転がり込む。

ベッドで眠る娘の横、窓から差し込むネオンの光に照らされて、ネットにあふれる膨大な目撃の書き込みを見ていた男は、一つの結論にたどり着く。
男はため息をひとつつくと、娘のそばに身を横たえ、静かに目を閉じる。
157: 2017/09/02(土)09:34 ID:H9JmVEDb(2/3) AAS
翌日、ゴジラ取材を依頼した雑誌の編集者と合い、タバコをふかしながら男はゴジラについて報告する。ゴジラは、人々の自然災害や神への畏れが生み出した 共同幻想だ、ということを。
そう、ゴジラなどというものは、はじめから存在しないのだ。
編集者はその結論に何も言わず、近所の立ち食いソバ屋マッハ軒について語った後「ご苦労さん」と取材料10万円が入った封筒を男に手渡した。

「ところで、共同幻想というのは、その幻を見ている者にとっては現実そのものなのですよ。そう、まるで夢の中のようにね」ふいに編集者は、男に話すともなく語り始める。
「その昔、人間が世界の覇者であったとき、突然出現した巨大不明生物に彼らは驚き怯え、それを亡きものにしようとした。しかし、完全生物であるゴジラにかなうはずもなく、
人間たちは戦うたびにその数を減らしていった。ゴジラは、人間たちに対抗して小型化群体化し、最後には人間そっくりの姿へと変態してしまい、
そして、思考まで同一化してしまった。人の心の中にあったゴジラへの恐れまでいっしょにね。」
ふと男は、その編集者の背中に、異形の背びれがずらりと並んでいるのに気づく
「もしかしたら、追い求めているゴジラは我々自身のほうで、追っているはずの人間たちは 、とうの昔に、ゴジラたちによって滅ぼされているまぼろしなのかもしれませんよ」
158: 2017/09/02(土)09:35 ID:H9JmVEDb(3/3) AAS
男は領収書にサインしてビルを出る。ビルの脇の路地では 娘が、犬を傍らにコンクリートの床にしゃがんで落書きをしていた。男は声をかけ、娘と犬とともに立ち去る。
そのあとには、娘の落書きが残された。チョークで生命進化の系統樹が描かれ、進化の頂点には人が、そしてその上にゴジラが稚拙なタッチで描かれている。

通り過ぎる車のライトを受け 立ち去る男の背中にも、異形のゴジラの背びれが並んでいるのが見える。 娘がふと、耳をすませる。

どこかで工事している音が、ゴジラの足音とオーバーラップしてゆき、
画面はエンドロールに切り替わる。

エンドロールとともにカメラは上昇していく。やがて男たちのいた路地は見えなくなる。
高層ビルが立ち並び、ネオンが命の輝きのようにきらめく世界。ふいにそれは直径100qの円形となって終わりをつげる。
そして、その周囲には、焼け焦げた大地と黒く溶解した都市の名残が、ゴジラとの戦いの果てに滅び去った人類の墓標となって佇み、その世界を囲んでいるのが分かる。
荒涼とした大地に一陣の風が吹きすさび、また今日も、永い沈黙の夜が訪れようとしている・・・。
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