[過去ログ] 【大友啓史】THE LEGEND & BUTTERFLY-レジェンド&バタフライ-【木村拓哉/綾瀬はるか】Part2 (1002レス)
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32: 2023/01/31(火)22:58 ID:ca/+pqpq(1/3) AAS
川べりの草たちを揺らす不規則な風
耳元をかすめたリズミカルな馬の蹄の低音が後ろへ後ろへと流れ余韻をうむ
黄色や紅に染まる葉は舞い、天地を包み別世界をつくり丸く一体化し訴えかける
その美しさは儚さを併せ持ち魅せ方を知り尽くす
澄み渡る夜更けにみえる過去と今を貫く永い時間の圧倒的な尊さ
敬意を呼び覚まされこの魂を確かめる
登場人物が自然とともにある景色が躍動する美しさを繊細に映し出す
それらは自分のなかの記憶を目覚めさせ寄り集まりなにかを生む
間もなくひとつひとつの色味や質感を表すための拘りと裏付けされた計算、見立て、それを全うできる知識やセンスや技術の存在に深く深く感動する
そしてそこに欠かせないエネルギーとなるのがその時代に生きた命をみせる役者の方々の存在だ
省11
33: 2023/01/31(火)22:59 ID:ca/+pqpq(2/3) AAS
知らぬ間にピッチが変わったかのように、不意打ちの戦法をかけられた観客は激動の戦国へともに流されていくのだ
やはり止めることはできなかった、かの信長節

だが、戦の様々な困難にあたり信長は悩まないわけではなかった
劣勢になれば焦りで怒り家臣を罵声し統率しようとする無茶が災いし空回りする
そんな時、濃姫と信長が敵対する気持ちを乗り越えて、ようやく協力し信頼を結ぶと、信長に精神的な力がこんこんと湧き凄みをつけ出す
信長の武将としての成長には、濃姫のことば遣いの知恵と人の心を読む洞察力とバランス力が陰なる支えとして必要だったのだと理解した
これが器用多才な濃姫のとっておきの才能だったといえよう

後に「我、人にあらず」と言いのけるほどになっていく信長に漲る自信や威勢は圧を増し、飛び出すばかりのマグマのごとく溜まっていく
しかしながら、かかげた理想の自分像に邁進するあまり、周りを見ることを疎かにし家臣の忠告など寄せつけもせず度を超えた魔王と化していく信長
もはや彼は、邪魔なものは排除するその危険な思考の先に、望む豊かな未来などないこともわからない狂人になってしまった
省8
34: 2023/01/31(火)22:59 ID:ca/+pqpq(3/3) AAS
同じ頃、重い病の床に居りつつもなにかを察したように力を振り絞り琵琶を手にして静かに意識遠のく濃姫(のこされた記録では没年はこれよりかなり後)
彼女もまた一度は愛した信長との約束を彼の命が今終わろうするそのときにそうして果たそうとした
あの離縁も濃姫ならではの信長に対する最後の愛の鞭か

孤独なレジェンド・信長とそれを支え続けたバタフライ・帰蝶とも呼ばれた濃姫だけにわかる痛いほどの思いが沁みてくる終盤である
そして、愛した濃姫が、なぜ異国に惹かれるかわかったと語ったときのあの表情が、天下を狙い魔王という鎧のなかに封印した信長の〝ひとの心〟のかけらを震わせからこそのラストシーンだったのだと私は信じている

政略結婚で始まる信長と濃姫の出会いから別れ、そして世を去る間際までの心のありようを豊かな想像力で表現し魅せる本作は、さながら戦国の世に翻弄された儚くせつない愛の狂詩曲(ラプソディー)であった

忘れられない孤高の男の肩にとまっていた1匹の美しい蝶は運命の絆が離れてもまた寄り添うことを暗示した
ならば…
二人はちがう姿で生まれ変わりこの世の何処かでまた出会っている気がしてならない
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