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超過死亡数について語るスレ Part.9 (1002レス)
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967
:
(東京都)
(バットンキン MM3b-3vTN)
2023/05/10(水)14:43
ID:rPGO6uoWM(1)
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967: (東京都) (バットンキン MM3b-3vTN) [] 2023/05/10(水) 14:43:05.84 ID:rPGO6uoWM 伊丹万作 戦争責任者の問題 https://www.aozora.g...les/43873_23111.html (『映画春秋』創刊号・昭和二十一年八月) だまされたということは、不正者による被害を意味するが、しかしだまされたものは正しいとは、 古来いかなる辞書にも決して書いてはないのである。だまされたとさえいえば、一切の責任から解放され、 無条件で正義派になれるように勘ちがいしている人は、もう一度よく顔を洗い直さなければならぬ。 しかも、だまされたもの必ずしも正しくないことを指摘するだけにとどまらず、私はさらに進んで、 「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」ことを主張したいのである。 また、もう一つ別の見方から考えると、いくらだますものがいてもだれ一人だまされるものがなかつたとしたら 今度のような戦争は成り立たなかつたにちがいないのである。 つまりだますものだけでは戦争は起らない。だますものとだまされるものとがそろわなければ戦争は起らないということになると、 戦争の責任もまた(たとえ軽重の差はあるにしても)当然両方にあるものと考えるほかはないのである。 そしてだまされたものの罪は、ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも造作なく だまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになつてしまつて いた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。 このことは、過去の日本が、外国の力なしには封建制度も鎖国制度も独力で打破することができなかつた事実、 個人の基本的人権さえも自力でつかみ得なかつた事実とまつたくその本質を等しくするものである。 そして、このことはまた、同時にあのような専横と圧制を支配者にゆるした国民の奴隷根性とも密接につながるものである。 それは少なくとも個人の尊厳の冒涜、すなわち自我の放棄であり人間性への裏切りである。また、悪を憤る精神の欠如であり、 道徳的無感覚である。ひいては国民大衆、すなわち被支配階級全体に対する不忠である。 我々は、はからずも、いま政治的には一応解放された。 しかしいままで、奴隷状態を存続せしめた責任を軍や警察や官僚にのみ負担させて、彼らの跳梁を許した 自分たちの罪を真剣に反省しなかつたならば、日本の国民というものは永久に救われるときはないであろう。 「だまされていた」という一語の持つ便利な効果におぼれて、一切の責任から解放された気でいる多くの人々の 安易きわまる態度を見るとき、私は日本国民の将来に対して暗澹たる不安を感ぜざるを得ない。 「だまされていた」といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。 いや、現在でもすでに別のうそによってだまされ始めているにちがいないのである。 一度だまされたら、二度とだまされまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。 この意味から戦犯者の追求ということもむろん重要ではあるが、 それ以上に現在の日本に必要なことは、まず国民全体がだまされたということの意味を本当に理解し、 だまされるような脆弱な自分というものを解剖し、分析し、徹底的に自己を改造する努力を始めることである。 http://krsw.5ch.net/test/read.cgi/covid19/1682136536/967
伊丹万作 戦争責任者の問題 映画春秋創刊号昭和二十一年八月 だまされたということは不正者による被害を意味するがしかしだまされたものは正しいとは 古来いかなる辞書にも決して書いてはないのであるだまされたとさえいえば一切の責任から解放され 無条件で正義派になれるように勘ちがいしている人はもう一度よく顔を洗い直さなければならぬ しかもだまされたもの必ずしも正しくないことを指摘するだけにとどまらず私はさらに進んで だまされるということ自体がすでに一つの悪であることを主張したいのである またもう一つ別の見方から考えるといくらだますものがいてもだれ一人だまされるものがなかつたとしたら 今度のような戦争は成り立たなかつたにちがいないのである つまりだますものだけでは戦争は起らないだますものとだまされるものとがそろわなければ戦争は起らないということになると 戦争の責任もまたたとえ軽重の差はあるにしても当然両方にあるものと考えるほかはないのである そしてだまされたものの罪はただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなくあんなにも造作なく だまされるほど批判力を失い思考力を失い信念を失い家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになつてしまつて いた国民全体の文化的無気力無自覚無反省無責任などが悪の本体なのである このことは過去の日本が外国の力なしには封建制度も鎖国制度も独力で打破することができなかつた事実 個人の基本的人権さえも自力でつかみ得なかつた事実とまつたくその本質を等しくするものである そしてこのことはまた同時にあのような専横と圧制を支配者にゆるした国民の奴隷根性とも密接につながるものである それは少なくとも個人の尊厳の冒涜すなわち自我の放棄であり人間性への裏切りであるまた悪を憤る精神の欠如であり 道徳的無感覚であるひいては国民大衆すなわち被支配階級全体に対する不忠である 我ははからずもいま政治的には一応解放された しかしいままで奴隷状態を存続せしめた責任を軍や警察や官僚にのみ負担させて彼らの跳梁を許した 自分たちの罪を真剣に反省しなかつたならば日本の国民というものは永久に救われるときはないであろう だまされていたという一語の持つ便利な効果におぼれて一切の責任から解放された気でいる多くの人の 安易きわまる態度を見るとき私は日本国民の将来に対して暗たる不安を感ぜざるを得ない だまされていたといって平気でいられる国民ならおそらく今後も何度でもだまされるだろう いや現在でもすでに別のうそによってだまされ始めているにちがいないのである 一度だまされたら二度とだまされまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない この意味から戦犯者の追求ということもむろん重要ではあるが それ以上に現在の日本に必要なことはまず国民全体がだまされたということの意味を本当に理解し だまされるような脆弱な自分というものを解剖し分析し徹底的に自己を改造する努力を始めることである
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