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法医学スレッド (234レス)
法医学スレッド http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/
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203: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 09:13:36.49 ID:??? 性質の遺伝性 生殖のさいに結合される両親の種が、種族の特質のみならず個人の特質まで伝えるということは、身 体の(客観的、外面的な)特質について言えば、つね日ごろ経験の教えるところであり、また昔から承 認されてきたことでもある。 人はそれぞれ、自然が彼に与えた素質に従う。 (カルトゥス) ところでこのことが精神上の(主観的、内面的な)特質についても同じように言えるかどうか、した がってこの精神上の特質もまた両親から子供に遺伝され
るかどうかということも、これまですでに再三 にわたって提起され、まず一般には肯定されてきた問題である。ところがこの場合に、父親に属するも のと母親に属するものとが分けられるかどうか、父親と母親からそれぞれわれわれが受け継ぐ遺伝の部 分が何であるかという問題になると、これはかなり難しくなる。意志が人間における本質そのものであ り、核心であり、根本であるのにたいし、知性はかかる実体における第二次的なもの、外来的なもの、 偶有性であるというのがわれわれの根本的な認識であったが、われわれがこの認識の光によって前述の 問題
を照らすならば、生殖にあたって父親が価値の優れた性、産み授ける原理として新たな生命の基盤 であり根本であるもの、つまり意志を授けるのにたいし、母親は価値の劣った性、単に受けいれる原理 として第二次的なもの、つまり知性を授けるのであり、したがって人間はおのれの道徳性や性格、好悪 心や心情を父親から受け継ぎ、これにたいしおのれの知能の程度や質、傾向を母親から受け継ぐと規定 しても、この規定は少なくともあまりまちがってはいないということを、疑問に問う以前にわれわれは 認めるであろう。ところでこういう規定は実際に経験に
よって確証されるものであるが、ただこの場合、 これを物理的な実験によって机上で決定することは不可能で、一部は多年にわたる最新で綿密な観察か ら、一部は歴史上の事実から確証されるのである。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/203
204: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 10:06:52.86 ID:??? 自分自身の経験には、完全に確実できわめて独特なものであるという長所があり、この長所は、この ような経験の範囲が限られたものでありそこに示される実例が周知のものではないということから生ず る不利な点を補って余りがある。そこでわたしは、すべての人にそれぞれまず自分の経験に訴えるよう に薦めたい。まず第一に、自分自身を観察し、自分の好悪の念〔傾向性〕や激情、精確上の欠点や弱点、 また悪徳を、それにもし自分にそれがあれば長所や美徳をもみずから
認め、つぎに自分の父親を顧みる がよい。そうすればかならず、これらの性格上の特徴を父親にも認めるであろう。ところが母親を見る と性格がまったく違っており、母親と道徳的に一致するものはきわめてまれである。つまりこの一致は、 両親の性格がたまたま等しいという特殊な事情によってのみ生ずるのである。たとえば、こういう検査 を、怒りっぽいとか、忍耐、貪欲、あるいは浪費とか、淫欲、暴飲暴食癖、賭博癖、酷薄、あるいは慈 悲とか正直、あるいは欺瞞とか高慢、あるいは愛想よさとか勇気、あるいは臆病とか温和、あるいはけ んか好きとか協
調性、あるいは怨みっぽい等々について行なってみることだ。つぎにわれわれがその人 の性格と両親をよく知っているすべての人びとに同じ検査を行なってみればよい。正確に判断し、注意 深く真面目にこれを行なえば、われわれの主張はかならず確証されるであろう。たとえば、虚言癖はか なり多くの人に固有な独特なものであるが、これも兄弟二人に同じように存在することがわかる。それ は、彼らがこの癖を父親から受け継いだからである。したがって『詐欺師とその息子』という喜劇も心 理学的に正当なことである。――しかしこの場合二つのやむをえな
い制限のあることは銘記しておかね ばなるまい。この制限を逃げ口上だと言うなら、それは明らかな曲解以外のなにものでもなかろう。す なわちまず第一に、父親というものはつねに不確かである、ということである。父親との身体上の相似 が決定的である場合にのみ、この制限は除かれるが、表面的な相似では不十分である。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/204
205: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 10:07:10.56 ID:??? というのは、以前の受胎のなごりというものがあり、そのため往々にして、再婚してできた子供でも先夫 と、また姦通 で生まれた子供が正式の夫と、わずかながらも似ていることがあるからである。動物の場合、 このなごりはもっとはっきり認められている。第二の制限は、息子には父親の道徳上の性格がたしかに現 われるが、しかしそれは、しばしば非常に違った別の知性(母親からの遺伝分)によって変化して現われ、 そのため観察を修正する必要があるということである。
この変化は、知性の相違に応じて顕著なこともあ れば、些々たるものであることもある。しかし、この変化はあまり大きくはないので、こういう変化の もとでも依然として父親の性格の根本的な特徴はじゅうぶん見分けられる程度には現われる。それは まったく違った衣装とかつらとひげで仮装した人間のようなものである。たとえば、母親から遺伝され た部分のおかげでひとりの人間の優れた知性、すなわち、反省し熟慮する能力をそなえている場合に は、父親から遺伝された激情は、この能力によって制御されるものもあれば隠蔽されるものもあり、そ のため
意図的・計画的に、あるいはひそかにしか現われない。そこで父親がたとえばまったく偏狭な頭 しかもたない場合には、父親と非常に違った現象が現われることになる。これと同様に逆の場合も起こ りうる。――ところが母親の好悪や激情が再度子供に見いだされることはけっしてない。しばしば母親 と反対の好悪や激情が現われることさえある。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/205
206: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 10:07:32.32 ID:??? 天分の豊かな息子なのにその母親が優れた精神の持ち主ではなかった例がときとして見られるとすれ ば、それは次の事情から説明されるであろう。すなわち、この母親自身その父親が粘液質であり、その ため彼女の頭脳はもともと異常に発達していたにもかかわらず、この頭脳がこれにふさわしい血液循環 の力でしかるべく刺激せられなかったということである。―この要件は、わたしがまえに第三十一章で 述べておいたものである。ところが、それにもかかわらず彼女の非常に
完全な神経組織と脳髄組織が息 子に遺伝されたのであるが、これは、息子の父親が活発で情熱に富み、心臓の鼓動も強力であったとい う事情が加わり、そのためここにようやく偉大な精神力を生みだすもうひとつの身体的な条件が生じた からである。おそらくバイロンの例がこれであったと思われる。というのは、どこにも彼の母親の精神 上の長所について言及されていないからである。――天才的な息子自身の母親は衆にすぐれた天分の持 主であるのに、彼女の母親はべつだん才女でもなかったという例の場合も同じように説明されるであろ う。つまり、彼女の
母親の父が粘液質だったのである。 たいていの人間は性格が調和を欠き、むらがあり、動揺しやすいが、これはおそらく次の事情にもと づくものであろう。すなわち、個人の出生の起源が単純なものではなく、父親から意思を、母親から知 性を受け継ぐということである。両親がたがいに異質的で肌が合わなければ合わないほど、この不調和 と内的な分裂はますます大きくなるであろう。心情で卓越している者もあれば、頭脳で卓越している者 もあるのにたいし、さらにその長所がもっぱら人柄全体の或る種の調和と統一にある人たちもいるが、 これは、次の
事情から生ずる。すなわち、彼らの場合には心情と頭脳がたがいにきわめて調和を保って おり、たがいに支えあい、高めあっているということである。この場合に想像されるのは、彼らの両親 がさぞかし琴瑟あい和していたろう、ということである。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/206
207: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 10:07:48.07 ID:??? ただいま述べた理論の生理学的な面に関しては、次の点だけをあげておこう。ブースダッハは、同一 の精神的特質が父親から来ることもあれば母親から来ることもあると誤って想定しているが、それでも (『経験科学としての生理学』第一巻・第三〇六節で)、「全体として見れば、男性的要素は発動的な生活 の規定に影響し、女性的要素は感受性に影響する」と付言しているということである。――さらにリン ネが『自然の体系』第一巻八頁で述べていることもここであげるべ
きであろう。いわく、「子を孕んだ 母親は、出産以前に、この新しく生まれる動物の生きた、髄質の原型を生みだすが、この原型は母親に 酷似しており、マルピーギの龍骨と称されるもので、植物の幼茎に似ている。出産後にこれに心臓が加 わり、この原型を分岐させて身体を形成する。というのは、鳥が孵化する卵のなかの跳点のなかに、ま ず骨髄とともに、鼓動する心臓と脳髄が現われるからである。この小さな心臓が、寒気のために静止し ているが、暖気に刺激されて動きはじめ、しだいにひろがる気泡によって体液をその輸送管に沿って圧 迫するのである
。生物のなかの生命力の根源となる点は、いわば、髄質が分岐する生命運動であって、 これが当初の生殖いらい継続して行なわれるのである。というのは、卵は母親のなかのこれから花を開 くつぼみたる髄質であって、それが独自の花を営むのは、父親から心臓が授けられてからであるが、も ともと最初から生きているからである」と。 われわれはまえに、自然が道徳の点でもまた知能の点でも人間と人間とのあいだに設けた巨大な距離 を考察し、また、性格と精神能力がまったく不変であることを知ったのであるが、これに、性格は父親 から知性は母親から
遺伝されるというここで獲得した確信を結びつけるならば、われわれは、人類を根 本的に真に純化するには、外部からよりはむしろ内部から、すなわち、説教や薫陶よりはむしろ生殖と いう方法によらねばならないという見解に達するであろう。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/207
208: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 10:09:14.74 ID:??? 動物磁気と魔術 一八一八年、わたしの主著が刊行されたころ、動物磁気ははじめておのれの存在を確保したば かりであった。しかしこの現象の説明にかんして、たしかに消極面では、つまり患者がどのよう なありさまになるかについてはいくらかはっきりしてきた。それというのも、ライルが強調した 大脳組織と神経組織の対立が、説明のための原則とされたからである。これに反し、積極面、つ まり磁力所有者という治療師にこうした現象を起こさせ
る動因は、いぜんとしてわからないまま である。そこでありとあらゆる物質による説明原則がさがしだされた。そのなかには、メスマー のいう万物に浸透する世界エーテル、シュティーグリツが原因としてかかげる磁力所有者の皮膚 からの発汗などが含まれた。それに、神経霊なども説明原則にされたが、これなどは、たんにわ からない事柄につけられた名称にすぎない。たといこの道に熟練した人の実際のやり方を知った としても、やっと真相がわかりはじめたというだけのことである。しかしわたしは、こうした磁 気現象から、わたしの学説の直接の保証を得
ようなどという気持ちはさらさらない。 しかし「過ぎ去った日は、これから来る日を教える」ということもある。あの当時から、偉大 な師である経験は、例の現象の深奥にひそむ動因はじつは磁力所有者の意志にほかならないこと を明らかにした。――もともと磁力所有者から発生した現象は、法則どおりの自然の経過にあま りにも反する結果を生むために、これはおかしいという疑いがもたれ、絶対に信じないとする者 が出てきたばかりか、かのフランクリンやラボワジエを委員とする委員会によって断罪された。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/docto
r/1241325559/208
209: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 10:09:31.65 ID:??? もっとも、この動物磁気に対抗して、第一期および第二期に行なわれたことはすべて、完全に許 容されるべきものであろう。(ただし、イギリスでつい最近まで猛威をふるった、調査ぬきの粗暴 かつ馬鹿げた断罪は別である。)ともかく今日では、洞察をもって治療にあたる者のなかで、現 象の動因が磁気所有者の意志であることについて疑いをさしはさむ者はいないとわたしは信じて いる。したがって、このことを確証する磁気所有者の無数の発言を例挙するのは余計なことであ
ろう。「欲せよ、そして信ぜよ!」というピュイセギュールおよびフランスの古い磁気所有者の 解答は、たんに時を経ても正しさを保っているばかりでなく、現象自体についての正しい洞察に まで発展した。キーザーの『大地主義』は動物磁気についての最も基本的かつ詳細な教科書だ が、この本は、磁気の動きが意志なくしては生起しえないこと、これに反し意志は外的行為なく してもあらゆる磁気的作用を起こすことができることを、じゅうぶんに指摘している。触診は意 志行為とその方向を固定し、いわば具体化するための一手段にすぎないように思われる
。この意 味でギーザー(『大地主義』第一巻三七九頁)は次のように述べ江いる。「人間の行為する活動 (つまり意志〔ショーペンハウアー〕)を最もはっきり表現する器官としての人間の手が、磁気をか けるさいの活動する器官であるかぎり、磁気的な触診が発生する。」この点については、いっそ う正確にフランスの磁気所有者ド・ローザンヌが、『動物磁気年刊』一八一四〜一六年・第四刷 のなかで、次のように述べている。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/209
210: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 10:09:46.16 ID:??? 「磁気所有者の活動は、もちろんただ意志によって拘束され ている。しかし人間は外的な知覚できる形態をもっている以上、人間の使用に供せられるものす べて、人間に作用するものすべてが、やはり外的な知覚できる形態を必ずもっていなくてはなら ない。しかも意志が作用するためには、意志は一種の行為を利用しなくてはならない。」わたし の学説にしたがえば、生体は意志の単なる現象、可視性、客体化、すなわちもともと頭脳のなか に表象として直観された意志その
ものである。したがって、触診という外的行為は内的な意志行 為と一致する。したしたとい触診が行なわれないとしても、同じことを迂路をつうじて人工的に 生起させることができる。空想が外的行為を、ときには人の存在を代用することもあるのだ。し たがって触診なしで事を行なうのはずっと困難であり、めったいに成功しない。こうした事情から してキーザーは、夢遊症患者に向かって、大声で「眠りなさい!」あるいは「そうしなくちゃい けない!」と叫ぶほうが、磁気所有者の単なる意志よりも強力に作用すると述べている。――こ れに反し、触診や外
的行為一般は、もともと、磁気所有者の意志を固定させ活動させるうえで、 誤つことのない手段であう。それというのも、身体やその器官は意志の可視性自体である以上、 意志のまったくない外的行動などはありえないからである。このことからして、磁気所有者がと きには、意識された意志の努力もなくほとんど無考えに磁気療法を施しても効果を生むことが説 明できる。一般に、磁気的に作用するのは、意志の意識や、それについての反省ではなく、純粋 にすべての表象からできるだけ分離された意志そのものである。したがってキーザーが書いた (『大地主
義』第一巻四〇〇頁以下)磁気所有者のための規則のなかにも、医師および患者が両者 の行為や苦しみについて行なうすべての思考や反省、もろもろの表象がよび起こすあらゆる外的 な印象、医師・患者間のあらゆる会話、あらゆる第三者の介在、それに日光のはいることなどが はっきりと禁止され、すべてが、共感治療についてもあてはまるように、できるだけ無意識に行 なわれるよう奨められているさまがうかがわれる。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/210
211: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 10:10:05.05 ID:??? これらすべてについての真の基礎は、ここで は意志がその本源性において物自体として活動しており、意志からは異なった領域にある第二次 的なるものとしての表象ができるだけ除外されることが要求されている。磁気をかけるにあたっ てもともと作用するのは意志であり、あらゆる外的な行為は、意志の運搬具にすぎないという真理 を事実のうえから裏づけするものは、磁気に関する最新・良質のすべての著作のなかに見いだ される。このことをここで繰り返すのは、不必要
な脱線であろう。それでもわたしは、そのうち のひとつを掲げておくことにする。それというのも、この文献がとくに異常だからではなく、意 外な人によって書かれており、そうした人の証言として独特の関心がもたれているからである。その 人とはジャン・パウルである。彼はある書簡(『ジャン・パウルの生活の真相』第八巻一二〇頁 に転載されている)のなかで次のように述べている。「わたしはある大きな会合でK夫人を、だ れにも悟られないうちにたんに意欲をこめて見ただけで眠らせてしまった。しかもそれ以前に、 K夫人は動悸がしたうえに顔面蒼白
となり、S氏が助け舟を出さなくてはならなかった。」今日 でも通常の触診では、患者の手をたんにつかんで保ち、それとともに患者をじっと見つめる方式 が大きな成果をあげている。それというのも、こうした外的な行為が、意志を一定の方向に固定 するのに適しているからである。だが、意志を他人に向かって行使しようというこうした直接の 力を、他のだれよりもまずデュポテ氏とその弟子たちが、奇妙な実験をつうじて明らかにした。 デュポテ氏らは、さらにパリで公開実験を行ない、その間に彼は、いくらかの身ぶりに支援され た単なる意志によって、
縁もゆかりもない人間を思うがままに操縦し、さらには、こうした人び とに前代未聞の奇妙な体形をとらせるにいたった。このことについての簡単の報告を、一見した ところきわめてまじめに作成されたカール・ショルの小著『磁気の奇妙な世界への最初の一瞥』 (一八五三年)が行なっている。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/211
212: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 10:10:29.35 ID:??? いま問題にしていることの正しさを別な角度から保証するものに、『ドレースデンにおける女 夢遊症患者アウグステ・Kにかんする報告』(一八四三年)がある。アウグステは、五三頁で次 のように述べている。「わたしは半分眠っていた。弟が彼の得意な曲を演奏しようとした。しか しその曲はわたしの気に入らなかったので、わたしは彼に演奏しないように頼んだ。それでも彼 は演奏しようとした。そこでわたしがこれに反抗する賢固な意志をかためたところ、弟はいくら 努
力しても、問題の曲を想起することができなくなった。」――しかしこの意志の直接の力は、 生命のない物体にまで及ぶときに最高潮に達する。このことはたしかに信じられないように思わ れるけれども、ぜんぜん別の方面から伝えられたこれにかんする二つの報告がある。すなわち、 いま紹介した『アウグステ・Kにかんする報告』の一一五、一一六、および三一八の各頁はでは、 証人の引証つきで次のようなことが述べられている。アウグステというこの女夢遊症患者は、磁 石の針をいちどは七度、つぎは四度、四回にわたってくりかえし動かしていたが、その
さい彼女は手 をいっさい用いず、単なる意志の力で、眼を針に注ぐだけで、こうしたことをやってのけたので ある。――つぎにイギリスの雑誌『ブリタニア』は、一八五一年十月二十三日付の『ガリニャー ニ通信』にのった次のような記事を紹介している。パリから来た女夢遊症患者プリュダンス・ベ ルナールは、ロンドンで開かれた公式会議の席上、たんに彼女の頭をあちこちに回すだけで、磁 石の針をそうした頭の動きをそのままに運動させた。そのさい物理学者の息子であるプリュースタ ー氏と、観衆のなかの二人の紳士が、みずから審査委員の役にあたっ
た。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/212
213: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 10:10:52.56 ID:??? わたしが物自体、すべての存在における唯一の現実、自然の中核としてかかげた意志が、人間 個人から出発して動物磁気のなかで、さらにはこれを越えて、因果の結合すなわち自然の法則に よっては説明できないようなこともなしとげるばかりか、自然の法則をいわばご破算にして、現 実に遠隔への作用を行ない、それとともに超自然的な、つまり自然に対する形而上学的支配を行 なうことを、われわれは考察してきた。したがってわたしはこれ以上に、わたしの学説を事実の
うえではっきり裏づけするものを望むことができない。そればかりか、磁力所有者のソパリ伯爵 は、疑うまでもなくわたしの哲学についていっさい知らず、おのれの経験を積み重ねてゆくうち に、『動物磁気、魂の身体、および生の精髄』(一八四〇年)という自著の題名を説明するため に、次のような熟考すべき言葉をつけ加えた。「本書の副題はいうなれば、動物磁気の流れはす べての精神的・肉体的な生の要素であり意志であり、原理であることを物理学的に証明するものと いうことになろう。」――こういうわけで、動物磁気はまさに実用的形而上学とし
て登場する。 すでに、ヴェルラムのベーコンも諸科学を分類するにあたって(『学問の一大改革』第三巻)、魔 術を、この種のものとして記述した。魔術は経験的あるいは実験的な形而上学ということにされ たのだ。――さらに動物磁気においては、物自体としての意志が登場するために、単なる現象に 属する「固体化の原理」(空間と時間)はやがて適用しなくなり、個人を分かつ境界は突破される。 磁気所有者と夢遊症患者とのあいだでは、空間はなんの境界でもない。思考および意志運動の共 通性が登場する。透視の状態は単なる現象に属し、空間と時間に
よって制約された関係である遠 近や、現在と未来を超越する。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/213
214: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 10:11:09.05 ID:??? このような事実があるために、まったく正反対の主張や偏見があるのにもかかわらず、動物磁 気とその現象はかつての魔術の一部と同じであるという意見が出てきたばかりか、これは確実な ことだとされるようになった。もともと魔術は悪名高い秘儀で、これをきびしく迫害したキリス ト教成立後の各世紀ばかりではなく、未開人をも含めた地球上の全民族によって、あらゆる時代 をつうじて信奉されて伝えられてきた。しかも魔術の悪用を、ローマ人の十二表、モーセの五 書
、それにプラトンの『法律』第一一章さえ、死罪に値するとしている。アントニウス治下の最 も啓蒙された時代のローマでも魔術がいかに大まじめに受けとられていたかは、アプレイウスが 自分に向けられた、彼の生命をもおびやかす魔術師という訴えに対して法廷で行なった、美しい 自己弁護の言葉が証明している(『魔術についての弁明』ビポンティウム版一〇四頁)。この弁明 のなかで、彼は、おのれに向けられた非難を取り除こうとけんめいに努力したけれども、魔術の 可能性をいっさい否定せず、むしろ中世の魔女裁判で行なわれるのを常としたように
、ばかばか しいほど微に入り細をうがった話をした。ただ十八世紀のヨーロッパだけが、こうした魔術信仰 について例外を形づくっている。しかもそれは、バルタザール・ベッカー、トマジウス、それに 他のいくたりかの人びとが、残忍な魔女裁判を一掃しようという善意から、あらゆる魔術は不可 能であると主張した結果である。十八世紀の哲学にも認められたこうした考えは、学者や教養あ る階層の人びとの支持を得ただけである。民衆が魔術信仰をやめなかったばかりではない。とく にイギリスでは、動と反動の法則、酸とアルカリについての法則をこえる
ようなすべての事実を とり扱うにあたって、教養ある階層の人びとは、宗教問題についての彼らの品のない炭鉱夫なみ の信仰と、トーマスあるいはトマジウス流の抜きがたい不信仰とを結合させた。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/214
215: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 12:38:34.52 ID:??? そして彼らは、天上・地上には彼らの哲学が夢想する以上のものがあることを偉大な同国人にはっ きり語らせようとはしなかった。――往時の魔術の一部は、民衆のあいだではいまでも大っぴらに、 毎日実施されている。こうした魔術は福祉に役立っている。つまり感応療法に使用されているが、 この種の治療の有効性については疑う余地がない。最も普通に実施されているのは疣の感応療法で、 これが効果があることを、慎重で経験的なヴェルラムのベーコンも、すでにおのれの
経験にもと づいて確証している(『森また森』第九九七節)。さらにこれは顔面に生ずる丹毒の治療にもしば しば効果的であるために、これなら大丈夫という確信をもつことができる。また同様に発熱のさ いの治療にも成功した例がある。――このさい本源的な動因となるものは無意味な言葉や儀式で はなく、磁気療法のときと同じく治療にあたる者の意志であることは、すでに磁気について述べ てきた以上、詳細な説明を必要としないだろう。感応療法の実例は、この種の治療となじみのな い人でも、キーザーの『動物磁気のための記録』第五巻・第三冊一〇六
頁、第八巻・第三冊一四 五頁、第九巻。第二冊一七二頁、それに第九巻・第一冊一二八頁に見いだすことができる。『感 応的手段と治療について』(一八四二年)と題するモスト博士の著書も、この問題と、当面なじ みになるうえで役立つ。――したがって、動物磁気ならびに感応療法という二つの事実は、経 験のうえから、物理的なるものとは対立する魔術的作用の可能性を確証してくれる。前世紀にお いては、物理的なるもの、すなわち把握できる因果の結びつきから導かれた作用以外のものが まったく承認されなかったために、魔術的作用は決定的に非難さ
れた。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/215
216: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 12:38:59.68 ID:??? 現代になって行なわれたこの種の見解の修正が薬学からはじまったことは、幸運であった。な ぜならこのことは同時に、意見の振り子が、まったく逆の方向にむかう強い衝動を再びもつこと はなく、われわれが粗野な時代の迷信にまたもや投げ入れられることがないことを保証している からだ。しかも、よくいわれているように、動物磁気ならびに感応療法によってその有効さが救 いだされたのは、魔術のなかのごく一部分である。同じ魔術といっても数多くある。その大部分
はさしあたり、昔と同様に有罪の判決を受けたままであるが、それとも死滅したものとみなされ る。しかし他の一部は、動物磁気と類似していることからも、少なくともありうることだと考え なくてはなるまい。ということは、動物磁気と感応療法は、治療を目的とする福祉的な作用を及 ぼすのだ。これらの作用は、魔術の歴史のなかで、スペインでいわゆる「サルダドレス」の仕事 として出現したもののやはり教会の有罪宣告をうけた作用と類似している(デルリオ『魔術論』 第三巻二〜四頁および七頁およびボディヌス『悪魔の魔術』第三巻・第二章)
。これに反し、魔 術は、ずっとひんぱんに、腐敗した意図のもとに利用されてきた。類比推理をした結果によれ ば、他人に直接作用しつつ効果的な影響を与えることのできる内在的な力は、少なくとも、他人 に有害に、破壊的に作用する点でも同様に強力であることは確かだ。したがって、動物磁気なら びに感応療法にもとずくもの以外の古い魔術が有効であるときは、これはまさしく「妖術」、 「たぶらかし」として特筆されているものであり、ほとんどの場合、魔女裁判のきっかけをつ くっている。前掲のモストの著書のなかにも、明らかに妖術とみなすべき
二、三の実例がのって いる(四〇、四一頁、それに第八九号、九一号、九七号)。またキーザーの例の記録のなかにも、 第九巻から第一二巻までつづく、ベンデ・ベンドセンの病歴をあつかったくだりに、転移させら れた病気、とりわけこれがもとで死亡したイヌの症例がたくさんのっている。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/216
217: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 12:39:14.69 ID:??? デモクリトスは「たぶらかし」をすでに知っており、これを事実として説明しようと試みたことが、 プルタルコスの『疑問の饗宴』のなかにうかがわれる(第五問、七の六)。もしここに書かれた物語 が真実であるとされるならば、魔法使いによる犯罪の謎を解く鍵となろう。この物語によれば、熱心 な魔女迫害はけっして根拠のないことではない。たしかに、魔女迫害は、ほとんど大多数の場合は誤 謬にもとづくものである。そうはいってもわれわれは、祖先の人びとが、じつは
なにごとでもな い犯罪をあのような残忍なきびしさで何世紀にもわたって迫害するほど眩惑されていたとは、考 えるべきではあるまい。こうした観点からすれば、今日にいたるまで、すべての国において、な ぜ民衆がある種の病気をがんこに「妖術」のせいであるとし、かたくなにこの考えを変えよう としないのかがわかってくる。――したがって、たといわれわれが時代の進歩の波に乗って、例 の悪名高き技術の一部を過去数世紀におけるように無益・無価値なものと考えないとしても、 ネッテスハイムのアグリッパ、ヴィールス、ボディヌス、デルリオ、それ
にビンズフェルトらの 著作にふんだんに見うけられるような、いんちき、いかさま、でたらめのごみ箱から、一条の真 理を見いだそうとするときには、他のどんな場合よりも用心が必要である。なぜなら、世界いた るところにある嘘いつわりでも、自然の法則から離脱し、ひいては自然の法則が廃止されたと宣 言されるところほど、自由に闊歩できる場所はないからである。したがってわれわれは、同じ魔 術でも真であるとされるわずか少数の魔術の貧弱な基盤の上に、このうえもないほどひどい冒険 で埋められた童話と、とてつもないしかめっつらの装飾がつい
た天までとどくような高い魔術と いう高層建築が立っているのを見ることになる。しかもこうした魔術のおかげで、血なまぐさい 残忍さが、数世紀にわたって大手を振って行なわれてきた。このように観察してくると、まった く信じられないそれこそ無限に無意味なことを人間の知性が受け入れている点や、こうしたもの をひたすら残虐・非道な行動によって封じこめようとする人間の心のあり方を、ぜひ深く心理学 的に研究してみなくてはなるまいという気持ちになる。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/217
218: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 15:26:40.71 ID:??? 動物の保護は、したがってそれを目的とする協会や警察の仕事になるわけだが、両者とも賤民ども のあの一般的な無道な仕打ちに対しては、ほとんどお手あげのかっこうだ。なにぶんにも訴えることの できない動物相手のことであり、百の残虐行為で見つかるのは一つあるかないかであり、とりわけその 刑罰が軽きにすぎるからである。最近イギリスでは苔刑が提案されたが、わたしには至当のことと思わ れる。しかし、人間と動物が本質的には同一であるという熟知の事実さえ
承認せず、誠実で理性的な仲 間の者が、人間を動物の当該部門に編入したり、あるいは人間がチンパンジーやオーラン・ウータンに 酷似していることを証明したりすると、それこそ躍起になって反駁したりするほど、はなはだ頑迷・愚 昧な学者どもや動物学者までいるありさまでは、何を賤民どもから期待できよう。 しかしほんとうに腹が立つことは、きわめてキリスト教的な考えをもった敬虔なユング=シュティリングが、 その著『幽界の光景』第二巻・第一景一五頁で、次のような比喩をあげていることだ。「突如として骸骨は 収縮して、 言いあらわしよう
のないほど不気味な小さな侏儒となった。それはちょうど、大きな女郎蜘蛛を 沸騰点 にあるビーカーに入れて、膿のような血が灼熱のなかでぐつぐつと煮えたぎったときのようであった。」 つまりこの神のしもべは、こういう恥さらしの行為を自分でやったか、あるいは平静な観察者として傍 観したのだ。――この場合、どちらでも同じことだ。――じっさい、彼はそういうことを悪いともなん とも思っていないから、話のついでに淡々として語っているのだ! これは創世記第一章、一般にユダ ヤ的自然観の影響である。これに反して、インド教徒や仏教徒にあ
っては、偉大な言葉「それはおまえ なのだ」(Tat-twam asi)が重んじられる。これは動物と人間んお内的本性が同一であることを銘記する ために、われわれの行動の基準として、どういう動物に向かってもたえず口にする必要のある言葉なの だ。――まことにいたれりつくせりの道徳ではないか!―― http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/218
219: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 15:27:07.32 ID:??? わたしがゲッティンゲン大学で勉強していたとき、ブルーメンバッハは生理学の講義で、生体解剖の おそろしい面について切々とわれわれに語った。それがいかにも残忍でおそろしいことであること、し たがってめったに用うべきではないこと、ごく重要で、直接役立つ研究にだけこの措置に踏みきるべきで あること、それを行なう場合には、科学の祭壇にささげられた残忍な犠牲が最大の利益をもたらすよ う、大講堂で最大限に公開し、あらゆる医学者を招待したうえで行わな
ければならない、と説明して くれたのである。 ――ところが今日では、どんな藪医者でもいろいろな問題を決定するために、その拷問室で残忍きわまる 動物虐待をやる権能があると思っている。じつはその問題の解決はとっくに書物に載っているのであって、 ただ彼らがあまり怠惰・無知であるために、その書物をのぞかないだけのことなのだ。昔の医者は古典的 教養によって、ある種の人間性と気品をそなえていたが、いまの医者はもはや古典の素養をもっていない のだ。いまはできるだけ早く大学に行って、そこでせめて膏薬塗りだけでも覚え、それで世間
的成功を 得ようというわけだ。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/219
220: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 15:27:39.93 ID:??? 生体解剖ではフランスの生物学者が先例を示したように思われる。そしてドイツ人はフランス人と張 り合って、しばしば大量に、罪のない動物に残虐きわまる拷問を加えるのであるが。その目的とすると ころは純理論的な、往々愚にもつかない問題を決定するためにすぎない。わたしはここにとくに憤慨に たえない二つの実例をあげたいと思うのであるが、それはけっして散発的なものでなく、似たような例 は百をもって数えることができる。マールブルクのルートヴィヒ・フィ
ック教授はその著『骨の形の原 因について』のなかで、幼い動物の眼球を摘出したことを報告している。それは何のためかといえば、 そのあとの間隙に骨が成長していくという彼の仮設を確証するためなのだ!(一八五七年十月二十四日 付「中央新聞」を見よ。) ニュルンベルクのエルンスト・フォン・ビブラ男爵が行なった非道の仕打ちは、特記するに値する。 彼がその著『人間ならびに脊椎動物の頭脳にかんする比較研究』(マンハイム、一八五四年、一三一頁 以下で、いかにもしたり顔に、不可解なほど素朴に、読者に語っているところによると、二匹
の兎を 計画的に餓死させたというのだ! しかもそれは餓死によって脳髄の化学的成分に比例的変化が起こる かどうかという、まったくのんびりした無益な研究のためなのだ! 学問のために――とおっしゃるの でしょ? いったい解剖刀や坩堝のこの先生がたは、自分がまず人間であること、科学者であることは 二の次だということを、夢にもお考えにならないのか? http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/220
221: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 15:28:06.57 ID:??? ――母親の乳を飲んで育っている無邪気な動物を南京錠やかんぬきをかけて閉じこめ、拷問にも似てじわり と餓死させながら、どうして高枕で眠れるのか? 眠っていてもびくりととび起きはしないのか? こうい うことがバイエルンでは起こるとは? バイエルンでは王子アダルベルトの保護のもとに、尊敬すべき功績 顕著な宮中顧問官ペルナー氏が、粗暴・残忍から動物を守るために全ドイツに範をたれているではないか。 ニュルンブルクには、大いに成果をあげているミュン
ヘン動物愛護協会のごときものがないのか? ビブラ の残虐行為は、たとえ阻止されえなかったとしても、罰せられずにすんだのであろうか?――このフォン・ ビブラ氏のように、まだまだ多くのことを本から学びとらねばならぬような人は、自分の知識を豊富にしよ うとして、つまりはおそらくはとうの昔に知れわたっているような自然の秘密をしぼりだすために、残忍な 方法で究極の答えをしぼりだそうと考えたり、生き物を拷問にかけようと考えたりしてはいけないのだ。と いうのは、この種の知識のためならば、哀れなよるべない動物を拷問で殺す必要は
さらさらなく、まだ他に 罪のない宝庫がいくらもあるからである。いったいなんのために哀れにも無邪気な兎を捕えて、徐々に餓死 する苦しみをなめさせるような罪なことをするのか? 研究されるべき関係について書物に記載されている ようなことを、完全にすべて熟知していないような者は、生体解剖をする資格はないのである。 すくなくとも動物にかんするかぎり、たしかにいまこそユダヤ的自然観に終止符をうつべき時であ り、われわれのなかに生きているのと変わりなく、あらゆる動物のなかにも生きている永遠の本質を正 しく認識し、保護し、尊
重すべき時である。わたしはそれを本気で言っているのであり、たとえ全ヨー ロッパがユダヤ人の教会堂で蔽われようとも、一歩もゆずる気のないことを銘記しておいてもらいたい! http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/221
222: 幸ちゃん ◆5V9dS9MYZOAP [kotchian] 2020/06/14(日) 15:28:26.87 ID:??? 動物は本質的に、また主要な点で、われわれ人間とまったく同一なものであり、その差はたんに 偶有的属性、すなわち知性にあるだけで、意志という実体にあるのではない。こういうことがわからぬ のは、あらゆる感官がめくらであるか、ユダヤ的悪臭のクロロホルムで完全に麻酔にかかっているに相 違ないのだ。世界はわれわれが使うためにこしらえたものではなく、動物はわれわれが使うための製品で はない。こういう見解はユダヤ人の教会堂や哲学の講堂にまかせておけばよ
い。この二つは、べつに本 質的に大差はないのである。これに反し上述の認識は、動物を正しく取り扱うための規則をわれわれに 手渡してくれる。狂信的にいきまく連中や坊主どもに対して、この問題ではあまり反対しないようにわ たしは勧告する。というのは、この場合、真理だけではなく、道徳までもわれわれの味方についている からである。 鉄道がもたらした最大の恩恵は、そのおかげで何百万の輓き馬が苦役を免れたことだ。―― イギリスには菜食主義者というのがいるけれども、北方に押しよせて行って、そのために白色になっ た人間が動物の肉
を必要とするということは、残念ながら真実である。しかしその場合でも、クロロホ ルムを用いたり、致命的な急所をすばやく一撃を加えたりすることで、動物たちがその死を感じないよ うにしてやるべきだ。しかもそれは旧約聖書が言いあらわしているような「憐れみ」からではなくて、 われわれのなかに生きているのと変わりなく、あらゆる動物のなかにも生きている永遠の本質に対する どうしようもない責任からである。屠殺されるあらゆる動物にはあらかじめ麻酔をかける必要があろ う。これこそ人間の名誉をそこなわない高貴なやり方と言えるだろう。
西洋の高度な科学と東洋の高度 の道徳が、このやり方ならば手に手を携えて行けるであろう。バラモン教や仏教はその掟を「隣人」に 限定することなく、「生きとし生けるもの」をその保護のもとに包容する域に達しているからである。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/doctor/1241325559/222
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