[過去ログ] 【通販放置・未完成ゲーム頒布】WILD ROSE 浅葉りな7【黒子HQ他】 (997レス)
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285: 浅葉 2014/02/16(日)08:01 ID:PjLxP/T4P(1/25) AAS
バレンタインシーズンになると、妙に町が華やかになるような気がする。
デパートのショーウィンドウなんかには赤やピンクのハートが散って、オレたちにはあんまり関係ない行事だっていうのに、なんだか心が浮足立つような気がした。
「……もうすぐバレンタインだな」
横を歩いていた緑間が、オレの視線をたどっていってくる。
「ん、そうだなー。また真ちゃん、いっぱいチョコレートもらってくんの?」
「オレとて、好きで受け取ってくるわけではないのだよ。ただ、受け取らないと彼女たちに失礼だろうと思って……」
「うんうん、わかってるって! 真ちゃん、そういうとこホント紳士的だもんなー。でも恋人としては、ちょっと不安になる部分もあるっていうかさ」
「……それは」
緑間が口ごもる。
気にするなよ、と腕を絡めた。
省3
286: 浅葉 2014/02/16(日)08:03 ID:PjLxP/T4P(2/25) AAS
オレの恋人はこんなにたくさんの人から思いを寄せられるようなイイ男で、それなのにオレにしか興味がないんだぞ……って。我ながら歪んでいるっていう自覚はあった。
「……お前の分のチョコは、もう買ってあるのだよ」
「え、そうなんだ? やった、真ちゃんの買ってくるチョコってオレが普段食べてるのとは絶対値段が一桁違う!」
「そんなに違わんだろう」
「えーでもオレが食べてるのって、一箱で一〇〇円とかのやつだぜ? 真ちゃんのくれるのってゴディバとかじゃん? あれ一箱一〇〇円ってこたないだろ」
「まあな」
「そういうのさらっと買って来てくれるとこ、好きだなー。なんか真ちゃん、だからバレンタインにモテモテなんだぜ、きっと」
「さすがにそこまで皆、現金ではない気がするのだが……」
「いやいや、オレが言うのは値段の話じゃなくってさー。なんていうの? 真ちゃんはきっと、これ選びながらオレを喜ばせようって考えてたんだろうなーって思うわけよ。そういうとこが普段から出てるんじゃないの?」
「……オレのすることにそのような解釈をするのは、お前くらいのものだと思うがな」
省6
287: 浅葉 2014/02/16(日)08:03 ID:PjLxP/T4P(3/25) AAS
緑間が口をぱくぱくさせる。
でも反論の言葉が出てこないのは、きっと、緑間も内心ではそういうことを期待していたからだろう。
まったく、素直で可愛いよなあ、と思ってしまう。
恥ずかしがったり、遠慮したりしなくたって、いつでも緑間の好きなようにさせてやるのに。
オレだって、緑間と同じくらい――いやそれ以上に、エッチなコトが好きなんだから。
「……あー。そうだ」
「なんだ、また妙なことでも思いついたのか?」
「ちょ、またってひどいじゃん。オレそんな普段から変なことばっかり考えてたりしないから!」
「ほう、そうか。期待していたのだがな?」
「期待してるのかよ」
省9
288: 浅葉 2014/02/16(日)08:06 ID:PjLxP/T4P(4/25) AAS
「何を思いついたとしても、楽しみにしているのだよ」
オレが悩んでいるのを悟ったのか、緑間が頭に手を置いてきた。
そのまま、押しつぶされるような勢いでぐりぐりとされる。
「ちょ、あんま潰すなっての! これ以上小さくなったらどうしてくれんだよ!」
「そうだな、可愛がってやろう」
「小さくならなくても可愛がれよな!」
「わかったわかった」
緑間が笑いながら、まだぐりぐりと撫でてくる。
嫌がらせまがいだけど、本人的には悪気はないんだっていうのもよくわかる。緑間は根本的に、オレに構うのが好きなんだよな。
仕方ないなとため息をついて、オレが先に諦めるのは、いつものことだった。
省6
289: 浅葉 2014/02/16(日)08:06 ID:PjLxP/T4P(5/25) AAS
まずは服を脱いで、緑間のシャツ一枚だけを羽織る。さっきまで緑間が着ていた、体温とほのかに緑間のにおいが移っているシャツに、それだけで身体が熱くなってくる。
緑間はそんなに、風呂に時間をかけない。
特にオレとしようと思っている日には。どうせ、後でたっぷりオレを甘やかしながら、一緒に風呂に入るってわかっているからだ。
だから、その間に冷蔵庫から生クリームを出して、バレンタイン用のチョコレートを湯煎して、甘めのチョコレートクリームを作る。泡だて器を使うと大変だけど、ハンドミキサーがあればこのくらいならすぐだ。
「ん……、こんなもんかな?」
オレには少し甘すぎるけど、きっと、緑間の口には合うだろう。
「……まさか、今からチョコレートを作るのか?」
にやにやしていると、後ろからのしっと緑間が体重をかけてくる。風呂から上がってそのまま、腰にタオルを巻いただけの状態のようだ。背中に布一枚へだてて、緑間の体温を感じる。
オレは手を伸ばして緑間の頭を撫でてやりつつ、ハンドミキサー分解して先の部分をを流しに放り込んだ。
「そんなわけないっしょ。だいたい、このカッコ見てよ?」
省13
290: 浅葉 2014/02/16(日)08:07 ID:PjLxP/T4P(6/25) AAS
「いいだろう、温めてやるのだよ」
言いながら、俺を抱き上げようとした緑間を止める。
「待って、これ持って行かないと……」
「……それを?」
「うん」
ボウルを抱えて、緑間を促す。
そのままオレを抱き上げて、緑間がのしのしリビングに向かう。
ソファに下ろされてから、オレはボウルに指を突っ込んだ。行儀が悪い、と怒るかと思いきや、緑間は何も言わずにオレを見ている。
「……食べ物で遊ぶのは、どうかとは思うのだが」
「ちゃんと食べれば、いいと思わない?」
省14
291: 浅葉 2014/02/16(日)08:08 ID:PjLxP/T4P(7/25) AAS
そのまま、口紅でも塗るみたいに指でクリームを延ばされ、それから、緑間の唇が降りてくる。
「ん、ぅ……」
甘くついばまれると、自然と顔が上を向いた。
緑間がそんなオレの両頬を包むようにしながら、何度も唇を合わせてくる。
そのたびに熱い舌がオレの唇をなぞって、チョコレートをなめとっていく。
その動きにも興奮して、つい、ため息をこぼした。
緑間はそれを見逃さずに、唇の隙間から舌を滑り込ませてくる。
「っ、は……ん、あぅ……」
緑間に舌を絡め取られて、頭がくらくらしてはじめたところで、指がオレのちんこの根元に添えられる。
「んぅ、あ、あっ……」
省17
292: 浅葉 2014/02/16(日)08:09 ID:PjLxP/T4P(8/25) AAS
じんじん痛むそこが、舐められているうちに、変な風に敏感になってきてしまう。
腰を揺らすと、緑間から根元を抑えられた。
「またそうやって、オレの手を使って自慰をするなどと……、オレに食べられる前に、一人で気持ちよくなってどうするのだ?」
「だって、真ちゃん……、触ってくれないんだもん」
「さっきから、だってだってと。まるで駄々っ子なのだよ」
緑間がオレの手からボウルを奪ってテーブルに置いたかと思うと、両手をつかんで、頭の上でひとまとめにした。
そのままソファにオレを押し倒して、自分も乗っかってくる。
頑丈なソファだったけど、さすがにオレたち二人の体重を支えると、ぎしりときしんだ。
「……そんなにここを、舐めてほしいのか。オレに」
緑間がゆっくりと下にずれていって、オレのちんこに顔を寄せながら尋ねてきた。
省13
295: 浅葉 2014/02/16(日)18:03 ID:PjLxP/T4P(9/25) AAS
「ん……」
苦しげに緑間が呻く。
喉の奥に当たったかと思って動きを止めると、緑間が首を振って、自分からさらに奥深くまでオレのちんこを咥えこんできた。
「ひゃ……、あ、あっ……、ダメ、真ちゃん、喉の奥のとこ、気持ちいいから……っ」
口の中でじゅぶじゅぶと音を立てているのは、緑間の唾液と、オレの先走りが混じった液体だろうか。うっすら白っぽいそれが緑間の唇の端からこぼれて、それがますますオレの熱を煽った。
「真ちゃん……っ」
我慢できなくなって、自分でも腰を揺らす。
緑間の喉の奥や、口蓋のでこぼことしたところに先っぽを擦りつけて、あられもない喘ぎをこぼした。
「や……、ダメ、出る……っ」
びくん、と身体が跳ねる。
省7
296: 浅葉 2014/02/16(日)18:04 ID:PjLxP/T4P(10/25) AAS
「それは……、その、なんかこう、いいじゃん? かわいいじゃん! 真ちゃんのちんこは特別なの!」
「そうか、オレにとってはお前の陰茎も十分に特別なのだよ。可愛いな、和成」
「ちょっ……、ちんこに向かって名前呼ぶとかマジ反則だから! 真ちゃんの意地悪! むっつりメガネ!」
「何がむっつりメガネだ。名前を呼ばれるのが嫌なら、もう呼ばないのだよ」
「そうじゃねーし! なんで、そういうこと言うんだよ! オレは真ちゃんに名前呼ばれるなら、ちんこじゃなくてオレの方見て呼ばれたいの! 名前呼ぶならそこには別の名前を付けろよ!」
「なんだ、その無茶ぶりは……、陰茎もお前の一部だろうに」
「そうだけど! なんかこう、悔しいじゃん」
「……そうか、だがそんなところに嫉妬しなくとも、お前は可愛い可愛いオレの恋人なのだから、気にすることはないのだよ」
緑間がオレの腰を抱き寄せて、ちんこの先っぽにキスしてきて、それから、下腹を唇でたどりながらへその辺りまでやってきた。
そこから顔を上げて、軽く首を傾げてオレを見つめてくる。
省10
297: 浅葉 2014/02/16(日)18:04 ID:PjLxP/T4P(11/25) AAS
「生クリームいっぱい食べたら、気持ち悪くなったりしねえの?」
「問題ない。それよりもお前がオレに舐められ過ぎて、気持ち悪いなどと言いださないかの方が心配だ」
「何を心配してんだよ。自分から思いついたプレイで気持ち悪いとか言ったりしないっての」
「そうか? だがオレは、今日はお前の全身を……、余すところなく、舐めさせてもらうつもりでいるのだよ?」
緑間が舌で、へそをくすぐってくる。
普段は自分でも触らない場所だし、なんだか、内臓に近いところに舌が触れているような感じがして落ち着かない。
「別に、どこ舐めたっていいよ」
「そうか? オレに舐められながら、妙な顔をしているように見えたのだがな……」
「それはあれじゃん、真ちゃんが、オレの内臓に近いトコ、触ってるから……」
「おかしなことを言うな。普段、内臓そのものを内側から触っているのだが」
省11
298: 浅葉 2014/02/16(日)18:05 ID:PjLxP/T4P(12/25) AAS
「うん、ちょっと思っちゃってる」
「……楽しみにしているのだよ」
緑間がぴちゃぴちゃと音を立てながら、オレの腹についたクリームを舐めはじめる。
上目づかいで見つめながら舌を使われると、舐められているのは腹だっていうのに、もどかしくなって腰が揺れた。
自分で股間に手を伸ばしたくても、抑えられていてできない。
それが緑間にもわかるんだろう。オレの腹を舐めながら、根元に指だけ添えてくる。
「ここ、は、最後だからな。食べごろになるまでは、このままにしておくのだよ」
軽く裏筋を擦られて、オレは身体をひくつかせた。
緑間はどうやら、まだまだ、メインに手を突けるつもりはないらしい。
期待に胸を躍らせながら、オレは自由になる足で緑間の股間を擦ってやった。
省13
300: 浅葉 2014/02/16(日)20:41 ID:PjLxP/T4P(13/25) AAS
1
『頼むよ〜、高尾しか頼めないんだよ! お願いされてよ〜!』
「えー……、でも出会い系サイトで募集してハメ撮り、って……、なんでまた、オレにそんな話が……?」
知り合いの雑誌編集者からかかってきた電話に、オレは思わず本音の声で答えてしまった。
予想もしていなかった依頼だ。何でも撮るとは言っているし、風俗の女の子や水商売の女の子の宣伝写真を撮ることもあるけど、素人の女の子を騙して撮影するみたいな仕事にはやっぱり抵抗があった。
なんだかんだいって、風俗にしろ水商売にしろ、向こうはプロだ。それなりの覚悟ってものがある。
『それが、やるはずだったカメラマンが急にインフルエンザで倒れちゃって。代役立てようにも、この時期、みんな忙しいらしくってさあ』
「まあ、そりゃそうでしょうねえ、今の時期はねえ」
それに、素人を撮影するような仕事、を進んでやろうっていう人間は少ない。身入りがいいわけでもないし、やっぱり抵抗はあるし。
オレもそんなのはちょっとなあ、と断る方向に気持ちが傾きかけていた。
省8
301: 浅葉 2014/02/16(日)20:43 ID:PjLxP/T4P(14/25) AAS
『大丈夫、大丈夫。ウチでお前が童貞なの知らないのなんて、誰もいないから!』
電話の向こうで、豪快な笑い声が響き渡る。オレはそれを遠くに聞きながら、深々とため息をこぼした。
――そう、秀徳高校を卒業してから五年がたち、二十三歳になった今もオレは童貞のままだった。
チャンスがなかったわけじゃない。むしろチャンスは山ほどあった。大学の写真科に進み、女の子たちからはそれなりにちやほやもされた。
でもオレの中にはずっと、高校時代に相棒だった緑間の影がくすぶっていた。軽い気持ちで何度か女の子とデートして、いい雰囲気になるところまでいったことはあったけど、必ず緑間のことを思い出した。
この年になると女っ気がなさすぎるのも不自然だっていうのもあって、実はオクテで真面目な性格だからなかなか女の子に手を出せない――ということにして、童貞なのもバラしてあった。
そうすると却って風俗を勧められることもないし、女の子を紹介されそうになっても「運命だと思える相手と付き合いたい」とロマンチスト風なことを言って断れる。
もちろん、からかいの種になることはあったけど。
でももう、諦めていた。からかわれるくらい、緑間への長い、報われることもない片思いに比べればどうということはない。
『それで、どう? いけそう?』
省9
302: 浅葉 2014/02/16(日)20:45 ID:PjLxP/T4P(15/25) AAS
「……出会い系、ねえ」
たまに広告を見ることもあったけど、あんまり出会い系には詳しくなかった。これまで特に興味を持たずにきたっていうのもある。
登録に身分証の写真が必要だっていうのにはちょっとビビったけど、まあ、これも仕事だ。生年月日だけ送ればいいらしいし、ということで顔写真以外がほとんど目隠し状態の写メを送って、登録が完了する。
「こんなので本人確認なんかできるのかね」
不思議な気持ちになるけど、まあ、全部送ってよこせなんて言われたら怖いし、このくらいでちょうどいいのかもしれない。
そんなことを思いながら、ハメ撮りの相手募集……なんていう記事を投稿する。ちょっとしたお小遣いありでーす、なんてこっちも素人を装う。
警戒されないように顔を隠した写メを添えておくと、すぐにメールが届いた。
写真を見ると、黒髪でメガネの清楚そうな女の子だ。初めてだけど大丈夫ですか、と合って、こんな子を騙すのは気が引けたから実は雑誌用の撮影であることや、謝礼はどのくらいかなどを細かく説明する。
条件を全部並べたらさすがに断られるかなと思ったけど、意外なことにOKだった。
「……真面目そうな子っぽいのになあ」
省8
303: 浅葉 2014/02/16(日)20:46 ID:PjLxP/T4P(16/25) AAS
先に部屋に入っておいて、部屋番号をメールする。向こうからはすぐに着くと返信があった。
ラブホテルって言っても結構広々とした部屋だったから、なんとなく落ち着かない。
機材を準備してテーブルに出しておいた後は、部屋の中をぐるりと探検した。
女の子に人気っていうだけあって、ベッドがナントカっていう高級な寝具メーカーのものらしくて、乗っかるとふかふかする。
大きな液晶テレビは電源を入れてみると、大音響でアダルトチャンネルが流れ始めた。こういうところはやっぱりラブホテルだ。
「……こういうの見て盛り上がったりするのかなあ」
オレにはあんまり理解できない嗜好だ。緑間だったらきっと、AVとか嫌がりそうだなと思うし……。
「って、なんで緑間のことなんか」
今は緑間のことよりも仕事だ。仕事。
とにかくさっさとそれっぽいのを撮影して、終わらせて帰ろう。そう思って、ソファに座って魚肉ソーセージのパッケージを剥く。
省15
304: 浅葉 2014/02/16(日)20:48 ID:PjLxP/T4P(17/25) AAS
言いながらオレの肩を掴んで押しのけて入ってくる緑間の左手には、相変わらずのテーピング。やっぱり本物の緑間だと改めて思った。
緑間は部屋の中に入っていって、ソファにどかっと座って腕組みをしながらオレを見つめてくる。
オレはドアにカギをかけ、慌てて緑間の方へ向かった。
「……座れ」
どうしていいかわからずに立っているオレに、緑間が自分の隣をぽんぽんと叩く。隣に座れ、ということらしい。
オレはふらふらと緑間の隣に座って、膝の上に手を置いた。そのとき、魚肉ソーセージをすっかり握りつぶしてしまっていたのに改めて気がついて、慌ててテーブルにソーセージを置く。
「腹ごしらえか? 魚肉ソーセージというのは、以前には見なかった選択肢だが……」
「あ、ううん、それは偽ちんこ用に……」
思わず正直に答えてしまう。
緑間がぴくんと片眉を跳ね上げた。やばい、緑間、すごく怒ってる。
省12
305: 浅葉 2014/02/16(日)20:49 ID:PjLxP/T4P(18/25) AAS
サクラ。
それが何なのかくらいはわかる。
出会い系サイトにいるっていう、仕込みのことだ。ああいうところは男に金を払わせて儲けるって言うシステムだから、サクラを雇ってメールを交換させて……っていうのがあるというのは聞いたことがあった。
男がやっていることもあるとは知らなかったけど、まさかそんなことを緑間がやっているなんて……。
「お前が何を考えているのかは知らないが、オレは人から頼まれただけなのだよ」
「……そう、なの?」
「ああ。サクラといっても、普通のアルバイトと同じようなものだ。決まった時間に出勤しなければならないのだよ」
「へえ……、そういうものなんだ」
「ああ。もちろん、裏稼業のようなものだ、突然欠勤すると給料から罰金が引かれるシステムらしくてな」
「水商売でもたまに、そういうの聞くよな」
省14
306: 浅葉 2014/02/16(日)20:50 ID:PjLxP/T4P(19/25) AAS
「それはオレのセリフなのだよ、なぜお前にそのようなことを説明されなければならないのだ」
「聞いたの真ちゃんじゃん!」
「それはそうだがな。それで高尾、顔は写さないというのは本当なのか?」
「ん? ああ、そりゃもちろん……、目線入れたっていいし、じゃなかったら写さないような角度から撮影したって大丈夫だし」
「よし、わかった。それなら、オレが撮影に協力してやるのだよ」
「へっ?」
緑間がオレに向きなおったかと思うと、ぐいっと肩を押してきた。
オレはわけもわからずソファの上で押し倒されてしまう。
「ちょ……、おい、真ちゃん、何言ってんだよ」
腕を突っ張って緑間を跳ねのけようとするものの、びくともしなかった。
省12
307: 浅葉 2014/02/16(日)20:53 ID:PjLxP/T4P(20/25) AAS
「撮影したいのなら、すればいいのだよ」
緑間がテーブルのカメラを掴んで、オレに渡してきた。乱暴に掴まれてドキリとしたけど、機材は無事だった。どうやら、それなりに気を遣って掴んだらしい。
「……顔は写すな。それ以外なら、何でもお前の好きにしていいのだよ」
緑間がシャツに手をかける。
オレは反射的にファインダーを覗いていた。
レンズ越しに見る緑間の指。どうしても左手にピントを合わせてしまう。
「どうした、何も言わないのか。カメラマンというのはもっとうるさくしているものだと思っていたのだよ」
緑間が笑いながら、ゆっくりとボタンをはずしていく。
まずは白い喉首があらわになる。肌着が邪魔だ、と思う。そんなもの、シャツの下に着ていないほうがずっとそそられる。
そう思いながら、何度もシャッターを切った。フラッシュが光るのを、緑間が目を細めて見ている。
省12
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