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ホモエロ小説を書くスレ一ページ目 (309レス)
ホモエロ小説を書くスレ一ページ目 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/
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93: sweet [sage] 2007/12/31(月) 00:35:29 ID:HfAAvh+c ようやくゴール地点が見えて、最後はスッと止まった。 俺と奴は降りて、出口に向かった。 俺は笑っていた。 奴も笑っていた。 お互い笑いながら、お互いを笑い合って、俺達はジェットコースターを後にした。 もう、このままで良いと思った。 俺は奴と二人で居るのが楽しい。 奴も楽しそうだ。 他には何も要らないと思った。 そう思いながら、いつのまにか時間は過ぎて行った。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/93
94: sweet [sage] 2007/12/31(月) 00:42:53 ID:HfAAvh+c 俺達は観覧車に向かった。 冬だから陽が短いのだろう、暮れが迫って来ている。 人は少し並んでいるくらいで、他に比べれば少ない方だ。 すぐに俺達の番になって、係員に誘われるようにして乗り込んだ。 ガチャンと外から鍵が掛けられた。 俺は右に、奴は左に腰掛けた。 楽しかったな、と俺は興奮気味に言った。 奴も、そうだな、と頷いた。 俺達を乗せたゴンドラが、ゆっくりと高度を上げて行く。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/94
95: sweet [sage] 2007/12/31(月) 00:55:08 ID:HfAAvh+c 僅かに時間が流れた。 俺と奴は、外の景色を眺めていた。 奴が、今日は付き合ってくれてありがとう、と口にした。 俺の方こそ、と答えた。 楽しかった。と奴は言った。 俺も、と返した。 奴が俺の方を見ていたので、俺も奴を見た。 微笑を浮かべているような、そんな目元だ。 目を合わせると、黒い瞳の中に吸い込まれそうな気がする。 少し黙ってから、ゾンビ屋敷で俺に抱き付いて来ただろ、と聞いた。 奴は案外すんなり、ああ、まあな、と言った。 怖かったのか、と俺は聞いた。 少し、と奴は答えた。 お前は、迷子になっただろ、と奴は言った。 俺は沈黙した。 しかも涙目だった、と更に付け加えられた。 だから、おあいこだろ。 俺は顔が紅潮するのを感じてから、泣いてない、と言った。 いや、泣いてた、と奴は言った。 俺は外の景色に視線を移した。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/95
96: sweet [sage] 2007/12/31(月) 01:08:40 ID:HfAAvh+c 俺は奴が握った右手の感触を思い出していた。 遠くの方に、例のお化け屋敷が見えている。 人が蟻のように小さくなっていく。 奴が、女見付けられなくて、残念だったな。と言った。 俺は黙っていた。 何だか、口にしなくても、今なら分かるような気がする。 何が分かるんだろう、と俺は考えてみる。 今日の出来事を色々と思い出してみた。 俺は奴と一緒に居てみて、嬉しいような悲しいような、 このままで居たいような居たくないような、両極端の気持ちを感じる。 まるでシーソーだ。 不安定で、どちらかに定まる事が無いのだ。 俺はある事に気が付いて、あ、と口にする。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/96
97: sweet [sage] 2007/12/31(月) 01:17:22 ID:HfAAvh+c 観覧車は四分の一くらいの高さに来ている。 奴の向こうに、オレンジ色の夕日が見える。 雲の間から、太陽が顔を覗かせている。 奴の黒の髪の毛が、夕日と同じ、黄金色に染まる。 俺の視線に気が付いて、奴は背後を見やった。 どれ、と奴は俺の隣りに席を移す。 少し俺の方に、ゴンドラが傾く。 俺は奴を見る。 奴も俺を見る。 奴の顔の半分が、黄昏色の影を落として輝いている。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/97
98: sweet [sage] 2007/12/31(月) 01:30:03 ID:HfAAvh+c 奴の左手が俺の右手に重なって、 流れるようにして奴は俺にキスをする。 キャップが床に落ちる。 俺はとりあえず目を閉じる。 触れるような、唇を食むようなキス。 その流れが自然なものかどうか、俺にはよく分からない。 そのままで居たいような居たくないような。 またシーソーだ。 強い日差しを、瞼を通して感じる。 奴の手は冷たくて暖かだ。 唇からも体温が伝わる。 呼吸音が間近で聞こえる。 奴もそんな風に感じているのだろうか。 暗闇と黄昏色との間で、俺は考える。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/98
99: sweet [sage] 2007/12/31(月) 01:37:35 ID:HfAAvh+c 観覧車というのは案外他の客の様子が見えたりするものだが、 今は上からも下からも、完全に死角になっている。 長い時間そうしていた気がする。 たったの数秒のような気もする。 奴は唇を静かに離してから、前を向く。 夕日の当たる横顔が綺麗だ。 俺も夕日を見る。 観覧車が頂上付近に来て、下りに入り始める頃には、 奴は自分の席に戻っていた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/99
100: sweet [sage] 2007/12/31(月) 01:41:34 ID:HfAAvh+c そこから遊園地を出るまで、俺達は黙っていた。 しかし、息苦しい沈黙では無かった。 何かが俺達の間にはあった。 それでいい。 遊園地を出て、俺は奴の家に遊びに行く約束をして別れた。 奴との何か、は、また今夜の出来事となる。 ―了― http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/100
101: sweet [sage] 2007/12/31(月) 01:56:37 ID:HfAAvh+c ども、sweetです。too bitter終了ー。 ところで、主人公とその相手の友人には名前が無いです。 途中で主人公が、相手の名前を叫ぶシーンがありますが、 sweetの脳内では一応、こんな名前というのはあります(笑)。 主人公は相変わらずの名無しですが… でも、適当に、好きな名前で脳内補完してあげて下さい。あと、 このお話はまだまだ続きますごめんなさい親父にもぶたれた事無いですから。 我慢して、主人公二人と、sweetに付き合ってあげて下さい。 ではまた次回、お会いしましょう。 PS.誤字脱字とおかしな文法には極力気を付けてますが、 生暖かな目で見守って頂けると嬉しいです。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/101
102: sweet [sage] 2007/12/31(月) 04:18:21 ID:HfAAvh+c 年明けてからこのスレ開く人の為に… 明けましておめでとうございます(^o^)/ http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/102
103: sweet [sage] 2008/01/02(水) 02:54:31 ID:8i/zG0yz 皆さんこんばんわ。sweetです。 sweetの絵はあんまり上手くないのですが(苦笑)、頑張って描いてみました。 こんなざっくばらんな絵でも良ければ、挿絵もいずれ…と思っています。 自分のイメージ守りたい人は見ないで下さいね(>_<;) 一ヶ月の限定公開です。 ※bitterの二人では無いですよ。年賀状用の絵です。著作権侵害禁止。 それではドゾー。皆さんが良い新年を迎えられますように。↓ http://imepita.jp/20080102/089130 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/103
104: sweet [sage] 2008/01/03(木) 00:50:33 ID:bIqtO+Ob 【作品名】sad bitter 【作者名】sweet 【作品の説明】大晦日から元旦の初日の出にかけてのお話。 いつもより短めになる予定。 大晦日に奴の家で過ごしていた主人公。 二人で出かける事になって…。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/104
105: sweet [sage] 2008/01/03(木) 01:10:33 ID:bIqtO+Ob 大晦日の夜、俺は奴の家で過ごしていた。 例のクリスマスの時の出来事以来、俺は奴の家に居る事が増えていた。 年越し蕎麦を食べながら、俺も奴も酒を飲んでテレビを見ていた。 奴手作りの蕎麦のダシは美味い。 美味い料理を食べていると酒が進む。 某歌合戦の最後の合唱が歌い終わると、画面が大晦日を過ごす 人々の映像に切り替る。 ゴーン、という鐘の音に合わせるように、画面左端の隅に、 午前零時を示す時刻表示が現れた。 明けたな。と奴が言った。 俺は、うん、とだけ答えた。 行くか。 どこに?と、俺は聞いた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/105
106: sweet [sage] 2008/01/03(木) 01:24:47 ID:bIqtO+Ob 初詣、と奴が言った。 徒歩で行ける距離に神社なんかねーだろ、と俺は言った。 奴はにやりと微笑んだだけで、何も教えてくれなかった。 その夜、俺たちはセックスをしなかった。 腹が一杯だったのと、酒が回り過ぎていたのが原因だった。 そもそも、奴とヤるのが目的でも無かったし。 新年を奴と一緒に迎えたかった。ただ、それだけだ。 俺はこたつの中に入りながら横になり、眠りについた。 隣りに奴が居るというだけで、幸福な睡眠だった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/106
107: sweet [sage] 2008/01/03(木) 01:37:23 ID:bIqtO+Ob 目が覚めた。 というか、奴が俺を揺り起こしていた。 俺はいつのまにか、奴の手を握り締めていた。 いや、奴が握っているのか。 良く分からなかったが、俺はうっすら目を開けた。 奴の顔が、後ろを電灯に、俺の顔を覗き込んでいる。 微かに微笑んでいるようだ。 行くぞ。 …どこに、と俺は少々不機嫌そうに問い返す。 聞いてなかったのか、と奴が俺の頬を数回、軽く叩いた。 初詣、と少し間を空けてから俺は答える。 こんな夜中に初詣。奴は一体何がしたいんだ。 ともかくそうして、俺は心地の良い眠りから強制送還され、 外に出る事になった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/107
108: sweet [sage] 2008/01/03(木) 02:02:14 ID:bIqtO+Ob どこに行くんだよ、と俺は奴の背中に問いを投げた。 奴は俺の質問に答える事無く、淡々と歩みを前に進めている。 俺と奴は、空が白み始めた朝の河川敷を歩いていた。 奴の住処は河の近くで、徒歩でここまで来る事が出来るのである。 しかし、徒歩でお参り出来る神社など、俺には皆目見当も付かない。 土手の上の小道を歩きながら、奴はどこかを目指して歩き続けている。 奴の秘密の場所でもあるのだろうか。 俺は上下黒のジャージ。白いライン入りだ。 奴は白いシャツに、黒のロングコートを着ている。 それから、黒いマフラーだ。 もう少しちゃんとした格好の方が良かったかもしれない。 朝の空気は凍っている。 そう表現して良いくらいに凍て付いている。 白い息を吐きながら、俺は身震いして自分の両腕を摩った。 奴の背中を見る。 こんなクソ寒い中、奴と抱き合ったりしたらどんなに暖かいんだろう。 そんな妄想が俺の脳裏に浮かび上がる程、朝は寒い。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/108
109: sweet [sage] 2008/01/03(木) 02:15:42 ID:bIqtO+Ob 俺は奴の隣りに駆け寄る。 どうして奴はいつも俺の目の前を歩いているのだろう。 不思議な男だ。 人間が出来ていて生活力があり、かつ容姿端麗で、 女の好みを語りつつ、男の俺を抱く。 そして恋人が居ない。 今は俺が奴の恋人という事になるのだろうか。 良く分からなかった。 俺は確かにこの謎が謎を呼ぶ、俺より僅か身長が上の男に抱かれはしたが、 それと付き合うという事とは別な気もする。 今から考えれば、酒にも酔っていた訳だし。 奴の様子を伺うように、奴の方を見てみた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/109
110: sweet [sage] 2008/01/03(木) 03:14:39 ID:bIqtO+Ob 奴は俺の視線に気が付いて、俺を見る。 髪の毛は黒くて、襟足は短い。 黒が奴の白い肌を引き立てるようだが、朝の冷たい空気が、 奴の像をよりくっきりと鮮明にしているみたいだ。 顎に指を添え逡巡し、寒いのか、と聞いて来た。 それから奴自身のマフラーを首から逆に巻いて外し、 俺の首に巻く。 俺はどうするでも無く、されるがままになる。 黒いマフラーは奴自身の体温で暖められて暖かい。 そしてまた歩き出す。 目を点にして奴の背中を見た。 俺はその場に呆然と立ち、己の首に巻かれたマフラーを見る。 暖かい。 確かに暖かいんだが、そうじゃ無いんだ。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/110
111: sweet [sage] 2008/01/03(木) 03:28:03 ID:bIqtO+Ob 俺が聞きたいのは、口にしたかったのは、 俺が奴の恋人なのか否かという事だ。 なのにどうしてこうも奴は、 何も言わせなくする何か、に満ち溢れているのだろう。 それのせいで俺は、何も言う事が出来なくなる。 陳腐に表現すれば、胸の奥が苦しくなるのだ。 だから、ただ黙って奴の後ろを付いて行く事に決めた。 例え奴がこれからどこに行こうとも、俺は付いて行くのだ。 奴が前で、俺が後だ。 数歩分の何かなのだ。 首に巻かれたマフラーに、首を竦めるようにして顔を埋める。 アロマみたいな奴の香りが染み付いている。 どうする事も出来ない香りが、俺を満たしている。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/111
112: sweet [sage] 2008/01/03(木) 03:51:30 ID:bIqtO+Ob 着いたぞ、と奴が言った。 そこはこっちとあっちを繋いでいる橋だ。 河川の幅はそんなに広い訳では無く、 向こう岸とこっちでは大声を出せば会話出来る程度なのだが、 奴が目指していたのはここらしい。 初詣と橋は何の関係も無い。 俺は益々分からなくなった。 この橋に何か特別な意味でもあるのだろうか。 それとも奴にとってはそうなのだろうか。 橋の真ん中辺りに向かって行く奴の後ろを歩いて行きながら考える。 そろそろだな、と奴が言った。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1198588773/112
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