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104: sweet 2008/01/03(木)00:50 ID:bIqtO+Ob(1/9) AAS
【作品名】sad bitter
【作者名】sweet
【作品の説明】大晦日から元旦の初日の出にかけてのお話。
いつもより短めになる予定。
大晦日に奴の家で過ごしていた主人公。
二人で出かける事になって…。
105: sweet 2008/01/03(木)01:10 ID:bIqtO+Ob(2/9) AAS
大晦日の夜、俺は奴の家で過ごしていた。
例のクリスマスの時の出来事以来、俺は奴の家に居る事が増えていた。
年越し蕎麦を食べながら、俺も奴も酒を飲んでテレビを見ていた。
奴手作りの蕎麦のダシは美味い。
美味い料理を食べていると酒が進む。
某歌合戦の最後の合唱が歌い終わると、画面が大晦日を過ごす
人々の映像に切り替る。
ゴーン、という鐘の音に合わせるように、画面左端の隅に、
午前零時を示す時刻表示が現れた。
明けたな。と奴が言った。
省3
106: sweet 2008/01/03(木)01:24 ID:bIqtO+Ob(3/9) AAS
初詣、と奴が言った。
徒歩で行ける距離に神社なんかねーだろ、と俺は言った。
奴はにやりと微笑んだだけで、何も教えてくれなかった。
その夜、俺たちはセックスをしなかった。
腹が一杯だったのと、酒が回り過ぎていたのが原因だった。
そもそも、奴とヤるのが目的でも無かったし。
新年を奴と一緒に迎えたかった。ただ、それだけだ。
俺はこたつの中に入りながら横になり、眠りについた。
隣りに奴が居るというだけで、幸福な睡眠だった。
107: sweet 2008/01/03(木)01:37 ID:bIqtO+Ob(4/9) AAS
目が覚めた。
というか、奴が俺を揺り起こしていた。
俺はいつのまにか、奴の手を握り締めていた。
いや、奴が握っているのか。
良く分からなかったが、俺はうっすら目を開けた。
奴の顔が、後ろを電灯に、俺の顔を覗き込んでいる。
微かに微笑んでいるようだ。
行くぞ。
…どこに、と俺は少々不機嫌そうに問い返す。
聞いてなかったのか、と奴が俺の頬を数回、軽く叩いた。
省4
108: sweet 2008/01/03(木)02:02 ID:bIqtO+Ob(5/9) AAS
どこに行くんだよ、と俺は奴の背中に問いを投げた。
奴は俺の質問に答える事無く、淡々と歩みを前に進めている。
俺と奴は、空が白み始めた朝の河川敷を歩いていた。
奴の住処は河の近くで、徒歩でここまで来る事が出来るのである。
しかし、徒歩でお参り出来る神社など、俺には皆目見当も付かない。
土手の上の小道を歩きながら、奴はどこかを目指して歩き続けている。
奴の秘密の場所でもあるのだろうか。
俺は上下黒のジャージ。白いライン入りだ。
奴は白いシャツに、黒のロングコートを着ている。
それから、黒いマフラーだ。
省7
109: sweet 2008/01/03(木)02:15 ID:bIqtO+Ob(6/9) AAS
俺は奴の隣りに駆け寄る。
どうして奴はいつも俺の目の前を歩いているのだろう。
不思議な男だ。
人間が出来ていて生活力があり、かつ容姿端麗で、
女の好みを語りつつ、男の俺を抱く。
そして恋人が居ない。
今は俺が奴の恋人という事になるのだろうか。
良く分からなかった。
俺は確かにこの謎が謎を呼ぶ、俺より僅か身長が上の男に抱かれはしたが、
それと付き合うという事とは別な気もする。
省2
110: sweet 2008/01/03(木)03:14 ID:bIqtO+Ob(7/9) AAS
奴は俺の視線に気が付いて、俺を見る。
髪の毛は黒くて、襟足は短い。
黒が奴の白い肌を引き立てるようだが、朝の冷たい空気が、
奴の像をよりくっきりと鮮明にしているみたいだ。
顎に指を添え逡巡し、寒いのか、と聞いて来た。
それから奴自身のマフラーを首から逆に巻いて外し、
俺の首に巻く。
俺はどうするでも無く、されるがままになる。
黒いマフラーは奴自身の体温で暖められて暖かい。
そしてまた歩き出す。
省4
111: sweet 2008/01/03(木)03:28 ID:bIqtO+Ob(8/9) AAS
俺が聞きたいのは、口にしたかったのは、
俺が奴の恋人なのか否かという事だ。
なのにどうしてこうも奴は、
何も言わせなくする何か、に満ち溢れているのだろう。
それのせいで俺は、何も言う事が出来なくなる。
陳腐に表現すれば、胸の奥が苦しくなるのだ。
だから、ただ黙って奴の後ろを付いて行く事に決めた。
例え奴がこれからどこに行こうとも、俺は付いて行くのだ。
奴が前で、俺が後だ。
数歩分の何かなのだ。
省3
112: sweet 2008/01/03(木)03:51 ID:bIqtO+Ob(9/9) AAS
着いたぞ、と奴が言った。
そこはこっちとあっちを繋いでいる橋だ。
河川の幅はそんなに広い訳では無く、
向こう岸とこっちでは大声を出せば会話出来る程度なのだが、
奴が目指していたのはここらしい。
初詣と橋は何の関係も無い。
俺は益々分からなくなった。
この橋に何か特別な意味でもあるのだろうか。
それとも奴にとってはそうなのだろうか。
橋の真ん中辺りに向かって行く奴の後ろを歩いて行きながら考える。
省1
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