[過去ログ] φなるあぷろーちエロパロ板(募集中) (885レス)
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852: パウリーニョ 2007/10/21(日)19:41 ID:aCQs43L5(5/5) AAS
明鐘は一瞬、驚いたような表情を見せたが、すぐにとろけるような笑顔を浮かべ、何度もうなずいた。
「うん…うん…お願い。私、兄さんに私の初めてあげたいってずっと…」
感極まった明鐘が、自分のバージンを捧げようとした、まさにその瞬間だった。
ぷるるるるるる。ぷるるるるるる。
リビングに間抜けな音が響いた。俺は、明鐘の表情が凍りつくのをはっきりと見た。
もっとも、それは俺だって一緒だろうけど…
「「…」」
ぷるるるるるる。ぷるるるるるる。
一向に間抜けな音が鳴り止む気配はない。
あれだけ燃え上がった瞬間に水を差され、明鐘は困惑しきった表情で俺を見つめている。
「で、電話…だね?」
「…」
「兄さん?で、出ないの…かなぁ…なんて?アハハ…はぁ〜」
「ふうっ!」
俺は大きく口から息を吐くと、やけくそ気味に立ち上がった。ドタドタと足音も荒く、リビング備え付けの電話に向かう。
「もしもしぃっ!水原っス!」
「やっほ〜!美紀ちゃんっス!涼〜?鐘ちゃんから誘惑されてないかにゃ〜?ガハハ…」
がちゃっ!
俺は有無を言わさず、電話を叩ききった。
「に、兄さん?誰だったの?」
後ろから明鐘の声がした。見ると明鐘は、さっきのパジャマをボタンをはめずに軽く羽織っていた。
「ん。いたずら電話みたいだ。それより、さっきの続き…」
ぷるるるるるる。ぷるるるるるる。
「…」
「に、兄さん?」
明鐘は苦笑いを浮かべて俺を見ている。たぶん、電話の相手に見当がついたんだろう。
俺は額に青筋を浮かべて受話器を引っつかんだ。
「あ、涼?いきなり切るなんてひど…」
「あのなぁ!今、何時だと思ってんだ!もう12時近いんだぞ!かけるなら家電じゃなくて、携帯にしろ!」
「んん?アンタ何をそんなにイライラしてんの?」
「…そ、そりゃあ…ね、寝てるとこ、起こされたからだよっ!文句あるか!?用事があるなら、明日の朝返事するから携帯にメールしろ!じゃあなっ!」
「あ!ちょ、ちょっと涼!?ちょ…」
ガチャン!ツーツー。
俺は受話器をたたきつけるようにして電話を切ると、明鐘に向き直った。
明鐘は相変わらず、困ったような苦笑いを浮かべて俺を見ている。
その様子はいつもの明鐘であり、さっきの艶っぽい明鐘とはまるで別人である。
先ほど、俺たちの間に漂っていた最高の雰囲気はきれいさっぱり霧散してしまったようだ。
「明鐘…その、ごめんな。その…」
「う、ううん。兄さんが悪いわけじゃないから」
「「…」」
俺たちの間に気まずい沈黙が落ちる。
いまさら、さっきの続きができる雰囲気でもなし、かといってこのまま解散というには惜しすぎる…
と、沈黙に耐えかねた明鐘が努めて明るく口を開く。
「と、とりあえず!」
「とりあえず?」
「…続きいこ?」
「…続き?」
「え?だから…野球拳…だけど?」
「ああ…そういえば…」
そういえば、そんな大義名分があったんだっけ?
今まですっかり忘れてたよ。
何はともあれ、俺たちの夜はより危険な方向へ危険な方向へと進んでいくのだった。
第4話 終わり
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