[過去ログ] ウィザードリイのエロパロ2 (452レス)
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41: ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 2005/05/01(日)22:42 ID:+Zosa2ez(12/13) AAS
<コズミックキューブ 地下3階・12>
「……あ…」
何度も階段やシュートを上り下りし、自分がどこに居るのかすら分からぬ暗闇の中で小さな声が上がった。
「何だ?」
ワードナは振り返ったが、魔女の顔は見えなかった。ダークゾーンだから当たり前だ。
「何でもありませんわ、わが殿」
魔女の返事に、ワードナは目を眇めた。
「嘘をつくな。今声を上げた瞬間、手に力がこもった」
<ダークゾーンのルール>は健在だ。
悪の大魔術師の指摘どおり、魔女は一瞬、夫の手を握る力を僅かに強めた。
「……まあ…そんなことまでお分かりに…」
魔女は意外に機嫌良さげな声を上げた。
夫が自分の変化に敏感なことが嬉しいらしい。
「むむ」
話の接ぎ穂を失ってワードナはそれ以上の追求を断念した。
―先ほどから魔女の様子がおかしいのは分かっている。
先刻<自動アイテム販売機>でクレンジングオイルを買ったときも、魔女はまったくうわの空だった。
「あ…<明るい家族計画>の自販機ですか。それなら私たちには不要ですわ、わが殿」
ワードナが財布をごそごそやり始めてから自販機に気がついたのか、魔女はとんちんかんなことを言った。
魔女が言った魔品に心当たりのないワードナは片眉をあげて妻をにらみつけたが、返答はさらにとんちんかんだった。
「あ、いえ……。たまにはそういうやり方でなさりたいのでしたら、私も別に反対は……」
大真面目な顔には、いつものような確信的な微笑がない。本当にまちがえているのだ。
根本的な間違いを指摘すると、魔女は大慌てになった。これも今までにないことだった。
……やはり問い詰めようとワードナが意を決したとき、ダークゾーンが途切れた。
「この先をいけば、あとは一本道です。手榴弾をお忘れなく、わが殿」
魔女はにっこりと笑った。
その笑顔にワードナはなにか胸騒ぎを覚えた。声をかけようとしたとき、魔女は身を翻した。
「しばしのお別れです、わが殿。すぐに―夕飯までには戻りますので、先に進んでいて下さいな」
あっけにとられる悪の魔術師の目の前を、法衣姿が闇に溶けていった。
―妻が、最強の敵に決戦を挑みに行ったことを、ワードナは知らない。
―あるいは、これが今生の別れとなるのかも知れないことも。
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