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【Wizardry】ウィザードリィのエロパロ3【総合】 (525レス)
【Wizardry】ウィザードリィのエロパロ3【総合】 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/
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198: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/20(木) 19:39:22 ID:cimTUXlD <あるエルフ姉妹の冒険 外伝U〜淫魔の迷宮〜9> −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− その頃、プリンはまだ宿屋の前を右往左往していた。 道行く人たちが、怪訝な目をして見つめるのもかまわずにうろうろと歩き回る。 「…うーん、うーん…」 どう謝れば許してもらえるのだろう。いくら考えても答えは出ない。 大切な友達と仲直りする、しかもそれが憧れの異性とくれば、 プリンにとって仲直りの方法の選択は 『宝のつまった箱を前に「歴戦の盗賊の調査」と「王宮直属の司祭が唱えた罠感知魔法の結果」が異なっていた時』 よりも厳しい選択だ。 知恵熱で倒れるのではないかというくらいにプリンの脳が空回りフル回転しはじめたそのとき、上から声がした。 「ちょっとプリンくん、あんたなにやってんのー?あがってらっしゃいなー。」 見上げると、エミールの姉であるシグルーンが、窓から軽く手を振っている。 ―――もう覚悟をきめるしかない。真正面から謝ろう!! プリンは、グッとこぶしをにぎりしめ、足を踏み出した。。 「…なるほどね、そんなことがあったんだ…」 事情を説明されたシグルーンはにこり、と微笑んだ。 この微笑にだまされてとんでもない目にあったのを思い出し、プリンが身震いする。 「エミールなら奥にいると思うわ。 いま呼んで来るから、ぱっぱとあやまって手の甲にキスの一つもしてあげるといいんじゃない?」 クスクスと笑いながら、シグルーンが寝室へ向かう。 (笑い事じゃないのに…) 口を尖らせながらも、すこし緊張がほぐれたことを感謝する。 (あとは真正面から非礼をわびて、許してもらおう。ボクにできることはそれしかない。) プリンが覚悟を決めたとき、シグルーンが神妙な顔で寝室からもどってきた。 「書置きがあったわ…迷宮にいってくるって…でもあの子の装備はほとんどこっちの部屋にあるから…」 「そ、それって…大丈夫、なんでしょうか」 プリンの問いかけに、シグルーンの表情がさらに険しくなる。 「装備がそろっていれば一人でも平気だとおもうけど… 着の身着のままで出て行ったみたいなのよ…早く探しにいかないと、まずいかもね…」 ガタッ。 椅子を倒してプリンが立ちあがる。自分の不用意な一言が招いた事態に白い肌は蒼白になり、唇は震えていた。 「す、すぐ迎えにいかなくちゃ!」 「やめなさい!あの子が危険になるエリアにたどり着く前にキミが死ぬわよ。 探索する以上人手は欲しいけれど、新米のキミに出来ることは無いわ。」 駆け出そうとするプリンに冷たい一言を浴びせ、シグルーンがクローゼットを開く。 その顔はすでに冷静で気さくで助平な姉ではなく、妹を心配する冒険者の顔になっていた。 「…ボクのせいなんです…どうしてもいかないと…」 涙をぽろぽろこぼしながらうつむいているプリン。 哀れな少年を一瞥することすらせずに装備を取り出していたシグルーンが、何かを見つけて突然声を上げた。 「プリン君!…キミ、本当に命がけでエミールを助けたいなら…こっちへきなさい。ただし、本当に命…」 シグルーンが最後まで言い終わる前に、プリンは部屋に飛びこんでいた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/198
199: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/20(木) 19:42:21 ID:cimTUXlD ヘ( `Д)ノ エロ入ったのでゆるしてください。 ≡ ( ┐ノ まだ終わりじゃないぞい :。; / もうちょっとだけつづくんじゃ http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/199
200: 名無しさん@ピンキー [sage] 2005/10/20(木) 22:37:22 ID:L6chYV4H 頑張れプリン君。超頑張れ! http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/200
201: 名無しさん@ピンキー [sage] 2005/10/20(木) 23:54:52 ID:MnfIvdql 頑張れサキュバスクィーン。超頑張れ! http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/201
202: 名無しさん@ピンキー [sage] 2005/10/20(木) 23:59:41 ID:tHnsg6nN その亀仙人の台詞からが長いし、エスカレートするんですw http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/202
203: 名無しさん@ピンキー [sage] 2005/10/21(金) 01:10:48 ID:OwlumUHC ということは宇宙船でCDSな展開も!? http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/203
204: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/21(金) 22:58:49 ID:DWbhiGZW <あるエルフ姉妹の冒険 外伝U〜淫魔の迷宮〜10> −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ああっ、あ、ああ、うあああ!!」 迷宮にエミールの悲鳴が響く。 淫魔の女王が支配する玄室は、エミール…女王…そして眷属であるサッキュバスたちが絡み合い、 むせ返るような女の匂いで溢れかえっている。 胸と胸をこすり合わせるもの、互いの股間をまさぐりあうもの、若く未熟な同属を喘がせて興奮するもの… サッキュバスの淫肉と淫肉がこすれあう部屋の中心で エミールは股間に顔をうずめた女王の舌に愛撫され、その快楽に神経を焼かれていた。 「妾の舌は心地よかろう…眷属どもの愛撫とちごうて、おぬしがいくら昇りつめても失神などさせぬゆえ、 おもうさま悶えるがよい…」 ――ぬるり。 蛇のように長い舌が、エミールの割れ目を上下になぞり、後ろの小さなつぼみをほじる。 上から下へ、下から上へと舌が動くたび、エミールは自我がごりごりと音をたてて削り落とされていくのを感じていた。 「ううあっ、ひいぃ、いぃぃぐうぅうっ!!」 何度目かわからない絶頂―――だが、気が狂いそうな快楽が続けざまにエミールを襲う。 「どうじゃ、脳が焼ききれるような快楽じゃろう。 おぬしの身体はもう悦楽を求めておる。 あとは…心が求めれば、お前は妾の眷属に生まれ変われるのじゃ」 「い、いや…そんなの…ぃひぃぃぃっ!!」 ――びちゃっ、びちゃっ、びちゃっ―― エミールが拒否の言葉を発する前に、女王の舌が速度を増した。 細く美しい黄泉の彫刻のような手が、エミールの乳首をやさしく撫で回す。 「どうした。この快楽じゃ。この快楽が永遠におぬしのモノになるのじゃ… 生まれ変わったら、迷宮の魔物や盗賊どもの伽をして、この小さな穴をほぐされるのじゃ… さ、はよう妾を受け入れよ。淫魔として生まれ変わるのじゃ…」 女王の爪が、エミールの乳首にちくり、と突き刺さる。 「いや…いや…いやだぁ…」 人知を超えた快楽にむせび泣き、悲鳴を上げながらも受け入れようとしないエミール。 しびれをきらした女王が、エミールの股間から顔を放した。 「…もうよい。ならばおぬしは…妾のための『穴』となるがよい」 ――ずるっ。 言うと同時に、女王の股間から大人の腕ほどもあろうかという巨大な一物が姿を現した。 「…い…いやあぁぁーっ!!」 自分がこれからどうなるかを悟り、悲鳴を上げるエミール。 「もう遅い…おぬしが壊れるまで嬲りつくしてくれる。迷宮の娼婦と…なるがよい!」 涙をぼろぼろ流しながら、エミールが足をばたつかせる。 「そうじゃ、その顔じゃ…愛いのう、愛いのう…」 にやりと笑った女王の一物がエミールの割れ目にあてがわれると、 哀れな少女の入り口が恐怖にきゅっ、と締まり、無駄な抵抗を試みた。 「ふふふ…おぬしのような可愛い眷属が欲しかったぞ…じゃが………ここまでじゃ」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/204
205: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/21(金) 22:59:42 ID:DWbhiGZW <あるエルフ姉妹の冒険 外伝U〜淫魔の迷宮〜11> ――ドガンッ!! 突如扉がコナゴナに砕け散り、一つの影――プリンが室内に躍り出た。 「すみませんがちょっとまってもらいます!」 透き通った声で、しかしあまり格好良くない台詞が響く。 最高の瞬間を邪魔された女王は、不機嫌そうにプリンを一瞥した。 「――無粋な童が迷い込んだようじゃな――」 「その人を、返してください。――できれば、誰も殺したくないんです」 歴戦の気迫を感じさせるどころか、新米戦士の匂いをさせているプリンの言葉に答えるように、 四方からクスクスとサッキュバスの笑いが響いた。 「ほほう、ぼうやがこの娘の男かえ?もうしばらく待てば、この娘の穴をほぐしてやったものを…」 魂を凍てつかせるような女王の挑発。 ――だがプリンは微動だにしない。 そのまっすぐな瞳にサッキュバスクイーンは眉をひそめ、 いまにも貫こうとしていたエミールをどさりと投げ捨ててプリンに向き直った。 一瞬エミールに目をやり、瞳に怒りをたたえて女王をにらみつけるプリン。 初心な少年戦士をまじまじと見つめ、女王は微笑んだ。 「……ずいぶんと良い物を装備しておるようじゃな」 「ほとんど借り物だけどね。ボクみたいな弱虫でも、これなら戦えるってさ」 ニヤリ、と不敵…というよりも可愛らしい微笑みでプリンが答える。 「なるほど、聖剣エクスカリバーにゴールドティアラ、銀の小手に銀の靴、そのアンクレットは奇跡のアンクかえ? しかし、そのみすぼらしい革鎧は美しくないのぉ」 くくく、と口に手を当てて女王は含み笑う。 確かに歴戦の冒険者として恥じない装備に混じって、鎧だけはアンバランスな革鎧だった。 だが、それでもプリンの笑みは崩れない。鎧を恥じる理由がないからだ。 「他にいくらでも鎧はあったさ… でも、これはトランプル領にあるボクの家に代々伝わる、世界に一つの鎧。 即死・ドレイン・麻痺・石化を防ぎ、被ダメージ半減の『ドラゴンの革鎧』 いや、いまは…『ちんこアーマー』だっ!!」 プリンの叫びが迷宮にこだまする。 プリンはエミールのローブを笑った己を恥じ、鎧の名を付け替えたのだ。 「……ちん……っ…ぼうや…ふざけるでないっ!」 一瞬呆気に取られた女王の手が鋭く空を裂き、どす黒い空気の刃がプリンの胴に叩きつけられる。 ――しかし、舞い上がった土煙の向こうから無傷のプリンが現れると、女王の顔から余裕の笑みが消えた。 憎らしげに歯噛みしながら女王が臨戦態勢に入るのを見届けて、 プリンはゆっくりと深呼吸をして――エクスカリバーを構えた。 「…プリン君、素敵…!!」 倒れていたはずのエミールがいつのまにか上半身を起こし、裸のまま瞳をキラキラさせてプリンを見つめていた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/205
206: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/21(金) 23:01:12 ID:DWbhiGZW <あるエルフ姉妹の冒険 外伝U〜淫魔の迷宮〜12> 「もうよいわ…恋人の目の前で、惨めにのたうち回らせてくれよう…みなの者は手を出すでないぞ!」 女王が跳躍し、戦いが始まる。 ――力の差は、歴然。 攻撃の手数も、正確さも、圧倒的に女王が押している。 とはいえ、歴戦の防具は女王の爪や牙・魔法にいたるまで全ての攻撃をことごとく弾き、プリンに致命傷を負わせることは無い。 逆にエクスカリバーは、本来ならば傷一つ与えられないであろうプリンの未熟な剣技を補って 女王に小さいながらもいくつかの傷を与えていた。 ――しかし、それでもなお女王の余裕は変わらない。 「ほほほ…装備に頼りきっておるのぅ。じゃがどれだけのハンデがあってもお前は妾には勝てぬ」 余裕の正体は、体力の差。 どちらも大差なく軽症を受け続けている。 だが、新米戦士のプリンと淫魔の女王では基本となる体力の差が大きすぎるのだ。 2人が同じだけのダメージを受け続ければ、 女王が1度倒れるまでにプリンは5回は倒れることになるだろう。 ――そう、新米戦士に勝ち目は無い。 徐々に押され始めるプリン。 体力を消耗し、動きが鈍っていくのが傍目にも見て取れる。 しかし、それでもなおプリンの笑みは真っ直ぐに女王を見据えていた。 「可愛い目をしておる…よくやったが…ここまでじゃ!」 女王がとどめの一撃をプリンに浴びせようと力を溜めた瞬間。 プリンが小さな試験管のようなものを取り出し、中身を飲み干した。 プリンの体に活力がみなぎり、戦い始めの頃の動きが戻る。 とどめの一撃を撃ち損ねた女王は間合いをとり、憎らしげに、しかしまだ余裕を持ってつぶやいた。 「…小僧、霊薬をもっておったのか…じゃが」 女王が小さな声で何かをつぶやくと、身体の傷がみるみるうちに癒えていく。 「妾も回復魔法をたしなんでおる。 ――わかるか? せいぜい数個しか持てぬちゃちな薬がきれてから、ゆっくりと嬲りつくしてくれようぞ…」 女王がふたたび、跳躍した。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/206
207: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/21(金) 23:02:18 ID:DWbhiGZW <あるエルフ姉妹の冒険 外伝U〜淫魔の迷宮〜13> −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ――どれだけの時間がたったのだろう。。 プリンも女王も、相手に与えられるのは軽症のみ。 どちらかの体力が減れば、プリンは霊薬で、女王は魔法で治癒してしまう。 霊薬がきれるのが先か、魔法が切れるのが先か。 とはいえ、どう考えても淫魔を率いる女王の魔力に 限られた数の霊薬で対抗するのは無謀。 事実、序盤は女王が余裕をみせ、プリンを翻弄していた。 しかし、いつの間にか大勢は入れ替わり、今焦りを感じているのは女王だった。 (なぜじゃ…もう持てるだけの霊薬は使い切ってしまったはず… なぜこうも数多く、際限なく霊薬がでてくるのじゃ…) 女王の疑問を読んだかのように、プリンが口を開く。 「霊薬がこんなにあるはずがない…そう思ってるんだろう? たしかにボクは弱い。装備を、霊薬を頼らなければいけないくらいにね。 でも、弱いからこそ、工夫をするんだ… このダンジョンにこもっていたら知らないだろうけれど、 ボクの祖国では、霊薬を9個ひとまとめにして持つ技術が発明されているんだよ! それにこの霊薬は、シグルーンさんがくれた特別製…通常よりも少量で大きな効果があるのさ!」 女王が驚愕に目を見開く。 これでは、9倍の霊薬を使われることになる。いや、通常よりも少量で効果があるという話が真実ならば、それ以上の差。 いくら相手が雑魚でもコレだけのハンデを背負わされて勝てる見込みは、ない。 さらに到着こそしていないものの、霊薬を作り出すほどの仲間がいるという。 相手の戦力が予想の9倍以上に膨れ上がったことに、女王は激高した。 「ええい…みなでかかれい!みなで、こやつの精気を吸い尽くしてやるのじゃ!」 次の瞬間、無数の淫魔がプリンにとびかかり、くぐもった悲鳴と共に肉の壁にプリンが押しつぶされる…はずだった。 しかし、女王自慢の眷属は姿を見せない。 ――いつの間にか周囲の闇から聞こえていた淫魔の笑い声が、止んでいた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/207
208: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/21(金) 23:06:22 ID:DWbhiGZW <あるエルフ姉妹の冒険 外伝U〜淫魔の迷宮〜14> 「なにをしておる!はよう加勢…ッ!」 周囲を見た女王の視界に、倒れたサキュバスたちがうつる。 額に焼印のようなものを押され、下をだらりとたらして白目を剥いているもの。 完全に裂け広がった陰部と肛門から小便と鮮血をたらしながら痙攣しているもの。 翼と四肢をへし折られ、キャリオンクロウラーのように這いずって逃げようとしているもの。 恐怖のあまり発狂したのか、よだれをたらしながら虚空を見つめているもの。 みな辛うじて息はあるようだが、 沈黙の魔法をかけられているのか呻き声一つ聞こえてこない。 いつのまか、エミールの隣にはシグルーンが座っていた。 「1対1でやるっていったのはあなたでしょう。クイーンを名乗るなら、正々堂々やらないとね。 ――妹を傷つけようとした報い、まだ受けていないのは…あなただけ。」 ただ一人無傷なサキュバスが、よつんばいでシグルーンの椅子にされている。 魔法か、それとも恐怖か、どのような方法で従わされているのかはわからないが ただ一人残った幸運で哀れなサキュバスはぼろぼろと涙を流していた。 「どこを見ているっ!!」 歯噛みする間もなく、女王めがけてプリンの剣が繰り出される。 (しまった!) 恐怖に顔を歪めた女王に、聖なる刃が振り下ろされた。 ――ざくっ! 「があぁっ!!」 均整のとれた胸を大きく切り裂かれ、女王が悲鳴をあげる。 もはや女王に回復の魔力は残っておらず、攻撃呪文も高価な装備にはじかれてしまう。 漆黒の翼も、鋭く美しかった爪もぼろぼろになり、全身が血で汚れていた。 対するプリンもいくつかの傷を負い、血が流れ続けていたが、 腰から霊薬の入った小さな容器を取り出し、中身を飲み干すだけで全ての傷はふさがっていく。 ようやく女王は、自分がとっくの昔に『詰んで』いたことに気付いた。 攻撃は硬い装備に阻まれ、魔法も無力。しかも相手は再現なく回復し、逃げることも出来ない。 このまま戦えば自分をまっているのは、死と消滅。 「口惜しや…よもや、ここまでやるとはの…」 「命乞いをしても無駄だぞ。エミールさんを傷つけたお前を、ボクは許さない」 最後の望み、自分の魅力による延命を求める前に見透かされて、女王は言葉を失った。 重い沈黙が迷宮を支配する。 時間が止まったような静寂。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/208
209: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/21(金) 23:07:16 ID:DWbhiGZW <あるエルフ姉妹の冒険 外伝U〜淫魔の迷宮〜15> ――突如、女王の指から巨大な火球が放たれた。 (大丈夫、ただの苦し紛れだ) 装備の加護で、巨大な火球も小さな火傷程度にしかならない。 そう判断して火球を受け止めようとプリンが構えた、そのとき。 「ガあああああああああああああああっ!!」 「…いけない!プリン君っ!!」 吼えた女王の最後の跳躍と、シグルーンが叫ぶのは同時だった。 火球に向かって跳んだ女王は、そのまま自身の身体が燃えるのもかまわずに火球を突き破り、プリンに襲いかかる。 いきなり火球による死角から女王が目前に現れ、ひるんだプリンは後ろに飛びのいたが 女王の突撃は、未熟なプリンの足捌きをはるかに凌駕している。 ――もう、生き延びることは出来ない。ならばいっそ、目の前のいまいましい少年を道連れに―― 「妾の眷属を辱め、全てを奪うというのなら!せめてこやつの命、貰って行くぞっ!!」 防御の全てを捨てた、体が砕ける勢いの捨て身の体当たりによる衝撃は、 鎧を通してプリンの内臓を破裂させ、薬を飲む間もなくプリンの体は生命活動を停止する。 女王が邪悪な笑いに顔を歪め、シグルーンが間に合わないとわかっていながら走り出し、エミールが両手で顔を覆って悲鳴を上げた瞬間。 プリンの姿が、消えた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/209
210: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/21(金) 23:09:52 ID:DWbhiGZW <あるエルフ姉妹の冒険 外伝U〜淫魔の迷宮〜16> ばかな、そう思った瞬間。 女王の足元から剣が生え ――ざくっ 事態をのみこめないままの女王を両断した。 「………!?」 なにもわからないまま、哀れな淫魔の女王は塵となって四散し、 ただ一人残ったサッキュバスが「ああっ」とか細い悲鳴を上げて失神した。 「プリン君!?…うわっ」 あわてて駆け寄ったシグルーンは、足元に穴を発見して立ち止まった。 まさか、と思いながらそっと下を見る………そこに、苦笑いのプリンが落ちている。 「さ、下がったところにピットがありました…」 小さな勇者はシグルーンを見て、エヘヘと苦笑いを浮かべた。 幸いピットは浅いもので、底に生えていた小さなトゲも鎧に阻まれていた。 冒険者を屠るためのピットがプリンの命を救い、サッキュバスクイーンの命を奪ったのだ。 よいしょ、とピットから這い上がったプリンは、座り込んだままのエミールの元へ歩み寄る。 「…エミールさん」 「こないで!!」 プリンの言葉をさえぎり、エミールが叫ぶ。 顔を覆った指の隙間からは涙がこぼれ落ちていた。 「わたし、サッキュバスに襲われて、体中べとべとだし、穢れてるし… で、でも、その、最後まではされてないけど、だけど…わたし、わたし…」 混乱して何を口走っているのかもわからなくなったエミール。 プリンは優しく微笑むと、エミールの両手を優しく握り…自分の唇でエミールの唇をそっとふさいだ。 「…!」 エミールが一瞬目を見開いて…すぐに目を閉じる。 最後の涙が一しずく、ぽろりと頬を伝って流れ落ちた。 「――キスは手の甲って言ったのに…ずいぶん大胆だこと。」 抱きしめあう2人を見て、シグルーンは満足げに微笑んでいる。 パーティを組み始めたときはどうなるかと思ったが、もう心配はないだろう。 ――どうやらいっぱしの王子さまになったみたい、ね。 「あっ、そんなところにキスしちゃだめぇ」 「汚されたところ、ボクが全部きれいにしてあげる…どこをきれいにしたらいいかな?」 「そ、そんな、あの、胸、とか、おなかとか、あの、あと、あの…ああっ、ダメ、そんなところっ ああ、でも、プリン君…ああっ、あああっ!」 前言撤回。何かおかしい。 「ちょ、ちょっとアンタたちなにやってんの!」 プリンに渡した薬の原料を思い出しながら、シグルーンは2人のところに駆け寄った。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/210
211: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/21(金) 23:14:14 ID:DWbhiGZW <あるエルフ姉妹の冒険 外伝U〜淫魔の迷宮〜17> −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 数日後、ロイヤルスイート。 「はあぁぁぁぁぁ…ボクって男は…」 プリンは落ち込んでいた。 サッキュバスクイーンと対峙したときのりりしさは、すっかりなりを潜めている。 シグルーンが開発した霊薬は、精力を増強させると同時に媚薬のような副作用をもたらした。 エミールの身体をなめ回してシグルーンに止められたプリンはすぐに正気をとりもどしたが、 自分の取ってしまった破廉恥な行動は、サッキュバスクイーンを倒した喜びを吹き飛ばして余りあるものだった。 ――エミールが怒るよりも嬉しそうにしていたのが、せめてもの救いではあるが。 「…せめて外に出られれば、気もまぎれるのに…」 窓から見える空は、抜けるような青空。 通りには人々が楽しげに歩き、広場では青空市が開催されているようだ。 しかしプリンは外に出られない。 身体の傷は全て癒えているし、体力や気力も申し分ない。髪の先から足の指先まで全てが健康そのものだ。 だが、この腰が、この腰だけが―――。 エミールのローブの改名とともに名前を戻した、先祖伝来の鎧の下は下半身丸出し。 そこには小さなペニスが青空を突くかのようにそびえ立っていた。 シグルーンの薬の副作用は精力増強。 それを一度に飲みすぎたプリンは、勃起が収まらなくなっていた。 この恥ずべき状態から脱するべくシグルーンが導き出した解毒方法は――― 『陰部が空気に触れるようにして数日放置』 朝起きると、下半身丸出し。 食事を取るときも、下半身丸出し。 暇をもてあまして剣の稽古をすれば、股間のムラマサがぷるぷる揺れる始末。 この生活は、サッキュバスクイーンを倒したことにより芽生えた、 少年の小さな自信を粉々にしてあまりあるものだった。 雑魚寝の簡易寝台にはいられないため、 エミールたちの宿泊するロイヤルスイートの一室に居候していることも彼の自尊心をより傷つけている。 *ガタッ* ドアの方から小さな音が聞こえた。 見ると、居間へ続くドアの隙間からエミールが覗き見ている。 プリンと目があったエミールは、きゃーきゃー言いながら小さな足音を立てて走り去った。 (――もう慣れてきちゃったなぁ) あと10分もすると、また覗きに来る。プリンがここに居候してからずっとこうなのだ。 プリンを気遣ってか、シグルーンは自室にこもるか外出しっぱなし。 エミールにも姉のような思慮深さがあればいいのに、と プリンは少しあきれながら、ベッドに腰掛ける。 「ああ、薬や装備に頼らなくていいくらい強くならないとなぁ…」 青い空を見上げたプリンの口からため息がもれる。 少年戦士を励ますかのように、股間のやんちゃ坊主がぷるん、と揺れた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/211
212: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/21(金) 23:15:26 ID:DWbhiGZW −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− <あるエルフ姉妹の冒険 外伝U〜淫魔の迷宮〜18> 迷宮下層。 一人のサッキュバスが、迷宮を走っていた。 女王が灰になったあの日、一番若く、そして臆病だった自分だけが無傷で残ることが出来た。 その後正気を取り戻してから必死で灰をかき集め、廃人同然になった仲間たちの看病をしながら 女王を甦らせるために冒険者たちから精を集め続けてきたのだ。 仲間も徐々に力を取り戻してきた。これで女王が甦れば――。 (ようやく精が集まったわ…あとはみんながいるあの玄室にいけば、また女王さまにお会いできる――) 女王が復活すれば、恐怖の余り同胞と共に戦わず、冒険者に服従してまで生き残った自分は処刑されるかもしれない。 それでも、女王に生き返ってほしかった。また元気で幸せな、冒険者どもの精をしぼりとるみんなが見たかった。 ――しかし、健気なサッキュバスの思いは、最悪の形で打ち砕かれることになる。 「ただいま!みんな、今から女王様を生き返らせ―――」 喜びに満ちた顔でドアを開けた彼女の目に飛び込んできたのは、あの日、仲間を壊滅させた女、シグルーン。 そして、その足元で這い蹲り、とろんとした目でよだれをたらす仲間たち。 数秒思考が停止した後、恐怖と混乱が押し寄せる。 「……ひぃっ!!」 顔を引きつらせて逃げようとするサッキュバスを、 彼女の献身的な治療により力を取り戻した仲間たちが押さえつけた。 「あなたで最後ね。…実はプリン君にあげた霊薬、あれ元々強力な媚薬だったのよ。 強力すぎて使い道のなかった媚薬を魔法で処理して、思いっきり薄めたのがあの霊薬なんだけど…」 じたばたと無駄な抵抗を試みるサッキュバスの元に、ゆっくりとシグルーンが歩み寄ってくる。 「原料の媚薬がいっぱいあまってて…人間相手だとどんなに希釈しても我を忘れて『さかっちゃう』から使えなかったけど、 あなたたち淫魔相手なら使えると思ってさ、生かしておいたわけ」 (――ああ、今度は見逃してくれないんだ) サッキュバスの顔が絶望に引きつった。可笑しくも無いのに、なぜか口元が笑うかのように歪んでしまう。 「で、まぁ淫魔相手だから希釈しないで使ってみたの。いいわねコレ。みんなで仲良くなれるわよ。 ――あら、その精気の塊…女王様を生き返らせようとしていたのかしら? 大丈夫、私がかわりに生き返らせておくから安心して頂戴。 平気よ…女王さまもすぐにあなたたちと仲良くなれるようにしてあげるから。」 緑色の禍々しい液体が、注射器によって吸い上げられていく。 引きつった笑顔で涙を流しながら、サッキュバスはシグルーンの手が伸びてくるのを見つめていた。 (ああ、いっしょ、みんな、みんなといっしょ、あは、あは、あはははヒヒひひひひヒヒ) ちくり、と腕が痛むと、サッキュバスの自我は薄れ――迷宮の闇に溶けて、消えた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/212
213: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/21(金) 23:16:35 ID:DWbhiGZW <あるエルフ姉妹の冒険 外伝U〜淫魔の迷宮〜19> −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 〜冒険者タイムス○月×日号〜 冒険者を恐れさせていた淫魔の女王、サッキュバスクイーンとその眷属が迷宮から姿を消して数日。 迷宮を徘徊する強敵が1人姿を消したことに、冒険者はどのような反応を見せているか我々はインタビューを行った。 人間・善・侍♂ 「うむ。拙者昔あの女王に煮え湯をのまされておる故、いつか『りべんじん』を果たさんと腕を磨いておったが… 何奴かに先を越されたようでござる。無念じゃ…」 ホビット・中立・盗賊♂ 「サッキュバスクイーン?ああ、前はたまに見かけたけど、おいらはすぐに逃げちゃったからね。 …え?最近姿を消した…?そりゃ大変だ!あの辺は手付かずの宝が眠ってるかもしれないぞ。すぐに仲間をあつめなくっちゃ!」 エルフ・善・僧侶♀ 「フロアを牛耳っていた淫魔たちが姿を消したのは、神のお導きにより浄化され、天へと召されたからに違いありません。 きっと今は天の国で罪を洗い流し、清らかなる魂になっていることでしょう。 ああ…私には聞こえます。生まれ変わった自分に喜ぶ彼女たちの喜びの声が…」 人間・悪・戦士♂ 「ああ!?うるせーな、知ってるよ知ってるよ。 …くそっ、迷宮で戦って力を溜めて、サッキュバスのところで気持ちよく発散するのが楽しみだったってのによ。 この有り余った力どこに持ってきゃいいんだよ。あーもう、いい女いねえかなぁ…記者のねーちゃん、これからいっしょに… …げっ!か、母ちゃん!?いや、嘘だよ、このオレがお前をほっぽって淫魔どものところに行くなんてデマ… あっ、こら!てめえ記者!メモをみせるんじゃねえ!うあ、ああ、ああーーれぇーー……」 ――淫魔たちはただ黄泉に帰っただけなのか、それとも迷宮で何かが起こっているのか―― 最近にわかに動きをみせる迷宮に、冒険者たちは動揺を隠せない様子だ。 …なお、過去に「淫魔の惨状を見た」という通報をよせていただいた読者から 「背の高いエルフ女の前で、這いずるようにして快楽を貪りあうサッキュバスたちをみた」 との目撃情報が当社に寄せられたが、高名な冒険者シグルーン氏の 「迷宮の瘴気に当てられすぎて正気を失いかけている、幻覚に惑わされて犯罪を起こす前に、休養が必要」 との見解により詳細の掲載を見合わせた。 通報をくれた読者はシグルーン氏の提案により、現在寺院に強制収容され療養中である。 冒険者タイムス記者:アニス・エッカート http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/213
214: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/21(金) 23:22:11 ID:DWbhiGZW ヘ( `Д)ノ 残り一気に投下。 ≡ ( ┐ノ がんばりました。でもよくばりすぎました。 :。; / なんだかもう、いろいろごめんなさい。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/214
215: 名無しさん@ピンキー [sage] 2005/10/22(土) 01:51:16 ID:rsjDMXN0 GJ!! wizなどでエルフ、サキュバス属性付与された俺には直球です。 俺の息子も猛烈に感謝をアピールしています。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/215
216: 名無しさん@ピンキー [sage] 2005/10/22(土) 02:06:29 ID:JBcuf5xh GJ! プリン君カコイイ! リトル勇者は超ツボ。 プリン君といい、アリソン君といい、WIZ世界は覚悟と装備と戦術で燃える展開にできるところがいい! つくづく考えてこまれたゲームだ???。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/216
217: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/22(土) 03:24:08 ID:Sty8GzS8 ありがとうございます! 変な文章になっちゃってたりすると思いますが、エロい心で許してください。 ………で、でも、どうしてもアレな訂正をひとつ。 >>209 ×生命活動を停止する。 →○生命活動を停止するだろう。 の間違いでした…なおしたはずなのに…まさに致命傷。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/217
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