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【Wizardry】ウィザードリィのエロパロ3【総合】 (525レス)
【Wizardry】ウィザードリィのエロパロ3【総合】 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/
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266: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/28(金) 23:24:30 ID:v0mBoTz7 <あるエルフ姉妹の冒険 外伝V〜盗賊の秘宝〜10> ジブンの足が大きく開かれ、その間にシグルーンが、ジブンの方を向いて座る。 ローブが脱ぎ捨てられ、ジブンは視界の下隅にシグルーンの顔と胸を見て、股間をぶるん、と振るわせた。 「ほーら、見える…?」 シグルーンが大きく足を開く。 ――が、ジブンに見えるのはシグルーンの上半身と、ヒザのあたりだけ。 一番みたい、夢にまで見た部分が見えず、ジブンは必死に首を動かそうと喘いだ。 「ふんっ、くっ、ううっ…!!」 しかし、どんなに力を込めても身体は動かない。 「うふふ、なにそれ、おかしーっ!」 さっきまで涙を流していたジブンが 今度は真っ赤な顔をして踏ん張っているのを見て、シグルーンがケラケラと笑う。 完全にジブンをからかって遊んでいるシグルーン。 笑いのツボにでも入ったのか、目の端に涙までうかべて笑い転げている。 情けないが、シグルーンの股間を見たくてしかたない、しかし動けないジブン。 そんな二人を見ていたサッキュバスが…おずおずと動いた。 ジブンの頭を優しく撫でるとにっこりと微笑み、太股の上に頭をのせてやる。 ひざまくら。 ただそれだけの事だが、それはジブンにとって大きな一歩だった。 目の前に広がるのは、女神像のような美しい、憧れの女体。 しかしその足は大きく開かれ、その間には――― 「うお、おおおっ!」 大きく足を広げて笑い転げていたシグルーンが、ジブンの声で我に帰る。 その目に映ったのは、サッキュバスにひざまくらされて、こっちを見ているジブン。 絶対に見ることは出来ない、と緩みきっていたところに不意をつかれたシグルーンの頬が赤く染まる。 珍しく恥らうエルフが慌てて股間を隠した瞬間、盗賊の股間に奇跡が起きた。 ブチン!―――限界を越えた股間の膨張に、リボンがはじけとび――― びゅっ、びゅるるっ、びゅるるるるっ……! http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/266
267: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/28(金) 23:25:11 ID:v0mBoTz7 <あるエルフ姉妹の冒険 外伝V〜盗賊の秘宝〜11> 「きゃああっ!」 飛び散った精液を避け損ねて尻餅をついたシグルーンに、 今までの恨みを晴らすかのように、大量のジブンの精液がふりそそぐ。 びちゃ、びちゃっ… 髪を、顔を、乳房を、腹を、そして開いた足間を白く汚しつくし、 ジブンの一物がようやく快楽から解放された。 「ああ、幸せだ……」 天使のような微笑で、淫魔が唇を重ねてくる。 ――だが、満足げにキスを受けいれていた自分の足元には、悪魔が降臨していた。 ぐにゃっ! 「うぎゃーっ!」 硬さを失った自分の一物が、シグルーンの足に押しつぶされる。 ぐりぐりと踏みつけてくる足に、たちまち股間が硬さを取り戻し、更なる痛みがジブンを襲った。 ――足元に、魔王が立っている。 そんな錯覚を覚え、自分が助けを求めようとサッキュバスを見る。 しかし、頼みのサッキュバスの顔からは笑顔が消え、恐怖に硬直してしまっていた。 「思いっきり溜めさせちゃって、ごめんなさいね… 本当にヤるわけにはいかないけれど、足で我慢してねっ!」 ごりっ――ぶびゅびゅっ 精子を作り出す器官が悲鳴を上げ、逃げ出そうとした精子たちが 痛みと快楽と共にジブンの一物から噴出する。 シグルーンは白濁をその足に浴びながら、 白目を剥いて、口の端から泡を吐きながら痙攣するジブンを見て満足げに微笑み――― ―――さらに足に力を込めた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/267
268: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/28(金) 23:28:05 ID:KRKXSw1W <あるエルフ姉妹の冒険 外伝V〜盗賊の秘宝〜12> (ああ、死ぬ――俺は死ぬ――) 死を覚悟したジブンは、暖かいものがのしかかったのを感じて目を開いた。 視界は肌色。いつの間にか股間の圧迫感は消えている。 一瞬の混乱の後、ジブンは己の身体の上にのしかかっているのはサッキュバスであること、 そして、その淫魔が、おそらくは自分をかばっているであろう事に気付いた。 「な、なによなによ…あんたまで死にたいの!?」 サッキュバスの身体が、ビクッと震える。 動くことのできないジブンには、シグルーンの顔は見えなかったが、 頭の後ろから背中を濡らす暖かい液体を感じ、 サッキュバスが失禁するほどの恐怖を味わっていることは理解できた。 長い沈黙を破り、口を開いたのはシグルーンだった。 「…もういいわ。ホントに死なれたら、また妹になに言われるか分からないもの。 ――帰ります。後は好きにすればいいのよ」 不機嫌そうな魔法の詠唱の後、のしかかっていたまま硬直していたサッキュバスの身体から力が抜けた。 「た、たすかったぁ…」 ジブンがつぶやく。 2人は力尽きたかの様に、しばらく迷宮に横たわっていた……。 −−−−−−−−−−−−−−−− ジブンは宿屋のエコノミールームで、ベッドに横たわっていた。 置き去りにされたのは迷宮の下層だったが、 サッキュバスが転移の指輪とジブンの服を持ってきたので帰ることが出来た。 「シグルーンさんをを嫌いにならないであげてください…これもあの人が用意したんです。 あの人は、自分を上手く表現できないだけなんです。」 正直に言えば、シグルーンに対して抱いていた 『クールで理知的な敏腕冒険者』のイメージは砕け散っていたが、 サッキュバスが渡した品の中にあった、決して少なくない金貨と『つらぬきの短剣』は 当初シグルーンが本当に詫びるつもりであったことを示していたし、 何よりも無邪気に笑い転げる姿と開いた足の間のピンクの淫肉は、ジブンの心に焼き付いて消えなかった。 誰に助けられるわけでもなく、妹を養いながら冒険しているのであろうシグルーン。 「俺が…守れば言いのかな」 輝く短剣の刀身を見つめながら、ジブンはつぶやいた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/268
269: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/28(金) 23:29:15 ID:KRKXSw1W <あるエルフ姉妹の冒険 外伝V〜盗賊の秘宝〜13> −−−−−−−−−−−−−−−− シグルーンは、一人宿屋の階段を上っていた。 探している間は、面倒なだけだった。 とりあえず迷宮に連れて行き、悪戯をしているときは、はしゃいでいた。 今は―――最低の気分だ。 部屋には妹が待っている。心配をかけるわけにはいかない。 すぐに部屋に戻り、今日は酒に溺れて眠ろう。 「ただいま」 扉を開けると、テーブルにご馳走が並んでいた。 プリン君のためとはいえ、これは少々豪勢すぎる。 (はてさて、今日は何かめでたい日だったかしら) シグルーンは首をかしげる。――特にこれといって思い当たる事は無い。 「おかえりなさーい」 台所から、笑顔のエミールとプリンが出てきた。2人で料理を作っていたらしい。 今日はどうしたの、と聞くよりも早く、プリンが口を開いた。 「シグルーンさんにちょっと冷たすぎたかなって…エミールさんと一緒に作ってみたんです。 今日はごめんなさい………いつもありがとう、って。」 見ると、エミールは顔を赤くして微笑んでいる。 シグルーンは無言で2人に歩み寄り、右腕でエミールを、左腕でプリンを、ぎゅっ、と抱きしめた。 −−−−−−−−−−−−−−−− 数日後、迷宮。 数匹のオークと、簡素な装備のパーティが戦っている。 剣と剣がぶつかり合い、弱いながらも魔法が飛びかう中、ジブンは戦っていた。 「スズメバチのように、一撃を――急所に!」 柱の影からスッ、と流れるように飛び出し、短剣でオークの心臓を貫く。 仲間を倒されて怒り狂うオークの刃を慌てて避け、ジブンは再度闇に隠れた。 闇から襲い来る盗賊の刃に脅え、目の前の相手に集中できないオークたちはたちまち数を減らしていく。 最後に逃げ出そうとしたオークの目の前に躍り出たジブンの短剣が、寸分違わずにオークの心臓を貫く。 短剣の血のりを軽くぬぐうと、ジブンはふう、と息を吐いた。 (――俺は、いつかきっと――シグルーンさんを守れる男になる! まずは修行して、訓練場で忍者になるところから、俺の冒険が始まるんだ!!) 「ジブンさーん、宝箱がありました〜」 仲間の手当てを終えた僧侶の少女が呼んでいる。 仲間たちに向かって歩き出したジブン。 彼はまさに、冒険者としての道を、そして忍者への道を、一歩一歩進んでいた――。 ――とりあえず、自分の性格が中立であることに気付くまで。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/269
270: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/28(金) 23:30:04 ID:KRKXSw1W <あるエルフ姉妹の冒険 外伝V〜盗賊の秘宝〜14> −−−−−−−−−−−−−−−− 〜冒険者タイムス○月×日号〜 いつ死ぬとも分からない冒険者の間では、仲間同士での恋愛が日常茶飯事。 このコーナーでは、そんな冒険者の恋の話を紹介していく。 今回は、まだ幼さを残す僧侶の少女を紹介しよう。 人間・善・僧侶♀ …わたし、パーティの盗賊さんのことが好きなんです。 なんていうか、いつも強くなろうと一所懸命で…何かに向かってがんばっている姿が素敵なんです。 何のために強くなろうとしているのか聞いても、教えてくれないんですけど… ええ、私、応援してます! え?もし彼が挫折したら? ―――わたしが、なぐさめてあげます。うふふ。 命がけの冒険。過酷な状況において、確かに愛は存在し、冒険者たちを支えているといえるだろう。 私も命がけの取材の中、燃えるような恋をしてみたいものである。 冒険者タイムス記者:アニス・エッカート http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/270
271: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/28(金) 23:34:40 ID:KRKXSw1W おわりです。回線ぶっちぎれてID変わってしまいました。 ヘ( `Д)ノ ほかんこの管理人様、いつもいつもまとめにくくてごめんなさい! ≡ ( ┐ノ あとオマケにエロなし本編。 :。; / 書き終わってからエロ入れる余地がないと気付きました。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/271
272: あるエルフ姉妹 ◆CWw9PQMx.g [sage] 2005/10/28(金) 23:36:01 ID:KRKXSw1W あるエルフ姉妹の冒険・名品編 「ドワーフの鍛冶屋さん、こんにちは〜、エミールですけど〜。」 「ぎくっ…なんじゃね、今日はもう店じまいじゃ、帰った帰った」 「そんなこといわないでください。今日はこれ、エクスカリバーと聖なる鎧持ってきたんです。」 「う、ううっ…名品じゃな…」 「そんな悲しそうな顔しないで。おじさんの腕を見込んで、いつもおねがいしてるんですから♪」 「あら、あんたまた調理道具買ったの?」 「包丁とまな板をつくってもらったの。やっぱり道具は、名品をそろえないとね♪」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/272
273: 名無しさん@ピンキー [sage] 2005/10/29(土) 14:39:16 ID:/IjjZqSp 聖なる鍋テラワロス GJ! http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/273
274: 名無しさん@ピンキー [sage] 2005/10/29(土) 14:39:54 ID:/IjjZqSp 鍋じゃないまな板だorz http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/274
275: 名無しさん@ピンキー [sage] 2005/10/29(土) 20:41:27 ID:90yVyDX0 誰の何がまな板ですって!?(違 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/275
276: 名無しさん@ピンキー [sage ツルペタサキュバスってどうよ] 2005/10/29(土) 21:23:04 ID:aXjuuddn むしろまな板じゃないと嫌だ(違 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/276
277: 名無しさん@ピンキー [sage] 2005/10/31(月) 03:47:02 ID:3lX2kBTt リルガミンの危機! 宝物殿の奥、我が一族が守り続けてきたダイヤモンドの騎士の装備が いま、封印をとかれる――!! 包丁 フライパン なべ まな板 ナイフ&フォーク 皿 ;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/277
278: 名無しさん@ピンキー [sage] 2005/10/31(月) 20:24:15 ID:LF6tdAfo >>277 ティルトウェイトを唱えるナイフ&フォークならとりあえず持っていく http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/278
279: ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 [sage] 2005/10/31(月) 22:53:22 ID:/c6IiQl+ >>271 GJ!足コキ(足ふみ?)エロす。 何気にジブン君、女僧侶とサキュバスの二人に気に入られてるのね。 善と悪と両方のシチュでハーレムパーティ組める・・・。 女僧侶が今回のサキュバスと遭遇したら・・・争奪戦?! 中立シーフは成長も早いし、前半戦はめっちゃ美味しいポジションだったりしますね。 >>277 包丁 (ハースニール) まな板 (コッズアーマー) フライパン (コッズシールド) お鍋 (コッズヘルム) 鍋つかみ (コッズガントレット)はどうでしょう? 擬人化したらめっちゃ家庭的な娘さん軍団になりそう・・・。 人気薄なコッズアーマーにも、貧乳という新たな萌え要素が加わり、 コッズヘルムは「おナベ」で男装麗人要素が加わる!! でも6人とも愛のエプロン並みに料理ベタだったりして・・・w http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/279
280: 名無しさん@ピンキー [sage つるぺたサキュバス禿萌エス] 2005/10/31(月) 23:05:09 ID:gFJeS4p6 料理下手な擬人化コッズシリーズ(*´∀`)=3 ハァハァ http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/280
281: 175 [sage] 2005/11/01(火) 00:45:48 ID:4xTri2p0 >>271 自分の手に白いものが付いています。 どう見ても精液です。本当にありがとうございました。 そしてこれから先友好的なサキュバスを見逃す事が多くなりそうです。 >>280 英語で書くとKOC… _ト~T○ まだちょっとちんこ痛い… http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/281
282: 名無しさん@ピンキー [sage] 2005/11/04(金) 09:36:54 ID:s2ux6GV1 誰も来ないダンジョンの奥深くでただ一人生き残った恥ずかしがり屋のくノ一が、 なりふり構わずACを下げるため、すすり泣きながら全裸になる話をキボンヌ http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/282
283: ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 [sage] 2005/11/06(日) 00:30:51 ID:QzGWQ/ww <地下11階 第三の質問・1> 「わあ、大きな沼!」 藪の中の小道を降りていった先に広がる水地に、少女は目を丸くした。 確かに、少年も見たことがないくらいに広い。 水がもう少し澄んでいたら、湖と言われても頷いてしまうかもしれなかった。 「何かいるかな?」 ワードナは淵を覗き込んだ。子供の好奇心は生き物に向けられる。 水底にゆらめく沈水植物の中に動く影を見つけ、少年は目を輝かせた。 「何? 何かいるの?」 「魚かなあ、ナマズだったらいいなあ」 この間釣り上げた沼魚をフライにしたときの美味しさを思い出し、少年は呟いた。 「釣るの?」 少女はこわごわと水面を見る。 魚は──さばいて料理するのなら得意だ。ナマズ料理だって自信がある。 しかし、少女が圧倒的な自信を持っているのは、魚籠に入った食材に対してであって、 こんな水の中を泳ぎ回る元気な生物に対してではない。 「うーん、エサはあるかな?」 少年はきょろきょろと辺りを見回した。 ほどなく沼に注ぎ込む溝を見つけたワードナは、大きなザリガニを捕らえることに成功した。 「大きなはさみ……」 少女は後ずさりした。 食用のエビならば、たとえ1フィートもあるものだって恐くも何ともない。たとえ生きていても。 しかし、食べられない生物──ザリガニは毒ではないが水っぽくて泥臭い──は女の子の領分ではない。 「それ、どうするの?」 少年の手の中で、ロブスターの半分もないが倍も攻撃的な赤いはさみが振り上げられ、少女はもう一歩後退した。 「うーん。こいつの尻尾をちょんぎって、腹の肉をエサにするんだ。ナマズの大好物」 少女は卒倒しかけた。 昨日の晩、全く同じ工程を経て手長エビの下ごしらえをしたことはついぞ思い出さない。 「いや、怖い。やめようよ」 泣き出しそうな声の少女に、ワードナはびっくりした。 「う、うん、わかったよ」 少女の反応に、ワードナは頷いて同意する以外に方法はなかった。 「えーっと……」 なんとなく、自分が失点を重ねたような気がして、少年は再度まわりを見渡した。 ちょうどそのとき、足元をのそりと横切ろうとした生き物をすばやく捕らえる。 こいつは今まで見たこともないくらいの大物だ。 きっと少女も目を丸くするに違いない。 少年は意気揚々とそいつを持ち上げた。 「──ほら、ヒキガエル!」 たしかに少女は目を丸くした。泣き声交じりの悲鳴を上げる直前まで。 「……いやぁっ! ぬるぬる、いやぁっ!!」 叫ぶなり、逃げ出した少女を呆然と見送ったワードナ少年は、 「……ぬるぬる、嫌いなんだ……」 とつぶやいたが、少女を追ってあわてて駆け出した。 あんまり慌てたので、少年はヒキガエルを持ったままで。 ──ゲコ。 罪のない生き物は少年の手の中で迷惑そうに一声鳴いたが、意外とおとなしく連れ去られた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/283
284: ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 [sage] 2005/11/06(日) 00:32:26 ID:QzGWQ/ww <地下11階 第三の質問・2> 少女はどっちに逃げたのか──ワードナはきょろきょろとあたりを見渡した。 デートの相手は、かなりの健脚だった。逃げ足は、もっと速い。 ……デート! (そうだ、今日はただの遊びじゃなくて、デートだったんだ) 少年は臍をかんだ。 逢引なるものがどんな手順を踏むものなのか、よくはわからないが、 つまりそれは、ザリガニやヒキガエルよりも、もっといいものを見たり聞いたりするように思えた。 そんなものが、どこにあるのか? 少年は、少女を追うことと、少女が喜びそうなものを見つけることの両方を考えなければならなかったが、 どちらを優先するかは悩まなかった。 少女を探しながら、「何か素敵なもの」も探せばよい。 ──楽観は、わんぱく少年の特権だ。 そして幸運の女神は、そういう小さな蛮勇を愛でることがけっこう多い。 ほどなくワードナは、少女の足跡と、「何か素敵なもの」の両方を見つけた。 木の根や蔦が生い茂り、ちょうどトンネルの入り口のようになっている場所の前に落ちていた一輪の花は、 少女が髪に刺していたものの一本に間違いなかったし、 そこからちょっと行ったところからちらりと見えた「あれ」は、少女も十分気に入るものにちがいなかった。 少年は、後者の方に先に近づきたい欲望を抑え、大人の腕の太さの木の根が複雑に絡み合う空間を覗き込んだ。 「おーい!」 森の中に少年の声が木霊する。思ったよりも木の根の迷宮は深いようだ。 向こうで確かに音がする。 怒った少女はどんどん奥に行ってしまったようだった。 少年は四つん這いになって追いかけようとした。 ──ゲコ。 手の中のヒキガエルが、お役御免を主張した。 少年は少し考え──結局、持っていた袋に包んだヒキガエルを懐に入れた。 少女に嫌がらせをする気は毛頭なかったが、なんとなく、その選択が必要に思えたからだ。 虜囚の身分から解放されなかった哀れな生き物は、しかし、それほど暴れることなく粗末な麻袋に詰め込まれた。 木の根と蔓の迷宮は、下にふかふかの枯葉が敷き詰められていたので、少女でも楽に進むことができた。 よくわからないが、ここを進めば、「あれ」を見られる特等席に行けるように思えた。 本当は、少年と二人で眺めることができたら、ずっと良かったのだけれども。 わんぱくな男の子は、デートの何たるかもわかっていない。 でもその男の子といっしょにいない、というのは、なんてつまらないんだろう。 木の根を潜り抜ける時も離さないでいる籐のバスケットを見て、少女はため息をついた。 ──たぶん、一人で見ても、つまらないだろう。 ──一人でお弁当を食べたら、もっとつまらないだろう。 ──少年は追いかけてきてくれるだろうか。 色々と考え始めた少女の進行速度がのろのろしたものになった。 曲がりくねった通路の中で、ひときわ太い木の根の下を潜り抜けようとした少女が凍りついたのは、次の瞬間だった。 ワードナは、軽快な動きで木の根の通路を進んでいた。 こういうものは、男の子の得意分野だ。 分厚い枯葉のところどころに何か──ちょっと不器用で、おそらくは可愛らしい動きをする生物が通った跡がある。 少女をどうやって謝ろうか、それは難題だ。 そもそも、何が問題だったのかが今一わからない。 考え事に耽りながら、ひょいと木の根の下を潜り抜けた少年の目の前が、突然真っ暗になった。 「むぐう──?」 岩か木にぶつかったのかと思ったが、それはもっと柔らかいものだった。 ──布に包まれた、暖かい何か。少年が触れたことのない感触。 思いがけない経験に、たっぷり二秒硬直した少年は、ゆっくりと後ろに下がって正体不明のものを見極めようとした。 1フィート下がる。──紺色の、何か。 2フィート下がる。──下のほうに靴の裏が二つ付いている。 3フィート下がる。──四つん這いでこちらに突き出されている、修道女見習いの服にくるまれた、少女のお尻。 ワードナは鼻血を噴き出した。 少年がぶつかった少女のお尻は、まだ硬い幼さを残していたが、 未来にたっぷりと実るはずのものの一部が宿り始めていたので、鼻血の原因は、ぶつかった衝撃ではない。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/284
285: ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 [sage] 2005/11/06(日) 00:33:46 ID:QzGWQ/ww <地下11階 第三の質問・3> 「──ご、ごご、ごめん!」 這いつくばった体勢からもう一歩分後ろに下がろうとして、ごつん、と後頭部を木の根にぶつける。 少女が振り向いた。──蒼白な顔は、引きつっている。 「──?」 小さな唇がぱくぱくと何事かを訴えようとしているが、声にならない。 少年は慌てて這い寄った。 木の根の下の通路はそこだけ幅が狭く、しかも曲がりばなだったので、 二人が並ぶことはできなかったが、隙間からのぞく光景で状況はわかった。 少女の目の前、石の上に、巨大なムカデが鎮座している。 1フィートもある黒い毒虫は、少女はおろか、少年にとっても強敵だった。 手など噛まれたら、腫れ上がるくらいでは済むまい。 木漏れ日で温まった石の上が良いのか、大ムカデはそこから動こうとはしなかったが、 時々頭を持ち上げて空気の動きを探っている。 無数の赤い足がうごめく様を間近に見れば、少女が凍りついたわけもわかる。 下手な刺激を与えれば、怒った毒虫は容赦なく飛び掛ってくるだろうし、 少女がそれを避けることに期待するのは、絶望的だ。 「ゆっくりと、下がれる?」 少女はふるふると首を振った。四肢は、恐怖で固まりきっている。 パニックを起こさないでいるだけでも、えらいと思わなければなるまい。 退却が無理そうなことはわかったが、追い払うにしろ、逃げるにしろ、少年が前にでなければどうにもならない。 なにか棒のようなものがあれば──いや、この狭い隙間越しでは難しい。 使える空間は、木の根越しの半フィートもない隙間や、両手足を付いている少女の下。 少女の、意外なボリュームがあるお尻が少年を邪魔する。 少年はこちらも四つん這いのまま、はたと考え込んだ。 しかし、多くの物語がそうであるように、苦境の姫君を救わんとする勇者には、役に立つ仲間がいるものだ。 ──少年の懐の麻袋からのそりと這い出たヒキガエルは、そのまま悠々と少女の横の隙間を通り抜け、 接近に触覚を震わせて威嚇するムカデを長い舌を伸ばして捕らえ、あっさりと飲み込んでしまった。 「……」 「……」 「──ゲコ」 ヒキガエル自身の体長より長いくらいの蟲は、美味ではないが量的には結構な獲物ではあった。 少年の懐に押し込められ、望まない旅に付き合わされた報酬としては、まずまずと言える。 ヒキガエルは、自分を振り回してくれた暴君と、その仕える女王をゼラチン質の目玉でじろりと睨むと これ以上何かをさせられる前に、藪の中にのそのそと消えていった。 あっけない幕切れに、少女と少年は顔を見合わせた。 「あの、その、──ごめん」 何に対しての謝罪かは、ちょっと言えなかった。 鼻先に、少女の感触が残っている。──少年の身体にはない不思議な柔らかさ。 「──あ、ありがとう」 助けてもらった少女のお礼の対象は、はっきりしている。 しかし、少年の言葉に匹敵するほどにぎこちないのは、お尻への衝突を今更ながら思い起こしたからだ。 自分の真後ろ──お尻の後ろに少年がいることに、少女は真っ赤になる。 少女の羞恥を森の空気が伝え、少年もすぐに真っ赤になった。 風邪、熱病、リンゴ病──古来、ほっぺたが赤くなる病気は、すべて伝染病と決まっている。 「……ヒ、ヒキガエルも、役に立ったね」 「……そ、そうね、カエルさんもいいひとなのね」 縦列のまま、おたがいあらぬ方角に視線を向けながら、とりとめのない会話が続いたが 事態は一向にすすまない。──当たり前だ。 「……ええと、その──進む? 引き返す?」 少年は意を決して、状況打破に動いてみた。 「……も、もうちょっと行けば、「あれ」が近くで見られるところに出ると思うの」 少女はもじもじしながら答えた。 「あ、君も「あれ」を見たの?」 「うん、森の向こうに、ちらっと。──とても綺麗」 「僕もちらっと見た。逃げていないといいなあ」 「き、きっと、二人で行けば見られるような気がする……」 少年がちょっと息を呑む気配が伝わってきた。 「──いっしょに、行く? ここ、通り抜けて」 「うん!」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/285
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