[過去ログ] 【Wizardry】ウィザードリィのエロパロ3【総合】 (525レス)
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(1): ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 2005/10/10(月)11:10 ID:oBCF+umJ(1/7) AAS
<地下11階 第一の質問・1>
「……待った?」
「──ううん、今来たところ」
女の子がそう聞いてきたら、男の子はこう答える。
ワードナ少年は、おそらくエセルナートで数百万回も交わされただろう挨拶をうまくやりとげた。
(「いただきます」と「めしあがれ」と同じ、だと思うんだっけ)
「男の子と女の子と待ち合わせ」において、
女の子が必ず遅れてくることも、男の子がそれをとがめてはいけないことも、いまひとつ納得がいかないが、
どうやら、それはこの世界を統べる根源的なルールの一つであるらしい。
さしあたっては、少年の年齢では、この返事を暗記すればいいようだった。
ものすごくぎこちない、まさに棒読みのセリフだったが、
それを聞いた修道女見習いの少女が、にっこり笑ったのを見ると、どうやら合格らしい。
──そんなごちゃごちゃとした感想はすぐに吹き飛んだ。
少女の笑顔を前にして。
ワードナは、最初の挨拶をうまくやり遂げることができるだろうか、と言う不安から解き放たれると、
すぐにもっと根源的な問題が舞い戻ってきたことに気がついた。
──胸がすごくドキドキする。昨晩は眠れなかった。
昨日の夕方に声を掛けられたときは、心臓が止まるかと思った。
きっと、「あの時」以来はじめて顔を合わせたからだろう。
明日いっしょに遊べるか、と聞かれたときはもっとびっくりした。
朝から待ち合わせて一日遊びに行くことと、少女がお弁当を作ってくると決まったときには、ほとんど呆然としていた。

(ワードナのバカ!バカ!すけべ! ──大きくなったらお嫁さんになってあげる!!)

「あの時」の別れ際、少女が投げかけた声を思い出して、ワードナは身じろぎした。
「──どうしたの?」
少女が屈託のない笑顔を向ける。
いつもながらすごく可愛いい。天使よりもずっとずっと美人。
(こんな子が僕のお嫁さんになってくれたら──)
ワードナは頭を振った。自分の考えすぎだ。きっと。
あれは、少女が深い考えがあって言った台詞ではあるまい。
独りよがりの想像を少女に悟られなかっただろうかと、びくびくしながら返事をする。
「ううん、なんでもない。──何処行こっか?」
「森の奥がいいかな。今まで行ったことのないところに連れてって!」
「うん!」
ワードナもにっこり笑った。
遊び場所は、はじめて見つけるところのほうが、わくわく感が増す。
わんぱくな少年は、森の中で通ったことのない道を幾つか目星をつけていた。
あの道の先にはきっと何かがある。
修道女見習いの少女が気に入るような素敵な何かがあればいいのだが。
先頭に立って歩き出そうと、少女の前を通るときに、少年は思わず立ち止まった。
少女の美貌をこっそり横目で眺めようとした視界に、何か新鮮なものが入ってきたからだ。
「あれ……」
少年は、小首をかしげた。
「なあに?」
少女も、小首をかしげる。
その乙女心が、これに少年が気付いてくれるか否かで、ひそかに大揺れなことをワードナは知らない。
「……花?」
ちゃんと気付いてくれた。少女は満面の笑みを浮かべた。
おバカですけべだけど、こういうところが少女の心を掴んで離さない。
──意を決してデートに誘って本当によかった。
少女の内心を知らず、少年は、ぽかんと口を開けてその笑顔に見入った。
少女の髪に挿された、ふうわりと優しい色の花。
だが、少年はそれを褒める言葉を口にすることができなかった。
賞賛の言葉を期待して待っていた少女の視線がとがりかけて、──すぐにもっと優しくなごんだ。
少年が、ピンクの花と同色だが、もっと素晴らしい色合いのものに魅入られているのに気がついたからだ。
少女の桜色の唇。
ワードナは、生まれてはじめて女の子とキスをしてみたいと切実に思った。
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