[過去ログ] 戦隊シリーズ総合カップルスレ 3 (1001レス)
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113: 遺跡に咲く花 2006/04/09(日)04:04 ID:6UUlDPkC(7/8) AAS
「――悪かった・・・な。」
「え?何が?」

少女の身体を拭いてやり、俺はリュックから自分の上着を取り出すと、
そっと少女の肩に掛けてやった。

「いや、それは・・だって・・・無理矢理あんなことしちまったからだよ!」
「うーん?でも、変な感じだったけど何か気持ち良かったし・・別にいいよ?」

首を傾げられて何事もなかったかのように言われると逆に悲しくなってしまう。

「・・まったく。他のヤツに絶対そんなこと言うなよな・・・」
「わかった!真墨とだけね!」

そう言って笑うと少女は俺の肩に頭をポンと乗せてきた。
本当かよ・・・と呆れ顔を浮かべながらも悪い気がしないのはなぜなんだろう。

「・・・あ、そういえばお前の名前どうしようか?」
「え、うーん・・じゃあ、真墨が決めて!」
「俺が!?」
「そう!真墨が決めるの!」

そう言ってにっこり笑った笑顔は、遺跡のそばに咲いていた菜の花の可愛らしさと
この遺跡を照らす月の穏やかさを思わせた。

「じゃあ・・・・・・菜月。お前の名前は間宮菜月だ。」
「な・つ・き?」
「そう、菜の花の菜に、空にある月で菜月。
間宮は俺の尊敬する江戸時代の探検家の苗字だ。」
「間宮菜月・・・。うん!ありがとう!嬉しい〜。」

そう言って菜月は俺の胸に顔をうずめた。
俺はそんな可愛らしい黄色い花をしっかり抱き締める。

「このまま誰かわからなくてもいいけどな・・・」
「え?真墨何か言った?」
「いや、何でもない・・・」

俺たちはそのまま寄り添って遺跡の中で一晩眠った。
隣で安らかな寝息を立てる菜月の髪を撫でながら心の中で呟く。

―俺はお前がどこの誰だかわからなくてもずっとお前と一緒にいるよ。
 もしも、お前がいるべき場所に戻って離れてしまう日が来たとしても。
 それまでは俺の傍にいてずっと笑っててくれ・・・。 
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