[過去ログ] 戦隊シリーズ総合カップルスレ 3 (1001レス)
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810: 恋一夜 9 2006/09/09(土)02:30 ID:osPUkgsQ(10/12) AAS
マサキさんとキョウコさんのことは、その日初めて聞いた。チーフは多くを語らず、
昔の仲間を二人、目の前で失ったとだけ言った。その時のチーフはやけに苦しげで、
二人がチーフにとってどんなに大切な存在だったかは朧げながら理解できた。
次の日の朝が早い蒼太くんが帰っても、酔ったチーフを一人にできなくて、
私はチーフの部屋にいた。できることなら一晩中でも傍にいたいと思ったけれど、
そんなことができる筈などないと思ってもいた。
それがあんな形で現実のものになったのは、私が心の何処かでそうなることを
望んでいたからなのだろうか。
抱きしめられて、キスをされて。チーフの腕の中でもがいたけれど、私を組み敷いた
チーフの目に宿る色が抵抗をやめさせた。
私の知っているチーフは、そこにはいなかった。
――灯りを、消してもらえませんか…?――
それ以上チーフの顔を見ているのが怖かった。チーフに望まれるなら
何もかも預けてしまえると思ったけれど、チーフが本当に求めるものが何なのかを
知りたくなかったから。
――…ああ――
チーフは私の望んだ通り、部屋の灯りを消してくれた。けれど私が何を本当に望んでいるのか、
チーフはきっと永遠に気づかない。
初めて私を求めてくれた人が本当に欲したのは、「私」ではなかった。
惹かれたのは、その強さ。揺るぎない自信。
けれど愛しいのは、その、弱さ。
「チーフ…」
その背中にしがみつく。思わず立てた爪が痛みを覚えさせはしないかと微かに思いながら、
私はチーフを受け入れた。
あれから半年が過ぎた。こうしてチーフに抱かれるようになって、伝えられないままの想いが
どんどん膨れ上がっていくことに気づきながらも、私はどうすることもできずにいる。
もしもあの秋の日、一緒にいたのが私でなかったら。
「さくら」
――チーフはきっと、その誰かを抱いただろう。
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