[過去ログ] 戦隊シリーズ総合カップルスレ 3 (1001レス)
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947: 名もなき詩 2006/10/09(月)21:01 ID:Ze0ovNYc(3/7) AAS
 抱きかかえるようにして連れ帰り、僕の部屋へと迎え入れる。
とにかく暖まらせようと思ってバスタブに湯を張り、風呂場に案内した・・・
のはいいんだけど、もうかれこれ1時間になる。水音も聞こえなくなったし、
少し心配になって、浴室のドアを叩いた。下心がないと言ったら嘘になるけど、
それ以上に、いまは菜月ちゃんを目の届くところにおいておきたい。

「菜月ちゃん、大丈夫?・・・ごめんね、入るよ。」
菜月ちゃんは、バスタオルを巻いて、バスタブの縁に腰掛けていた。
バス室内に漂うボディソープの香りと、バスタオルで隠してはいるものの
わずかに上気した肌の白さに目がくらみ、しかし不自然な手首の赤さに、すぐ
現実に引き戻される。僕の視線に気がついて、彼女ははっとして手首を隠そうとしたけど。
それより一瞬早く、彼女の手首を乱暴にならない程度につかんだ。

「・・・うん、体は温まったみたいだね、良かった。のぼせてるのかと思ったよ。」

ちゃらけた台詞をはきながら、さりげなく痣を確かめる。眉をしかめないように
するのが精一杯だった。赤黒い痕跡が痛々しい。こういうとき、三文小説なら
「穢れちゃった」「僕が清めてあげる」なんて寒気のするようなやりとりをするところ
なんだろう。でも僕には、そんなことはいえない。

このあざをつけたやつが抱えていた思いを知っている。菜月ちゃんにとって、
そいつがどんなに特別な相手だったかを知っている。だから僕は、何も言わない。
その代わり、できうる限りの思いをこめて、うっ血したあざに唇を寄せた。

「あ・・・」
手首の裏側に口付けると、菜月ちゃんが身じろいだ。
痛む?と尋ねると、伏せ目がちに、首をふるふると横に振る。

微かに寄せられた眉根と揺れる黒髪に、ことばにならない彼女の切ない思いが
あふれ出る。こみ上げてくる思いに任せて、そのまま今度は唇に、下から救い上げる
ようにして口付けた。
「ん・・・っ」
菜月ちゃんの柔らかい両手が、体を支えるように僕の両手に置かれる。そのまま
彼女のわきの下から手を差し入れ、そっと抱きしめると、彼女も腕を首に回して
抱きしめ返してくれる。拒絶されないことが嬉しいだなんて言ったら、また彼女は、
せつない顔をするんだろう。無言で、唇ごと食むような口付けを幾度も繰り返すと、
お互いの息が上がり、自分の体の中心が熱くなってくるのがわかる。
「ふっ・・・んぅ」
「菜月ちゃんごめん、我慢できそうにない。・・・いい?」
耳元で、自分でも可笑しくなるくらい熱く、上擦った声でささやくと、腕の中の
彼女がうなずいた。 
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