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戦隊シリーズ総合カップルスレ 3 (1001レス)
戦隊シリーズ総合カップルスレ 3 http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/
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801: 775 [sage] 2006/09/09(土) 02:20:51 ID:osPUkgsQ 冒険赤桃、エロも入れられたのでこちらに投下します。 ただ、それによって以前こちらに投下させてもらった作品と 繋げざるを得なくなってしまいました。すみません。 他カップリングをお待ちの方はスルーお願いいたします。 http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/801
802: 恋一夜 1 [sage] 2006/09/09(土) 02:21:46 ID:osPUkgsQ 後ろから抱きすくめられて首筋にキスされただけで、膝の力が抜けていった。 何処がどれくらい敏感なのか、どんな風に触れたら私がどうなってしまうのか、 多分私自身よりチーフの方がよく知っている気がする。今だって、後ろから 回されている手がジャケット越しにゆっくり滑っているだけなのに、 肌が熱を増していくのが判るほどだから。 体の芯が熱くなる。膝がかくりと折れ、チーフの腕に支えられた私は微かな声で訴えた。 「チーフ…もう…」 “駄目”とさえ言えない私をチーフの腕がそっと抱く。体を支えられたまま チーフと向かい合わせにされ、私はチーフを見上げた。 頬に手を当てられ、唇を重ね合う。ざらりとした舌の感触にいつの間にか 慣れてしまったとぼんやり思った。 力強い腕に抱え上げられ、寝室へと移動する。私をベッドに下ろして横たえると、 チーフはそのまま私に覆い被さってきた。放り出されたチーフのジャケットが 床にぱさりと落ち、次いでチーフに脱がされた私のジャケットがその上に重なる。 見るともなしにその光景を見ていた私は、視線を再びチーフへ向けた。 http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/802
803: 恋一夜 2 [sage] 2006/09/09(土) 02:22:50 ID:osPUkgsQ いつものように灯りが消され、チーフの姿が見えなくなる。カーテンを開け放った 窓の向こうに、寮の庭に咲く桜が見えた。月の光に照らされて白く浮かび上がる様がひどく綺麗だ。 でも、花と比べるなんて馬鹿げていると思うけれど、同じ名前を持っているのに 置かれている状況があまりに違いすぎると思ったら、喉の奥から何かがこみ上げてきた。 その命は短くとも沢山の人に愛でられて咲き誇る桜と、たった一人の人にさえ 想われることのない私。一体どちらが幸福だろう。 「さくら…」 チーフの唇がピアスごと耳朶を包み込む。留め金を転がすように触れる舌が 耳朶をも撫でていき、背中が持ち上げられるような感覚が私を襲った。 チーフはいつもそっと私に触れてくる。その指も唇も決して強引ではなくて、 壊れ物を扱うかのようだ。私はチーフしか男の人を知らないけれど、みんなこんな風に 女性を抱くのだろうか。それともチーフだけがこうなのだろうか。 「あ…」 どれほど押さえようとしても声が零れ落ちる。何か考えていないと 尚更声が大きくなりそうで、私は必死に意識をそらした。 普通の恋人同士なら、そこまでする必要はないけれど。 ――私達は、違ったから。 http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/803
804: 恋一夜 3 [sage] 2006/09/09(土) 02:23:53 ID:osPUkgsQ 私の服を脱がせながら、チーフは自分の服も脱いでいく。薄闇の中に浮かび上がる 厚い胸板に、何度顔を埋めたかもう判らなくなってしまった。チーフの指や唇が 作り出す波にいつも乱されて、何もかもがどうでもよくなっていく。 このままでいい筈がない。少しずつ、でも確実に自分の中の何かが壊れていくことに 私は気づいていた。それなのに、チーフに求められると応えずにはいられなかった。 チーフが無理強いするわけじゃない。私自身が、そう望んでしまうのだ。 「チーフ…あ…っ」 胸に直接触れられて思わず声が洩れる。指を噛んで快感をやり過ごそうとすると、 チーフの手が私の指を口から外させた。その指にそっと押し当てられた唇が、 次いで私の唇に重ねられる。体の奥から湧き出すものを感じながら、その時私は不意に チーフと出逢った頃のことを思い出した。 http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/804
805: 恋一夜 4 [sage] 2006/09/09(土) 02:24:48 ID:osPUkgsQ 子どもの頃から家を出るまでずっと、私は「西堀家のお嬢様」だった。 私を「私」として、「西堀さくら」として見てくれる人は誰もいなかった。 両親でさえ、西堀家の娘として恥ずかしくない人間になるようにと、お茶やお花の お稽古ごとに私を追い立て、そのくせ何かと言うと物を買い与えた。 息苦しかった。与えられるばかりで、本当に自分のやりたいことや欲しいものが 何なのか考える暇さえなく、ただただ親の、家の為に存在する生きた人形。それが私だった。 人は私を贅沢だと言うだろう。自分の置かれている環境がどれほど豊かで 恵まれているか考えもせず、そこから脱け出したいと願う我儘な娘。籠の中の鳥は そこにいるからこそ生きられるのに、身の程を知らない愚かな娘だと。 けれど、何と言われようと構わなかった。生きている実感が欲しかった。自衛隊を 選んだのは、そこが「西堀家のお嬢様」という冠から最も遠い場所だと 思ったから。体はきつくても、私を一人の人間として見てくれる人がいるなら 頑張れると思った。 でも、同じだった。自衛隊でも私は「西堀家のお嬢様」としてしか 見られなかった。努力して実力をつけても結果は同じ、いや、むしろひどくなる有様で、 「お嬢さんの気まぐれに付き合わされるなんて」と聞こえるように陰口を叩かれたことも、 あからさまに侮蔑の目で見られたこともあった。 チーフに出逢ったのは、そんな頃だった。 http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/805
806: 恋一夜 5 [sage] 2006/09/09(土) 02:25:46 ID:osPUkgsQ 正式に断ったのに人をよこすなんて、とサージェスに対していささか腹立たしさを 覚えた私の対応は当然ながらつっけんどんだった。でもチーフは腹立ちに腹立ちで 返すような人ではなく、静かに私に問いかけた。 ――それは見つかったのか―― 自ら飛び込んだ場所でも、私は本当にしたいことを見つけられなかった。私が より腹立ちを覚えたのは自分自身に対してで、でも「西堀家のお嬢様」と口にした チーフにそれを知られたくなくて虚勢を張った。 ――ボウケンジャーとかになれば、私の求めるものが見つかるんですか?―― どんな答えが返ってこようと、納得なんてできないだろう、そう思っていたのに。 ――誰にでも自分だけの宝がある。それは誰にも与えることはできない。自分で見つけるしかない―― 静かな声で紡がれたことばが、私を微かに揺さぶった。 声も出せずにいる私に向き直り、そうしてチーフは更に言った。 ――俺も探している。見つけてみないか。一緒に―― 与えられるばかりの人生を捨て、自ら求めた場所。そこさえも安住の地ではなかった 私が、初めて一個人として求められた瞬間だった。勿論、それは組織の一員として 求められたに過ぎなかったのだけれど。 http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/806
807: 恋一夜 6 [sage] 2006/09/09(土) 02:26:56 ID:osPUkgsQ ――…帰って下さい―― ようやく声を絞り出す。それでも、二度と来ないでくれとは言えなかった。チーフは 張り詰めた表情のまま私を見つめ、「また来る」と言い残して去っていった。 私の心を初めて揺らした人。それが、チーフだった。 次にチーフが来たのは、それから一週間後のことだった。 ――またあなたですか―― 呆れた声を出しつつ、チーフの来訪を何処かで待っていた自分がいることに私は気づいていた。 ――“帰れ”とは言われたが、“もう来るな”とは言われていないからな―― ――いい加減に解放して―― 言いかけて視線を合わせたチーフの顔は、不敵なまでの自信に満ちているように見えた。 ――…くれる気はなさそうですね―― 溜息をついて目をそらすと、チーフの声が静かに響いた。 ――言ったろう? 俺達は君を必要としていると―― ――…即答はできません―― 誰かに求められることから生じる満足感で危うく頷きそうになったが、私は辛うじて 踏み止まった。誘いに応じなければ別に問題はないが、もしサージェスに入るとなれば、 どんな組織なのか全く判らないままでは不安が残る。 ――一度見学させて下さい。自分の目で確かめなければ、あなたの誘いを受けることはできません―― あとでチーフは、「もう一押しすれば誘いを受けてくれそうだと思ったぞ、あれで」と笑ったけれど。 ――判った。君の都合のいい日を教えてくれ―― その時はそう思ったことなどおくびにも出さず、チーフは私にそう言った。 次の休みは五日後だった。サージェスミュージアムは平日の午後だからなのか 人影がまばらで、チーフはゆったりとした足取りで私を案内してくれた。私が 本当に見学したい場所が何処なのかはチーフも判っていただろうけど、 加入するかどうかまだ判らない相手に機密を見せるわけにいかないことは私にだって察しがつく。 http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/807
808: 恋一夜 7 [sage] 2006/09/09(土) 02:28:23 ID:osPUkgsQ でもその時、アクセルラーがチーフを呼び出した。「此処にいてくれ」と言い置いた チーフは、近くにある階段の踊り場でしばし何事かやり取りをし、戻ってくると私に言った。 ――プレシャス回収に行くことになった―― それならば今日はこれで帰ることになるだろうと思い頷きかけた私に、 チーフは思いがけない科白を投げかけた。 ――一緒に行かないか―― ――…は?―― 間の抜けた声が零れ出た。何を馬鹿なことを言うのかと思いながらチーフを まじまじと見た私に、チーフは口元を少し緩めて言った。 ――百聞は一見に如かずだ。俺達が君に何を求めているか、その目で見てもらった方が早いだろう?―― 今思えばあれが、初めて見たチーフの笑顔だったけれど。 ――…いつもそんなに強引なんですか―― 溜息をついた私に、「よくそう言われる」と答えると、チーフは私をそのまま連れ出した。 連れ出し方は強引だったけれど、チーフの運転は意外と安心できるものだった。プレシャスの 回収先は都心の一等地にある旧家で、長年交渉を続けた結果ようやく承諾してくれたのだという。 ――大丈夫なんですか?―― 私は思わず尋ねていた。運転していたチーフは横目で私を見、「何がだ?」と問い返した。 ――交渉に長いことかかったんですよね。そういう相手がすんなり本物を渡すんでしょうか―― 信号待ちで車が停まる。今度は顔ごと私に向け、チーフは「なるほどな」と呟いた。 ――…勿論、本物かもしれませんが―― 真っ直ぐ向けられた眼差しに何故か息苦しさを覚え、私はチーフから 目をそらした。チーフは再び車を走らせながら言った。 ――確かにその可能性はある。流石だな―― ――…何がですか?―― ――洞察力があり、人間観察に優れている。冷静沈着で咄嗟の判断力が高い。君の上司の 西堀さくら評だ―― 面と向かってそんな風に言われたことなどなかったのに。訝る私を知ってか知らずか、 チーフはジャケットを私の膝に置いた。 http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/808
809: 恋一夜 8 [sage] 2006/09/09(土) 02:29:37 ID:osPUkgsQ ――着ておいてくれ。取り敢えず君もサージェスの人間として同行したことにする―― ――…ピンク、ですか―― ――何か問題でも?―― ピンクなんてもう何年も着ていない。しかも随分と濃い色だ。けれどその時のチーフは それがさも当然と言わんばかりの横顔を私に向けていて、私は「いいえ」と かぶりを振るよりほかなかった。 目的地に着いたチーフは案内に従って車を駐車場に入れ、ドアのロックを 解除した。助手席から降りてジャケットを着た私を見、チーフは唇をほころばせて言った。 ――頼りにしてるぞ、西堀さくら―― 私の背中にぽんと手を置き、チーフは邸内へ入っていく。呆気に取られて その場に立ち尽くした私は、我に帰ると慌ててチーフのあとを追った。 意識してのことではないと判っていた。けれど誇張でも何でもなく、文字通り 心臓が鷲掴まれたような感覚に私は包まれた。 何故この人はこんなにも、私の欲することばを的確に投げかけてくるのだろう。 この人には、敵わない――そう、思った。 結局私はチーフの誘いを受け、ボウケンジャーの一員となった。 チーフの下でサブチーフとしての任に就いてからと言うもの、毎日が驚きの 連続だった。中でも私を驚かすのは上司であるチーフ自身だった。普段は冷静沈着で 判断力に優れた人なのに、ひとたび冒険が絡むと目の色が変わる。少年のような眼差しで 自分だけの宝を追い求めるチーフは、上司としてプレシャス回収に赴く際のチーフと 同一人物とは思えなかった。 けれど、そんなチーフにいつしか私は心を許し始めていた。 求められなければ与えられないなんて、自分の心が貧しい証拠かもしれない。でも、 譬えそれが仕事上のものであっても、私を「私」として欲してくれたことが私の心を 揺さぶったのは事実で、だからこそチーフに対する信頼や尊敬が芽生えたのだ。蒼太くんが 加わったことで私達はより「チーム」として動くようになり、その中でチーフへの感情は 次第に大きくなっていった。 それでも、あの秋の日がなければきっと、私の中に恋愛感情が生まれることはなかっただろう。 http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/809
810: 恋一夜 9 [sage] 2006/09/09(土) 02:30:43 ID:osPUkgsQ マサキさんとキョウコさんのことは、その日初めて聞いた。チーフは多くを語らず、 昔の仲間を二人、目の前で失ったとだけ言った。その時のチーフはやけに苦しげで、 二人がチーフにとってどんなに大切な存在だったかは朧げながら理解できた。 次の日の朝が早い蒼太くんが帰っても、酔ったチーフを一人にできなくて、 私はチーフの部屋にいた。できることなら一晩中でも傍にいたいと思ったけれど、 そんなことができる筈などないと思ってもいた。 それがあんな形で現実のものになったのは、私が心の何処かでそうなることを 望んでいたからなのだろうか。 抱きしめられて、キスをされて。チーフの腕の中でもがいたけれど、私を組み敷いた チーフの目に宿る色が抵抗をやめさせた。 私の知っているチーフは、そこにはいなかった。 ――灯りを、消してもらえませんか…?―― それ以上チーフの顔を見ているのが怖かった。チーフに望まれるなら 何もかも預けてしまえると思ったけれど、チーフが本当に求めるものが何なのかを 知りたくなかったから。 ――…ああ―― チーフは私の望んだ通り、部屋の灯りを消してくれた。けれど私が何を本当に望んでいるのか、 チーフはきっと永遠に気づかない。 初めて私を求めてくれた人が本当に欲したのは、「私」ではなかった。 惹かれたのは、その強さ。揺るぎない自信。 けれど愛しいのは、その、弱さ。 「チーフ…」 その背中にしがみつく。思わず立てた爪が痛みを覚えさせはしないかと微かに思いながら、 私はチーフを受け入れた。 あれから半年が過ぎた。こうしてチーフに抱かれるようになって、伝えられないままの想いが どんどん膨れ上がっていくことに気づきながらも、私はどうすることもできずにいる。 もしもあの秋の日、一緒にいたのが私でなかったら。 「さくら」 ――チーフはきっと、その誰かを抱いただろう。 http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/810
811: 恋一夜 10 [sage] 2006/09/09(土) 02:31:45 ID:osPUkgsQ 「あ…や、ああ…っ」 耳元で響く声が背筋をぞくりとさせる。その手が肌を滑り、唇が押し当てられる度、 体の奥が波打つような気がした。一番深い場所にチーフを包み込み、突き上げられる その感触に翻弄されながら、喉から洩れる声をどうにかして押さえ込む。 溢れそうなこの想いを知られたくないと思いながら、心の何処かに伝えたいと願う自分がいた。 ――けれど。 「んっ…ああっ…」 「くっ…」 ぴたりと重なった肌も、私の中のチーフ自身も、絡み合う舌と舌も、全てがただ熱くて。 だからこそ言えないのだと、私はまた思い知る。そこにチーフの心はないと私は知っているから。 それでも、あなたが愛しくて。 「チーフ…チーフ…!」 「さくら…!」 チーフに縋り付きながら、うねりにただ、身を委ねた。 (チーフ…) もしも私が、この想いを伝えたら。 ――私はこの関係すら、きっと失ってしまうのでしょうね。 身を寄せ合って眠る度、言えないことばが降り積もる。 愛しくて、愛しくて、愛しくて。せめて、このままでいられたら――その願いさえ叶わなくなる日が、いつか来るかもしれないけれど。 仲間をなくした胸の痛みを、私を抱くことで癒したあなたを。 それでも、私は、求めてやまない。 http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/811
812: 775 [sage] 2006/09/09(土) 02:33:27 ID:osPUkgsQ 以上です。お付き合い、有難うございました。 この作品は此処で終わりますが、これ以降、>>152-169と、>>207-220へと続きます。 前の二作品に繋げたので、暗い話で申し訳ないです。 775=>>151、でした。 http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/812
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