[過去ログ] 戦隊シリーズ総合カップルスレ 3 (1001レス)
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(7): 2006/04/23(日)02:07 ID:yqOIiwzY(1/20) AAS
冒険赤桃投下します。
「現時点でのあの二人、でもエロあり」というネタが降りてきてしまったので試しに書いてみたら、何やら大層不毛な話になってしまいました。幸せな話がいいという方はスルー宜しく。
前半は赤視点、後半は桃視点です。
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(1): 確かなものは闇の中 1 2006/04/23(日)02:12 ID:yqOIiwzY(2/20) AAS
――暁――
明るい中で肌を合わせるのを躊躇うさくらの為、暁は今日も部屋の灯りを消した。僅かに開けたカーテンから射し込む月明かりだけが二人を仄かに照らす。ベッドに横たわるさくらの体に暁はそっと触れた。
「チーフ…」
唇から洩れる声はひどく微かで、危うく聞き逃しそうになる。彼女の高く澄んだ声が暁は好きだった。
艶やかな黒髪がシーツに広がり、さくらが僅かに眉根を寄せる。何度も抱いてようやくそれが快感故だと判るようになってきた。普通の恋人同士であったならことばで確かめることもできるが、二人の関係は決してそう呼べるものではない。
153: 確かなものは闇の中 2 2006/04/23(日)02:14 ID:yqOIiwzY(3/20) AAS
初めてさくらを抱いたのは、今から半年ほど前だ。秋も深まりつつあったとある夜、ひどく酔っていた暁を蒼太と一緒にさくらが送ってきてくれた。
――大丈夫ですか?――
蒼太は翌日追跡調査へ行くことになっていた為、暁を気に掛けつつ先に帰っていった。残ったさくらが心配そうに見つめてくるのをベッドから見上げたものの、
答えられずに暁は口を噤んだ。彼女の問い掛けが酔いに対するものなのは判っていたが、どうしても別のことが頭を過ってしまったからだ。
失った仲間。裏切ってしまった二人。
得られた仲間。信じてくれる二人。
マサキとキョウコ。
蒼太と――さくら。
154: 確かなものは闇の中 3 2006/04/23(日)02:15 ID:yqOIiwzY(4/20) AAS
――…どうぞ――
コップを手渡してくれる指の細さを自らの手に感じながら、起き上がった暁は水を飲み干した。普段なら手が触れ合っただけで飛び退きそうなさくらが、その時はじっと暁を見つめていた。暁からコップを受け取って傍らのテーブルに置くと、さくらは静かな声で言った。
――あまり、飲まれない方が…。体に障りますから…――
さくららしい。ふとそう思った。すまん、と頷いて視線を合わせると、さくらはかぶりを振って切なげな瞳を暁に向けてきた。艶のある唇や白い首筋がやけに目に付き、思わず暁はさくらから視線を外した。
――チーフ? どうか、なさったんですか?――
ベッドに手をつき、さくらが身を寄せてきた。警戒心のなさに頭を抱えそうになりながら、暁は彼女から離れようとした。だがその行動が思わぬ結果へと繋がってしまったのだ。
155: 確かなものは闇の中 4 2006/04/23(日)02:16 ID:yqOIiwzY(5/20) AAS
――きゃ…――
暁が急に動いた為にバランスを崩し、さくらが倒れ込んできた。腕の中にすっぽりと包み込める華奢な体は、そのくせ女性らしい丸みを同時に感じさせた。
――すみません、チーフ――
耳元で声が響いた。傍らで聴いていた時と異なる何かを感じたその瞬間、暁の中で何かが弾けた。包み込む両腕に力を籠めると、さくらの声に戸惑いが混じった。
――あの、チーフ…?――
ほんの少し体を離し、暁はさくらを見下ろした。一瞬だけ視線を絡め、次いで唇を重ねる。腕の中でしばしもがいていたさくらは、体を入れ替える形で暁に組み敷かれると抵抗をやめた。
恐怖も嫌悪もその表情から読み取ることはできなかったが、暁の手がジャケットにかかった時、さくらは小さく呟いた。
156: 確かなものは闇の中 5 2006/04/23(日)02:17 ID:yqOIiwzY(6/20) AAS
――灯りを、消してもらえませんか…?――
――…ああ――
体を起こした暁は、テーブルの上に置いてあるリモコンで部屋の灯りを消した。微かな月明かりが室内を照らし、さくらの姿が僅かに見えた。
真っ直ぐに見つめてくる瞳を見つめ返せず、暁は目を閉じて再びさくらの唇を奪った。
それが、はじまりだった。

男を知らなかったさくらの体が、少しずつ反応を返すようになったのはいつ頃だったろうか。指や唇で耳朶や首筋、胸へと触れる度、
さくらの唇から吐息や声が洩れる。だが、他の三人には知られたくないのだろう、彼女は声を解き放とうとはしなかった。
自らの指を噛んでやり過ごそうとする姿は痛々しいほどで、そんな時暁はいつもその指を外させ、さくらに唇を重ねた。
舌と舌とを絡め合いつつさくらの下肢へと手を伸ばす。充分な潤いが指へと伝わり、暁はさくらの両脚をそっと開かせると彼女の中へ己を沈めた。
157: 確かなものは闇の中 6 2006/04/23(日)02:19 ID:yqOIiwzY(7/20) AAS
「…チー、フ…あ…あっ…」
「さくら…」
ゆっくり抽送を繰り返す。それに合わせて微かに洩れるさくらの声がひどく甘く響き、暁はさくらを抱きしめた。
暁のうなじに縋り付くようにさくらが両腕を回す。暁を受け入れているその場所は、意志を持っているのかと錯覚するほど
ぴたりと暁を包み込んで放さなかった。避妊具越しでも彼女の中は充分に熱い。目を閉じて堪えているさくらを暁は見つめた。
お前が好きだとあの時言っていたなら、彼女を苦しめることはなかったのだろうか。
初めて会った頃のさくらは、前歴に加えて元々の性格からか、硬質な印象を与える女性だった。

しかし外見からは窺い知ることのできない仕事への情熱や、仲間に対しての公私に亘る細やかな心遣いに触れる度、
少しずつさくらに惹かれていくのをどうにも止められなかった。だが何も言わずに関係を結んでしまった今、この想いを告げたところで
一体何が変わるというのだろう。
158: 確かなものは闇の中 7 2006/04/23(日)02:20 ID:yqOIiwzY(8/20) AAS
暁の動きに合わせてベッドが時折軋む。しっとりと汗ばむさくらの体はいつにも増して美しかった。彼女の中からとめどなく溢れる快感の証にそっと触れる。ぬめりと熱とを指に感じ、暁は少し動きを早めた。
「チーフ…!」
囁きに悲鳴が混じる。ことばでは決して伝えてこないが、限界が近づいてきているのだ。
「さくら」
小さく名を呼び、暁は再びさくらを抱きしめた。
体には触れられる。この半年でさくらの体は確実に変わり、自ら求めることこそないが暁を拒むこともなかった。
だが、心に触れることはできない。彼女が何故拒まないのかはいくら考えても判らなかった。
例えばこれが友人の身に起きているなら、さくらの想いが向けられているからだと取ることはできる。さくらの性格からすれば、
好きでもない男に体を許すとはあまり思えないからだ。しかし自分の身に起きている以上、そうした仮定が成り立つとは
どうしても考えられなかった。そんな虫のいい話があっていいわけがない。
省1
159: 確かなものは闇の中 8 2006/04/23(日)02:21 ID:yqOIiwzY(9/20) AAS
もしいつか、彼女が他の男を想う日が来たら。蒼太でも真墨でも暁の知らない男でも、さくらが心を寄せる相手が現れたら。
その時さくらを解き放つことが、果たしてできるのだろうか。
抱かれているのも縋り付いているのも、本当は暁の方だというのに。
「チーフ…ああっ…!」
「さくら…」
腕の中にいるさくらがどうにもいとおしい。体だけとは言えこの手の中にある今、彼女を手放すことなど暁には考えられなかった。
だがそれならば、一生こうしてさくらを傍らにいさせるのか。何も告げずにただ体を重ねて、彼女を縛り付けるというのか。
そんなことが許される筈などないのに。
160: 確かなものは闇の中 9 2006/04/23(日)02:22 ID:yqOIiwzY(10/20) AAS
「チーフ…チーフ…!」
「さくら…!」
小さく声を発してさくらが高みへと昇りつめ、暁はさくらの中で達した。互いに荒く息をつきながら、暁はさくらを見つめ、目を開けたさくらは暁を見つめ返す。
彼女の頬にそっと触れると、さくらは再び目を閉じた。
闇の中で確かなものは、お互いのこの体だけ。
――キスだけで想いが伝えられたらと、埒もないことを半ば本気で願った。
161: 確かなものは闇の中 10 2006/04/23(日)02:24 ID:yqOIiwzY(11/20) AAS
――さくら――
傍らで眠る暁を、さくらはじっと見つめていた。
彼に抱かれるようになって半年が過ぎた。どうしても告げられない想いが次第に募っていき、外へと溢れ出しているように思える。
もし三人体制のままだったら、今頃蒼太には気づかれていたかもしれない。真墨と菜月が加わったことにより彼の目も四人それぞれに
向けられているだろうし、さくら自身も五人で行動を共にしている日中はあまり思い詰めずに済むので、今のところ彼らには
知られていないのではないかと思える。
だが、夜は駄目だ。暁に求められるとどうしても応じてしまう。傷つくだけだと判っているのにそうしてしまうのは、さくらが暁を欲しているからだ。
もしそんな様子を見られでもしたら、菜月はともかく、蒼太や真墨はきっと気づくだろう。せっかくチームワークが固まってきたのに、
こんなことでばらばらになるわけにはいかない。
162: 確かなものは闇の中 11 2006/04/23(日)02:24 ID:yqOIiwzY(12/20) AAS
「チーフ」
そっと呼んでみる。勿論反応しないものの、暁は微かに身じろぎした。その姿を見ていたら、初めて抱かれたあの夜のことがまた思い出された。きっと一生忘れられないのだろう。
まどろんでいたさくらの耳に、苦しげな声が微かに届いた。目を開けると、眉を寄せた暁が何やらうなされていた。思わず揺り起こそうとしたさくらは、その時暁の声を再び聞いた。
――マサキ…キョウコ…――
苦しげに絞り出されたその名前が誰のものなのかに気づき、さくらはそっと暁に体を寄せた。腕を伸ばして暁の頭を抱え込むように抱きしめると、ややあって呼吸が穏やかになった。腕の間から覗いてみると顔の険も消えていて、さくらは小さく吐息を洩らした。
163: 確かなものは闇の中 12 2006/04/23(日)02:26 ID:yqOIiwzY(13/20) AAS
それ以来、暁と体を重ねる度、さくらは彼が眠りにつくのを待った。初めのうちは必ずうなされた暁だったが、さくらが抱きしめるとじきに落ち着くようになり、今ではうなされることがなくなった。
一人で堪えてきたであろう暁の支えになれているのだろうかと思いながら、さくらは暁の頬に触れる。
何故あの夜、暁はさくらを抱いたのだろう。
支えが欲しかったのかもしれない。何かに縋り付きたかったその時、傍らにいたのがさくらだったというだけなのだ。頭ではそう思おうとしているもののどうしても納得しきれない。――いや。
納得したくない、のだ。
統率力も判断力もあり、リーダーとして一流の人間であると思えた暁に、ふと気づくと惹かれていた。だがそれまで恋愛経験がなく、それどころか恋愛感情すら抱いたことのないような気さえするさくらが、
暁に自らの想いを伝えることは不可能に近かった。だからこそ、傍で見つめるしか術がないと思っていたのに。
164: 確かなものは闇の中 13 2006/04/23(日)02:28 ID:yqOIiwzY(14/20) AAS
暁に求められたあの夜、驚くと同時にそれでも嬉しかった。譬えそこに通い合う想いがなくても、暁の腕の中で彼に貫かれた夜、さくらは確かに幸せだったのだ。
だが何度も抱かれ、体は深く繋がっていっても、心は一向に繋がらないままだった。
さくらが何も言わずにいるのをいいことに、自らの欲望に従って暁はさくらを求めるのだと、そういう男なのだと思えれば楽になれるのかもしれない。
だが、どうしてもそうは思えなかった。待機中に見せてくれる笑顔や、さくらのいないところで悪夢に苛まれていた姿や、体を重ねる時に
名前を呼んでくれる声、それらを思い起こす度に胸が締めつけられる。欲望だけでさくらを求めているのだと、どうしても思いたくなかった。
それが自分の勝手な願望だということくらい、痛いほどに判っていたけれど。
165: 確かなものは闇の中 14 2006/04/23(日)02:30 ID:yqOIiwzY(15/20) AAS
(チーフ…)
暁の昔の仲間は――「キョウコ」は、彼を名前で呼んだのだろうか。ふとそう思い、さくらは苦笑した。自分自身はできもしないことを考えても仕方がない。
きっとさくらは「明石さん」とさえ呼べないままだろうから。
こんなことになる前に想いを告げればよかったと思ったことは何度もある。だが思い返してみると、暁への想いがはっきりとした恋愛感情になったのは
彼に抱かれてからだった。あの日までの想いはごく淡いもので、今思えば見つめているだけで堪えられたのはその為だったのかもしれない。
いつかは破綻するだろう。誰かに気づかれるか、さくら自身が堪えられなくなるか、或いはその両方か。いずれにせよ、こんな実りのない関係がいつまでも続く筈がない。
暁の気持ちは未だ見えず、さくらの気持ちは膨らむばかりだ。昼間の自分が皆の前で平然としていられることが、さくら自身不思議でならなかった。
166: 確かなものは闇の中 15 2006/04/23(日)02:30 ID:yqOIiwzY(16/20) AAS
暁の頬をそっと撫でる。声に出さずに「暁さん」と唇を動かした時、不意に目頭が熱くなってさくらは狼狽えた。慌てて涙を拭い、さくらは再び暁を見つめる。二、三度まばたきした暁はゆっくりと目を開け、さくらを見つめ返した。
「…どうした、さくら?」
「…寝付けなくて」
暁は「そうか」と呟くと、さくらの頬に手を伸ばした。しばし視線を合わせた暁はさくらの手首を掴む。引き寄せられて重ねた唇に熱が籠り、口付けは次第に深まっていった。
「チーフ…」
僅かに唇が離れた時、さくらは暁に呼びかけた。顔を覗き込んで「ん?」と答えた暁を見つめ、彼の胸に頬を寄せてさくらは口を開く。
167: 確かなものは闇の中 16 2006/04/23(日)02:31 ID:yqOIiwzY(17/20) AAS
「…抱いてください」
暁が息を飲むのが判った。この半年、さくらから求めたことは一度としてない。彼が驚くのも無理はなかった。途端に羞恥心が湧き起こり、頬がかっと熱くなる。
視線を合わせずにさくらは暁から離れようとしたが、一瞬遅く暁の両手に頬を包まれた。暁の目が静かに見つめてくる。沈黙が重苦しく、いたたまれなくなったさくらは
唇を開きかけたが、声を出すより早く暁の唇が重ねられた。舌が絡み合い、体の熱が次第に増していく。暁の唇が耳朶を包み込み、次いで首筋へと降りていくのを
さくらは感じていた。
(…え?)
いつもより強く首筋を吸われている。跡を残さないよう気遣い、押し当てるような口付けしかされたことがなかったのに。
さくらの戸惑いを知ってか知らずか、暁は更に舌へと唇を滑らせた。
168: 確かなものは闇の中 17 2006/04/23(日)02:32 ID:yqOIiwzY(18/20) AAS
「ああっ」
思わず声を上げる。片方の胸を大きな手で包まれ、もう片方を唇と舌に含まれて、さくらはふるふるとかぶりを振った。押し寄せてくる快感に息が乱れ、唇から声が零れていく。暁に押し入られ、さくらは彼にしがみついた。
暁に抱かれる度に敏感になっていくのは、彼への想いが熱く深くなっていくからなのだろうか。
「チーフ…あ、あっ…」
「さくらっ…」
暁の動きが激しさを増していく。今までこんなことはなかった。つい先ほどまでの暁は、壊れ物を扱うかのような抱き方しかしなかったのだ。なのに、何故急にこんな――
「チーフ…チーフ…!」
「さくらっ…!」
強く強く抱き合い、熱と欲とが迸る。暁の声に力が籠ったその時、何かが弾けたような気がした。
169: 確かなものは闇の中 18 2006/04/23(日)02:35 ID:yqOIiwzY(19/20) AAS
目を開けると、暁が傍らに横たわり、不安げな眼差しで見つめてきていた。「チーフ…?」と呼んでみると暁はほっと息をつき、
さくらの頬に触れながら「大丈夫か?」と尋ねてきた。問い掛けの意味が判らず、さくらは暁を見つめ返す。
さくらの頬から髪へと手を滑らせて何度か撫でると、暁は再び口を開いた。
「少しの間、気を失っていたんだ」
「…誰が、ですか?」
「…お前しかいないだろう」
ふっと頬を緩めた暁だったが、すぐに表情を引き締める。さくらの頬へと手を戻しながら彼は言った。
「加減が、できなかった。…すまない」
向けられる眼差しが、何故か切ないものに見えた。「いいえ」とかぶりを振り、さくらは小さく微笑む。
しばしさくらを見つめていた暁は、そっと引き寄せた彼女を腕の中に包み込んだ。
省5
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(1): 2006/04/23(日)02:37 ID:yqOIiwzY(20/20) AAS
以上です。ところどころ改行がおかしくてすみません。
…こんな話書いておいて何ですが、赤桃には幸せになって欲しいです。
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