[過去ログ] 【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 2冊目 (889レス)
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761: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2008/02/09(土)07:52 ID:mUK7Ddds(1/5) AAS
『Radio head Reincarnation〜黒い魔女と紅い魔女〜』
V.
闇絵が街に着いてから三日。
それが新たな事件が起こるまでの期間だった。
また一人、子供が消えた。ただしそれは――
命と共にだった。
† † †
「やれやれだな」
葉巻をくわえた紅香が“ソレ”を見て苦々しく呟く。
闇絵と環も並び、一様に眉根を寄せていた。
省27
762: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2008/02/09(土)07:54 ID:mUK7Ddds(2/5) AAS
そう言った紅香は、むしろ楽しそうに笑う。
「どうするの?」
環が闇絵に問う。
「決まっているさ。私は私の仕事をこなすだけだ。それ以上でもそれ以下でもない」
何でもないように闇絵はそう口にした。それからふと、考え込む素振りを見せる。
「……あの少年なら、どう感じるだろうか」
闇絵は呟き、考える。
「きっと彼なら憤慨するだろう。怒り、悲しみ、犯人を見つけ出そうとするだろう」
ならば、と闇絵は思う。
「それを代行するのもまた一興」
省33
763: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2008/02/09(土)07:55 ID:mUK7Ddds(3/5) AAS
若干不安げに環が尋ねる。
「私たち、宿から出なきゃだめとか?」
「いえ」
環の問いに、一子ははっきりと答えてみせる。
「取りあえず宿の方はお客様を追い出す訳にもいかないので、私たちだけでなんとかします。食堂はお泊まりのお客様だけという事にするつもりです」
「一時的に飲食業を休止するのか」
「はい。ですから皆さんはこちらにいらっしゃって下さって構いません」
答えに環が安堵を漏らす。
「そっか、よかった〜。宿をまた探さなきゃいけないかと思った」
表情を綻ばせて言う環に、一子も笑みを返す。
省26
764: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2008/02/09(土)07:56 ID:mUK7Ddds(4/5) AAS
「この程度の事すら見抜けんとは……王国の官僚共も間抜けだな。いや、今更気付く私も大して変わらないか」
自嘲気味に零して、闇絵は紫煙を吐き出す。
「にぁ」
足元の黒猫、ダビデが鳴き声を上げて闇絵を見上げる。
「……そうだな。今更言っても仕方ない」
ダビデの鳴き声から意図を汲み取ってか、闇絵はぽつりと零した。
「これで犯人の特定出来ないかな」
「正直難しいな。幸せな人間が妬ましいなど、誰でも抱える感情だ」
犯人の意図が見えた所で、犯人像が固まる訳ではない。
とはいえ、輪郭は見える。
省25
765: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2008/02/09(土)08:01 ID:mUK7Ddds(5/5) AAS
今週も毎度、伊南屋に御座います。
RR外伝第三回になります。
事件らしい事件にようやく直面。ここから事態が動き出す予定です。
このまんま行くとあと五回くらいで終わるやも。
一発ネタについては未だ執筆中。忙しかったのもありますが、思うように筆が進みません……。
もうしばし……! もうしばしの時間を下さい。
それでは以上、伊南屋でした。
また来週。
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