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【みなみけ】桜場コハル Part 13【今日の5の2】 (715レス)
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クリスマス!
2011/12/26(月)02:40
ID:Czc0KYHa(3/14)
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282: クリスマス! [sage] 2011/12/26(月) 02:40:36.37 ID:Czc0KYHa ■ できもしないことを言えば後悔すると、わかってはいた。 わかってはいたのだが、女の子には見栄を張らなければならないときというのがある。 たとえば、好きな男に女の子らしいところを見せたいときとかは。 来週はクリスマスだ。ケーキを食べて、チキンを食べて、サンタクロースが 大忙しな、一年で一番盛り上がるお祭りさわぎ。 もちろん夜更かしもオーケーだ。 藤岡と付き合い始めてからはじめてのクリスマスで、夏奈は一ヶ月も前から上機嫌だった。 「うひ」 夏奈は、うれしいときにヘンな笑い方をするクセがある。 放課後の帰り道の、ちょっとわき道にそれた公園。 使い込まれて茶色が濃くなっているベンチに座っているのは、もちろん夏奈と藤岡だ。 手のひらの中で湯気をあげている肉まんがおいしいのはもちろんだが、それ以上に藤岡の腕に 頭を預けていることがうれしくてたまらず、夏奈はバカっぽいニヘラ笑いを隠そうともしない。 「ふっじおか〜。あーんしてくれ、あーん」 「はいはい」 藤岡はすごい、と夏奈は思っている。 あの夏奈を……『あの』南夏奈をここまで惚れさせるやつなんて、世界中探したって、 ほかにいないに違いない。よーく考えると、この地球上で、たまたま自分が藤岡に 出会ったのは、神様のめぐりあわせとしか思えない、すごいレベルの偶然だ。 だから、自分に出会ってくれた藤岡はすごいのだ。 夏奈特有の謎のリクツだが、本人がそう思うならすごいのである。 そして、そのすごい藤岡は、いつものようににこにこして、夏奈にされるがままになっている。 「なあなあ、藤岡」 「ん?なに?」 「私のこと好きか?」 以前の夏奈を知っている身からすれば、非常に気持ちが悪い。 急にはじまる夏奈の遠まわしなわがままに、藤岡はぼっと顔を赤くして、 「……言わなきゃだめ?」 「言わなきゃ許さん」 頬をぽりぽり掻いていたが、そのうち観念したように小さく言った。 「好きだよ」 こういう会話をするのをバカップルというらしいが、こんな幸せがあふれそうな気分になれるなら、 バカでもぜんぜんかまわないと、夏奈は思う。 「うひひ」 すごく上機嫌になって肉まんにかぶりついた。思ったより熱くてむせた。 藤岡があわてて缶コーヒーを飲ませてくれたが、間接キスなのに気づいてますます嬉しくなった。 手についた残りかすをぺちゃぺちゃ舐めていると、 「カナ。オレが言ったんだし、カナにも言ってほしいな」 「う」 もちろん言わなければならないところだろう。 夏奈は目を泳がせて、指をからめてもじもじして、なんだかもにょもにょ言っていたが、 「お、女の子にそんなこと言わせようなんて、サイテーだな!」 「え、ええー!?」 夏奈は声に出して『好きだ』というのがすごく苦手である。 『だって、何か損した気分になるじゃないか』と言うのだが、いったい何で損をするのかは わからない。単純に恥ずかしいだけなのかもしれない。 なので、藤岡は夏奈に『好きだ』と言っても、言ってもらえる回数は非常に少ないのだった。かわいそうである。 しかしそんな哀れな藤岡の気持ちなど知らず、夏奈はこの場を乗り切るべく、足りない頭を全力でぶん回す。 「そ、そんなことよりだな!アレだよアレ!あの、……ま、ま、……マフラー!」 沈黙。しばらくして、ようやく藤岡が口を開き、 「……あの、マフラーがどうかしたの?」 正直、よく考えてしゃべったかといわれれば、明らかにノーである。 恥ずかしいのをごまかせればなんでもよかったが、しかしなぜマフラーなのか。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1291732234/282
できもしないことを言えば後悔するとわかってはいた わかってはいたのだが女の子には見栄を張らなければならないときというのがある たとえば好きな男に女の子らしいところを見せたいときとかは 来週はクリスマスだケーキを食べてチキンを食べてサンタクロースが 大忙しな一年で一番盛り上がるお祭りさわぎ もちろん夜更かしもオーケーだ 藤岡と付き合い始めてからはじめてのクリスマスで夏奈は一ヶ月も前から上機嫌だった うひ 夏奈はうれしいときにヘンな笑い方をするクセがある 放課後の帰り道のちょっとわき道にそれた公園 使い込まれて茶色が濃くなっているベンチに座っているのはもちろん夏奈と藤岡だ 手のひらの中で湯気をあげている肉まんがおいしいのはもちろんだがそれ以上に藤岡の腕に 頭を預けていることがうれしくてたまらず夏奈はバカっぽいニヘラ笑いを隠そうともしない ふっじおかあーんしてくれあーん はいはい 藤岡はすごいと夏奈は思っている あの夏奈をあの南夏奈をここまで惚れさせるやつなんて世界中探したって ほかにいないに違いないよーく考えるとこの地球上でたまたま自分が藤岡に 出会ったのは神様のめぐりあわせとしか思えないすごいレベルの偶然だ だから自分に出会ってくれた藤岡はすごいのだ 夏奈特有の謎のリクツだが本人がそう思うならすごいのである そしてそのすごい藤岡はいつものようににこにこして夏奈にされるがままになっている なあなあ藤岡 ん?なに? 私のこと好きか? 以前の夏奈を知っている身からすれば非常に気持ちが悪い 急にはじまる夏奈の遠まわしなわがままに藤岡はぼっと顔を赤くして 言わなきゃだめ? 言わなきゃ許さん 頬をぽりぽり掻いていたがそのうち観念したように小さく言った 好きだよ こういう会話をするのをバカップルというらしいがこんな幸せがあふれそうな気分になれるなら バカでもぜんぜんかまわないと夏奈は思う うひひ すごく上機嫌になって肉まんにかぶりついた思ったより熱くてむせた 藤岡があわてて缶コーヒーを飲ませてくれたが間接キスなのに気づいてますます嬉しくなった 手についた残りかすをぺちゃぺちゃめていると カナオレが言ったんだしカナにも言ってほしいな う もちろん言わなければならないところだろう 夏奈は目を泳がせて指をからめてもじもじしてなんだかもにょもにょ言っていたが お女の子にそんなこと言わせようなんてサイテーだな! えええー!? 夏奈は声に出して好きだというのがすごく苦手である だって何か損した気分になるじゃないかと言うのだがいったい何で損をするのかは わからない単純に恥ずかしいだけなのかもしれない なので藤岡は夏奈に好きだと言っても言ってもらえる回数は非常に少ないのだったかわいそうである しかしそんな哀れな藤岡の気持ちなど知らず夏奈はこの場を乗り切るべく足りない頭を全力でぶん回す そそんなことよりだな!アレだよアレ!あのままマフラー! 沈黙しばらくしてようやく藤岡が口を開き あのマフラーがどうかしたの? 正直よく考えてしゃべったかといわれれば明らかにノーである 恥ずかしいのをごまかせればなんでもよかったがしかしなぜマフラーなのか
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