【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 5冊目 (775レス)
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698: [sage saga] 2016/11/24(木)23:17 ID:V3Gh3kBt(18/34) AAS
「帰ってよ!この人でなし!!」

「私利私欲の為にこれから多くの人を傷つけ、殺しまくるんでしょ!」

「出てって!出てけってばぁ!!」

 銀子に背を向け、感情任せにその拳に叩かれている真九郎。

 分かっている。

 自分のエゴで...紫以上に銀子を優先できるかと問われ、即座に紫を

選んでしまった時から、こうなることは予想が出来ていた。

 既に死んでしまった家族以外で、自分をよく知る幼馴染をこんな形で

傷つけ、切り捨てるようなそんな形でしか別れを告げられなかったのか?

 もっとましな別れ方はなかったのかと自問せざるを得ない。

 だが、事ここに至っては、もう何も言うまい。

「行かないでよ...ねぇ」

 銀子が言いかけた言葉を最後まで聞くことなく、真九郎は勢いよく

新聞部の扉を引き、そのまま部室を後にした。

「待って!待ってぇええええ!真九郎ぉおおおおお!!!」

 長い廊下を歩く真九郎の背中に、短い悲鳴だけが追いかけてきた。

 真九郎は、足を止めることなくそのまま星領高校を出て行った。
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