【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 5冊目 (775レス)
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700: [sage saga] 2016/11/24(木)23:18 ID:V3Gh3kBt(20/34) AAS
「正直な話、心が痛いですよ」
「銀子の俺への想いが分からないわけじゃなかった」
「だけど、いつかはこうなることはわかりきっていたのに...」
「もう、良いじゃないですか。真九郎さん」
「真九郎さんには私とちーちゃんと紫ちゃんがいます」
「もっと欲を言えば貴方には私だけを見ていて欲しいんです」
「でも、村上さんにはその覚悟がなかった。腕力も無ければ覚悟もない」
「それで好きな人が別の人とくっつくのは納得いかない」
「なんて、今更喚かれても、私は真九郎さんを手放す気なんかありません」
「だって私は貴方に恋した瞬間から、貴方を生涯の伴侶と決めたんですから」
夕乃の発言のその根底には一歩間違えれば、自分がこうなっていたかも
しれないという一種の諦観と、なんとしても真九郎を奪った相手から
なにをしてでも必ず奪い返すという怨念めいた憎悪が見え隠れしていた。
真九郎を初めて好きになった八年前から夕乃はその覚悟を胸に、
真九郎の側にいた。彼を想い続け、行動に表して自分の気持ちを伝え続けた。
だから真九郎は夕乃を好きになった。
今回の銀子の失恋は、ただ今のままの心地よい関係に甘んじて夕乃ほど
真剣に真九郎に向き合わなかっただけの結果でしかない。
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