【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 5冊目 (775レス)
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701: [sage saga] 2016/11/24(木)23:18 ID:V3Gh3kBt(21/34) AAS
「次は〜○○〜○○行の電車が...」
あれほど鳴り響いていた携帯電話のバイブレーションがいつの間にか
鳴り止んでいた。
ホームに滑り込んできた電車が口を開け、乗客達を吐き出し始める。
「じゃ、また明日学校で」
「ええ。愛してます。真九郎さん」
電車に乗った夕乃を見送りながら、真九郎は漫然と、もう村上家の
敷居をまたぐことは出来ないと思っていた。
しかし、これで銀子はもう自分がらみで命の危険に晒されることは
なくなった。
たとえそれが自分の自己満足だったとしても、銀子には自分が歩くことを
やめた日向の道を、彼女を幸せに出来る誰かと一緒に歩くという権利を
取り戻したことがせめてもの救いだったな。と、自分をごまかしながら
真九郎は五月雨荘へと歩き出し始めた。
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