【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 5冊目 (775レス)
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711: [sage saga] 2016/11/24(木)23:22 ID:V3Gh3kBt(31/34) AAS
〜夕乃の視点〜

 明日の真九郎さんのお弁当の仕込みをしているときに、電話が鳴った。

 おそらく電話の主はおじいちゃんの友達か、町内会の人だろう。

「ちーちゃ〜ん。お電話出て〜」

「はーい」

 散鶴はどうせ人見知りだから、電話を取ったらすぐに涙目になって私に

バトンタッチするだろう。そう思っていた。

 でも、珍しいことに散鶴は五分たっても私の元に戻ってこなかった。

 おかしい。

 人見知りなあの子が私に電話の応対を任せずに、見知らぬ他人の話を

五分近く聞いていられるわけがない。

 真九郎やおじいちゃんならともかく...

「まさか...!」

 見知らぬ他人ではないが、散鶴が知っている他人なら心当たりがある!

 私は慌てて廊下に飛び出し、電話へと走っていった。

 角を曲がってそのすぐ目と鼻の先に、妹は確かにいた。

 だけど、状況は既に手遅れだった。
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