[過去ログ] 【俺の妹】伏見つかさエロパロ20【十三番目のねこシス】 (807レス)
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574: 風(後編) 19/63 2011/07/18(月)09:57 ID:8mgfk2k0(3/48) AAS
「高坂さん。今しがた、あやせさんから電話がありましたけど、今はタクシーでこっちに向かっているそう
ですよ。到着したらすぐに着物の着付けをするとかで……。私も着付けのお手伝いをしますけど、大忙しで
すね」
「そ、そうですか……」
招待状を保科さんから受け取った翌日に、件の招待状を見せた時のお婆さんの驚きときたら、まるで別人
の様だったからな。それだけで、保科さん一族のこの街でのステータスが分かろうかというものだ。
「はぁ……、ため息しか出ねえや……」
単純な奴なら有頂天になるのかも知れないが、俺は到底そんな気分になれなかった。
野点に招待されているのは、俺とあやせを除けば、相応な地位の者ばかりだろう。
そんな中に、この地方の出身者ですらない只の学生が紛れ込んでいいはずがない。
「高坂さんも早く支度を……。その前に、手早く食べられるように、おむすびを作っておきましたよ」
見れば、ちゃぶ台の上には、ラップが掛けられた握り飯が六個ほど置かれている。俺とあやせとで三個
ずつということらしい。そういや昼飯時だってのを忘れていたな。
緊張感からか食欲はなかったが、腹が減っては戦ができぬ。俺は三個の握り飯を喉に押し込むようにして
食い、白味噌を使った味噌汁をすすり、お茶で喉をうるおした。
握り飯を食い終えた頃、下宿の前に車が止まる音がした。そして、
「ごめんください」
という、あやせの声が玄関から聞こえてきた。
「まぁ、まぁ、まぁ!」
妙にはしゃいでいるお婆さんとともに玄関へ急ぐと、前回よりもさらに大きい特大のキャリーバッグを
引いた新垣あやせが笑顔で佇んでいた。
「今回もお世話になります」
「遠いところをようこそ……。あやせさん、お昼は食べました? もしよかったら、おむすびでも……」
「せっかくですけど時間が惜しいので、お昼は新幹線の中で済ませました。これから着物の着付けを致しま
すので、済みませんが宜しくお願い致します」
「まぁ、段取りが宜しいですね。では、早速、始めましょうか」
お婆さんがあやせを伴って、一階の奥の方にある、俺も立ち入ったことのない部屋に向かって行った。
俺の前を通り過ぎる際に、あやせが大きな瞳で、俺をじろりと睨んだような気がした。
『いよいよ正念場です。気を引き締めてください』
とでも言いたげだったな。
「俺もそろそろ着替えないとな……」
自室に入り、箪笥からスーツ一式を引っ張り出した。これに袖を通すのは入学式以来じゃねぇか。
はっきり言って安物だが、ダークグレーの無難な色合いが幸いしてか、それほど見苦しくはない。
ネクタイを黒にグレーのストライプのものでシックに決めれば、今回の野点のようなあらたまった席でも
大丈夫だろう。
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