[過去ログ] 【俺の妹】伏見つかさエロパロ20【十三番目のねこシス】 (807レス)
上下前次1-新
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
581: 風(後編) 26/63 2011/07/18(月)10:17 ID:8mgfk2k0(10/48) AAS
「入り口は、ここなんですけど……」
「こ、ここって……」
俺とあやせは思わず顔を見合わせたね。
だって、保科さんが言う入り口ってのは、戸棚か何かの引き戸かと思うほど小さかった。
「ここは、さっきの木戸よりもさらに狭いですから注意してくださいね」
言うなり、保科さんはその引き戸を開け、身を精一杯に屈めて、滑るように茶室の中へと入っていった。
「では、高坂さんにあやせさんも入ってください」
気は進まなかったが、仰せの通りにした。
先ほどの木戸とは比較にならないほど狭かったが、それでも、しっかりと身を屈めると、肘や背中をどこ
にも擦らずに中へ滑るように入ることができた。
今にして思えば、さっきの木戸は、ここをくぐり抜けるための予行演習みたいなもんだったのかもな。
「これが本物の茶室か……」
何かの書籍で写真を見たことはあったが、実際に目にし、その中に入ったのはこれが初めてだ。
写真でも草庵風の茶室というものは、狭いという印象だったが、この茶室も、たしかに狭い。何かの書が
掛けられている床の間のような部分を別にすれば、広さは四畳半程度だろうか。俺が住んでいる下宿の方が
格段に広く感じる。
「本物だなんて……。茶室の作りに厳格な様式はありませんから、流派によってまちまちですし、各流派も
茶室の様式にそんなに神経質ではありません。要は、世俗から切り離された空間で、お茶をいただけるもの
であれば、どのような様式でもよいのです」
保科さんは笑顔でそう言い、座るよう、俺たちを促した。
「でも、座布団がないじゃありませんか!」
あやせが不平丸出しの刺のある口調で保科さんに噛みついている。たしかに、座布団なしで畳の上に正座
はきついな。
「茶の湯で座布団は使いません。座布団というものは、茶事のような正式な席で使うべきものではありませ
んからね」
「座布団は下品だってことですか?」
「う〜ん、下品とまでは申しませんが、決して上品なものではありませんね」
そうなんだ。知らなかった。
あやせも、座布団が上品な代物ではないことを保科さんから指摘されたら、未だに不服そうではあったが、
押し黙った。
保科さんは、嫌味な言い方だが、上流階級としての躾をちゃんと受けている。
その彼女が上品ではないと言うのであれば、それはそうなのだろう。
「では、お言葉に甘えて、失礼致します」
俺は保科さんに近い方に座ろうとしたが、それはあやせに止められた。
「お兄さんは保科さんを意識し過ぎです。ですので、保科さんの間近に座らせるわけにはいきません」
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
あと 226 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル
ぬこの手 ぬこTOP 0.141s*