[過去ログ] 【俺の妹】伏見つかさエロパロ20【十三番目のねこシス】 (807レス)
上下前次1-新
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
587: 風(後編) 32/63 2011/07/18(月)10:24 ID:8mgfk2k0(16/48) AAS
「急ぎましょう」
既に俺たちを除く他の招待客は席に着いていて、炉から離れた末席とでも言うべき場所に、都合三人が座
れそうな場所が空いていた。
「お嬢様。お待ちしておりましたぞ」
保科さんが緋毛氈に座っている来客たちに近づいていくと、そのような声がそこかしこから聞こえてきた。
「いえ、お嬢様だなんて……。それに本日は未熟者のわたくしではなく、先生にお茶を点てていただきます
ので、わたくしはこちらの方で目立たぬように控えさせていただきます」
いなし方も堂に入ったもんだ。一歩間違えれば嫌味になっちまうのに、保科さんが言うと、全然そうじゃ
ないからな。
「しかし、本日は、おのこを連れてですかな。嬢様もすみには置けませぬなぁ」
招待客のうち、禿頭で暗褐色の地味な着物を着た、おそらくは喜寿ぐらいになりそうな老人が笑いながら、
そう言ってきた。
「和尚様、そのようなことを仰られると、檀家の皆様から、生臭ナントカと言われてしまいますよ」
「はははは……、これは参った。嬢様には敵いませぬなぁ」
和尚様と呼ばれた老人は、年に似つかわしくなさそうな張りのある声で、からからと笑っている。
この爺さん、俺と保科さんが出会った禅寺の住職か何かだろうか。
それにしても小柄で細身のくせに、よく通る声だな。少なくとも、ただ者じゃなさそうだ。
その爺さんと俺の視線が交錯した。彫りの深い面立ちに柔和そうな目だった。だが、その目が一瞬だけ、
かっと、見開かれ、俺をたじろがせた。俺が何者であるのか、その眼光をもって吟味したのだろうか。
だが、それだけだった。爺さんは、もう俺には目もくれず、俺の後ろに控えているあやせの方を向いている。
「おのこだけでなく、嬢様に勝るとも劣らない別嬪さんもお越しとは、愚僧、長生きはするもんですな」
「和尚様、それぐらいにしてください。いくら野点は格式張らないとは申しましても、和尚様の悪ふざけは
度を越しております」
「おお、嬢様の突っ込みはいつもこうじゃ。こわいこわい……」
保科さんと比較されるという微妙な褒め方だったからか、あやせが『何なのこの爺さん』と言いたげに、
「こわいこわい」と呟きながらも笑っている和尚を、半眼で睨んでいる。
実際、変なジジイだよな。さっき一瞬だけ、眼光が鋭いように感じたのも錯覚だったのもかも知れねぇ。
しかも、
「そこな青年、嬢様のような美しいめのこは、こんな風に怖いものじゃ。十分に気をつけられよ、嫁にする
と、後々、尻に敷かれるでな」
うわぁ、保科さんに釘を刺されても全然堪えてねぇや、このジジイ。しかも、よりにもよって、保科さん
みたいな人を俺の嫁にってのは何だよ。そんなことを考えただけで、我が身がどうなるか分かったもんじゃ
ねぇ。
「……お兄さん……」
その最大の危険要素が、今、俺の傍らにいやがる。万が一にもあり得ないが、俺が保科さんと付き合いだ
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
あと 220 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル
ぬこの手 ぬこTOP 0.188s*